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心の闇
ふわりとした麦穂色の髪の少女。
「ティアル陛下」
鮮やかな碧の瞳が微笑む。
大きな白襟の黒いワンピース。
舞い降りた私の小さな天使。
「フレムは陛下のこと素晴らしい方だと思います。フレムは陛下を信じてます」
疑いを知らぬ、真剣な眼差しで私に手を差し伸べる。
この心に応えたい。
期待に添いたい。
その信用を裏切りたくはない。
「フレムは私を信じてくれるのかい?」
「もちろんです。フレムが信じて良いと思えるのは陛下だけですもの」
差し出した私の腕にフレムはまつわりつきながら笑う。
「ティアル陛下、大好き」
「ああ、好きだよ。必ず、必ず、焔の魔鳥。探し出してあげよう」
そう 愛しい私の天使。
君が望むのなら全て叶えてあげるから……
待っていて……
側にいて……




