表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
上手な修正液の使い方  作者: 和紙
67/70

五ヶ所目 9

今、僕は<合コン>の場に居ます。


……この僕が合コンに参加してるなんて信じられない。


でも、事実なんだよね。


今、女の子達の対面にソワソワを抑えながら座っている。


すごくドキドキするんだ。


ほのちゃん。

美月ちゃん。

茜ちゃん。


3人とも、すごく可愛いくて。


しかも、すごく仲良しで。


ってか、やっぱり同じ空気を吸っててダメなんじゃないか僕は!?


こんな僕みたいな、惨めな腐れ外道が。


「オースケ、ナイスだぜ」


ガッチリと僕の肩に腕をまわしてる蓮が、楽しそうに僕の耳元に囁いた。


ナイスと呼ばれたせいか、それとも僕は耳元が弱いのか…何だかムズムズする。


でも、そんなムズムズが吹っ飛びそうだ。


今から、蒼ちゃんと同じ衝撃を感じた、女の子の自己紹介。


女の子の自己紹介を待つのが、こんなにドキドキするのも蒼ちゃん以来。


「さぁて、メンズの皆様お待ちかね!姫ちゃんの自己紹介だよぉ」


ほのちゃんが、ニコニコ笑ってパチパチと手を叩く。


蓮も立ち上がって、同じ様に手を叩いた。


「…バカは立ち上がるな、阿呆…」


ボソッと、大河君の呟きが耳に入ったが気にしないでおこう。


ってか、ほのちゃんが連呼してくれてるお陰で……姫って名前だって分かってるからなぁ。


噂の姫ちゃんが、ゆっくりと立ち上がった。


思わず、生唾を呑んでしまう。


雪白ゆきしろです。今日は、新しくお友達が増えて嬉しいです」


照れたような、でも神々しさを感じる微笑みを浮かべる雪白さん。


「おい……欧介」


「……ふぇぃ」


「口は閉じた方が良い。だらしがない」


「うぇっ……あっ、ありがとう大河君」


大河君に言われて初めて、自分の口が全開になってる事に気付いた。


それにしても。


名前が〈雪白 姫〉かぁ。


すっごいピッタ……。


「雪白 姫ちゃんかぁ。本当にお姫様みたい」


花君がニコニコと笑う。


「ありがとうございます、森島君。」


「お礼なんて要らないよ。本当の事なんだからね」


あっ…。


あぁぁ……。


花君、それ僕の言いたかったセリフですよ……。


しかも自然に、サラサラ会話してる…何か悔しいな。


「来て良かっただろ、オースケ」


「う、うん」


蓮が満足そうに笑う。


「上手くその気にさせて、お持ち帰りしても良いんだぜ…にゃんてなぁ!ハァハ八ッ」


「ちょ、蓮!?声が大きいって!」


ヤバイって、聞かれてたら不味い…


「あのぉ、何をお持ち帰りするんですか?」


雪白さんが、小首を傾げて微笑む。


くはぁっ!


よりによって、一番聞かれたくなかった人に聞かれちゃってる!?


ここは、ほのちゃん辺りが喰い付く話でしょ?


こうなったら、目が合った人に助けを求めよう! 

誰かっ!?

救いを求めて、皆の顔を見回す。


「よよぉ!このチキンは美味しいぞぉ!ほらほら、みぃちゃん、茜ちゃんも食べて食べて」


口いっぱいにチキンを頬張り、ニコニコ笑うほのちゃん。


「コラ、ほの!両手に骨付きチキン持って食べないの!」


「でもでも、その食べ方は、ほのちゃんらしいよね」


茜ちゃんと、美月ちゃんも何だかんだ楽しそうだ。


「うわぁ、美味しそうだなぁ。ほのちゃん、僕にも一本取って」


「うん良いよぉ。はーい花君。えへっ、ほのの王子様もどうぞぉ」


「王子様?……ありがとう、いただきます」


「大河君、やったじゃん!王子様だって。僕が言うのも変だけど、確かに大河君は王子様っぽいね」


「ふっ……そんな事より、花。口にソースがついてるぞ」


「えっ、嘘!?」


「ちぇ!朴念仁が王子様かよ。ホノちゃん、気を使いすぎだぜ!とりあえず、オレにもチキン頂戴なっ」


「ぶぅ!!蓮君!大河君は、ほのだけの王子様なんだから!」




えっ。

何だろ……。

この疎外感……。


何でミンナ、盛り上がってんの!?


ってか、蓮!?


お持ち帰り発言ブチまけたのアンタだよね!?


何、堂々とミンナの会話に参加してるんだよ!


「あ、えっと、お持ち帰りってのは……その……」


袋小路に迷い込んだ僕に、雪白さんは相変わらず優しい微笑みを浮かべている。


その微笑みが、僕を袋小路に追い詰めてる事に、どうかお気付き下さい。


「ほ、骨付きチキンがお、美味しそうだから!お持ち帰りしよっかなぁって!」


雪白さんから、目を逸らさずには居られなかった。

あけましておめでとうございます。


久しぶりに更新します。


これかれは、無理なく200文字程度で更新しようかと思います。


和紙でした!

では!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ