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上手な修正液の使い方  作者: 和紙
66/70

五ヶ所目 8(蓮)

今回は、蓮視点です。

オッス!

オラ、蓮!


ハハッ!

テンションも上がって参りましたってな。


いやぁ、内輪で合コンは最高だぜ。


しかも、相手は千代菊!


更に、千代菊の一年生〈姫〉が入ってる超豪華盤。


多分、この事実にウチのサクランボトリオは気付いてないと思う……もしかしたら〈姫〉の存在自体知らないかも?


いや……それはココら一帯に住んでる男としたら、有り得ないな。


近隣の男子高校生が一度は妄想と快感を右手に乗せて……って違うかぁ。


一度は、恋い焦がれる千代菊の〈姫〉を合コンに呼べるなんて、俺のイケてるアプローチのお陰だぜ。


これは仁徳?


いや、持って生まれた俺の人徳だなぁ。


よっしゃ、更に盛り上げるっちゃね!


「タイガぁ、待ちきれなかったみたいだなぁ!?今日は朝からソワソワしてたもんな」


俺の言葉に、一瞬だけタイガの眉がピクついた。


だが、今は気にしてられない。


「さぁてアカネちゃんの番だぁ、待ってましたぁ」


手を叩いて、アカネちゃんに自己紹介を促す。


期待してなかった朴念仁のタイガが、折角作った流れだ。


流れを潰したら、申し訳ないない&癪だからなぁ。

俺が更に加速させるぜ!


「うぅ、いざ自分の自己紹介になったら、緊張してきちゃった……名前は、伊集院いじゅういん あかねです。気付いてるかもしれないけど、ほのとは幼なじみです。みぃち……」


「ほのは、小さい頃の茜ちんの面白い話をたくさん知ってるよぉ」


「コ、コラほのぉ!?私の自己紹介中に茶茶ちゃちゃ入れないの!それに、そんな話言わなくて良いんだから!」


「エヘヘッ!あぁ~、茜ちん照れてるんだなぁ?フフン、攻守逆転だぁ!」


アカネちゃんに向けて、勝ち誇った様にピースをする、ホノちゃん。


ハハッ!

この子、やっぱりオモロいなぁ!


「……よ~く分かったわ。今日は、ご飯の後で御説教だからね!攻守逆転したか、じっくり確認したいし、今日は本気だからね」


「えぇ!?お説教は嫌ぁあ!茜ちん、ゴメンね!?もうしませんからぁ……」


さっきの勢いは、何処へやら、焦り出すホノちゃん。


「ね、ねぇ?ちょっと二人とも落ち着こうよぉ……ここお店の中だし、それに蓮君達に笑われてるぅ~。ひ、姫ちゃん、何とかしてぇ~」


ミツキちゃんが、ドギマギした様子で《姫》ちゃんに助けを求める。


「賑やかなディナーなったわね。美月、ほのが元気なのはいつもの事なんだから。……4人に私達のいつもの姿を見て貰えて良いんじゃないのかしら?」


《姫》ちゃんは笑顔のまま表情を変えない。


プハッ、やっぱりダチ同士の掛け合いは聞いてるだけで愉しいぜ!


掛け合いを楽しむ俺を尻目に、慌てるホノちゃんに向けて眉をしかめる、アカネちゃん。


彼女のそんな顔を見て、ふいにユズの顔が頭に浮かんだ。


もし、ユズに合コンしてるってバレたら……絶対不機嫌になるだろうな。


きっと、こんな感じだ。


俺の頭上に、未来の出来事を表す魔法の吹き出しが現れる。


校内で、ユズに出くわす。


「おぉ、ユズ!お……」


「楽しかった?」


やけにニコニコと笑顔を浮かべるユズ。


「はっ?ちょっと待て、な、何…」


「だからぁ、合コン楽しかった?」


腰に手を据えて、俺の顔を覗き込む。


笑顔のままで。


「楽しいとかじゃないんだぜ。俺は、オースケやハナの為に……」


「そっかぁ、蓮とミンナで楽しく《合コン》したんだ!昨日は、千代菊の可愛い可愛い《女の子達》と楽しい時間を御過ごしになれて良かったわね!普段、私とは滅多にご飯食べないクセに、他の女の子とならホイホイ食べるんだ!……あぁ、もう顔も見たくない!バカ!バカ!バカ!!」


魔法の吹き出し終了。


いや、間違いねぇ。


こんな展開になり、理不尽な言葉を浴びせられる。


別にユズに怒られる理由が無いんだが……何故だよ。


これが、ミカンなら笑って見過ごしてくれるのにな。


「蓮ったら、しょうがないなぁ……もう」


みたいな。


全然違うからな……アイツら。


きっと、この4人の内の誰かもそんな子なんだろうな。


女って難しいぜ。


まぁ、良いや!


今は合コンなんだ、《侠の闘争》に命を懸けずして何をするモノぞ!


ユズにはバレないって、例えバレても……いや、バレる事は有り得ないな!


俺様に抜かりは無いんだ!


さて、次はラストだ!


「やっぱ、友達の前とかだと素の自分に成れたり、友達と一緒に居ると何処でも飾らない関係で居られる事は、とても良い事だと思うし……ホントの友達だと思う。だから、四人はホントに仲良しなんだね。今まで見てて、心からそう思います」

急にオースケが真面目な言葉を声で綴った。


「……って、僕は突然何を言ってるんだぁ?……ゴメンね、いきなり。何か、僕達も茜ちゃんやホノちゃん、美月ちゃん、姫ちゃんみたいに仲良いからさ。だから、同じなんだなって。改めて、友達って良いなぁ……って思ったんだよね」


静まり返った女の子達。


もちろん俺達も静まり返ってるのは、言うまでもない。


「欧介君……たよ」


「えっ?ほのちゃん?」


「見直しちゃったよ!ほのは、今この瞬間、君を見直したぁ!」


ほのちゃんが、ナイフとフォークを掴んで立ち上がった。


だけど。


「ひぃいい!?」


勢い良すぎたのか、ナイフが手から飛び出し、オースケの丁度目の前の位置に突き刺さる。


ハハッ。

ほのちゃん、天才だな。


「コラァ!?折角の欧介君の言葉が台無しじゃないの!ほの!!はしゃいだらダメだって言ってるでしょ」


「うわぁーん、茜ちんの鬼ぃ!?赤鬼ぃ」


「うぅ……せ、折角静かになったと思ったのにぃ。また騒がしくなっちゃったね。でも、欧介君の言葉良かったです。真っ直ぐな言葉で」


ミツキちゃんが、瞳をキラキラ輝かせて笑う。


「そんな……ただ思った事を口にしただけだから」


オースケは、頭をポリポリと掻いた。


オースケ。


お前。


やっぱ最高だな。


最高のツレだよな、俺達は!


気付いたら、俺は席から立ち上がって、ハナとオースケの肩をガッチリ組んでいた。

もちろんタイガの肩にも手をかけてる。


「うぇえ……蓮、ちょ、ちょい」


「フフッ。蓮ちゃん、ご機嫌だね」


「阿呆……何だ、肩に手をかけて」


「楽しいから、肩を組んでる!ハハッ、そんだけだぜ」


ツレの肩に手を掛けるのに、それ以外理由なんて無いぜ。


「さぁ、最後は《姫》ちゃんだよ!バッチリ決めてな!」


俺は、高まったテンションに任せて、千代菊一年の《姫》に自己紹介を促した。


次回からは、欧介の視点に戻ります。


感想や理由の有る批評をお待ちしてます。

意見なども気軽に聞かせて下さい。


和紙でした!

では!!

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