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風の魔王城  作者: とにあ
23/30

嫌い?










―――神様……僕はうまれてはいけなかったのですか?―――





 









 














 ココの環境は嫌いだ。




 昔を思い出す。




 己が存在を否定され続けることはロクなことじゃない。


 周囲を嫌悪しながらも誰にもその嫌悪をあらわせない。


 そしてその想いを吐き出せず溜め込んでゆく。




 ……壊れる一歩手前ですか?


「貴方は、私が嫌いなんですか?」


「嫌い?」


 どこかで聞いたような会話。


 それでもかつてとは役割が変わっているのが新鮮かもしれない。


「ええ、貴方は私が嫌いなんでしょう?」


 噛み殺しにくい笑いがこみ上げる。


「何がおかしいんですか!?」


 きっと今までも誰かが繰り返し続けてきた問答。


「嫌いですよ。でも、貴方のことは好きですよ」


「わかりません」


 彼は拳を握りしめる。


 ああ、笑いがこぼれそうだ。


「かつて、遠い昔、私も貴方と同じ疑問を人にぶつけましたよ。昔の自分を思い出すのでその質問は嫌いです」




 彼は予想通り、沈黙した。




 きっと理解してくれない気がする。


「そして思うんですよ」


「なにをですか?」


「貴方はご自分が嫌いなんですね。もう少し自分を好きになられることです」

 彼は顔を真っ赤にさせ、踵をかえして行ってしまった。






「馬鹿ね。陛下のご不興をわざと買うのは得策だとは思えないわ」


「嫌われてますからね」


「そうね。ねぇ、私のことはお嫌い?」


「嫌いですよ。フレム、あなたは何者ですか?」


「私は私。太陽の制御者フレム・アーシュリーよ」





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