五ヶ所目 8 (花)
今回は、花視点です。
僕の隣で、まだ少し動揺を見せてる欧介君。
ってぇ、僕の方が動揺してるよぉ!
あんな自己紹介で初めて聞いたもん。
多分……DBのセリフだと思う。
確かに、悪ノリしちゃった事はイケない事だケド……パニックになってる欧介君はオモシロいからね。
つい、からかいたくなるんだもん。
それに。
へへへっ!
すごく自然に大河君、蓮との連携プレーが出来て嬉しかったなぁ。
何だか、ものすごく絆が感じられた瞬間だった。
掛け替えのない大切な絆だね。
僕の…僕達の…。
「はいはぁーい!ほのが自己紹介、一番槍ぃ」
おや、ついに女の子達の自己紹介かぁ。
へぇ、やっぱりこの元気な女の子が一番なんだね。
何となく、そんな気がしてたけど。
でも、この子……ほのちゃんだっけ?
面白いよね。
一緒に居るだけで楽しい気持ちになれそう。
可愛い笑顔だしなぁ。
僕も、こんな笑顔出来たらなぁ。
「ほのは……じゃなくて、アタシは綾瀬ほのだよ。ほのって呼んでね」
とびっきりの笑顔とピースのサイン。
僕が今まで見てきた笑顔の中でも、五本の指に入る笑顔だよ。
うん、やっぱりすっごく良い笑顔だもん。
隣に座ってる欧介君は、ほのちゃんの笑顔にデレデレになってる。
鼻の下が弛んでるからねぇ。
うぅ…欧介君め。
ちょっと情け無いぞ。
まぁ、やきもちを妬いても仕方ないかなぁ。
でも、何か悔しかったんだ!
ふいに、欧介君と目が合った。
ちょっとイジワルしたくて、目線外しちゃった。
うん?
よく考えたら……欧介君のこの弛んだ顔、僕もいつも向けられてる様な?
多分、気のせいだね。