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上手な修正液の使い方  作者: 和紙
61/70

五ヶ所目 5

 飛び出した僕達四人に割れんばかりの拍手に迎えられた。


予想もしてなかった拍手の大合唱に、僕の体が反射的にビクッと震える。


ダメだダメだ!


合コンなんて、頭では理解しても心の準備が出来て……うんっ!?


その瞬間、僕の視線はある一点に引き寄せられる。


まるで、ずっと昔からそう決まっていたように自然に。


左端に座っている女の子と目が合ったその瞬間、震えていた体に更なる衝撃を受けた。


稲妻が脳天から四肢の先端まで突き抜ける、それぐらいの衝撃。


こんなの……二度目だ。


そう……二度目。


一度目は、初めて蒼ちゃんに出会ったバス停。

あの時、銘東工業高校の卒業式を終えた帰り道……バス停で18歳の蒼ちゃんの姿に衝撃を受け、結果一目惚れに陥った。


その蒼ちゃんと同じ環境、高校三年間を過ごしたいが為に高校生活をやり直した。


そして、今この瞬間……再び。


蒼ちゃんに匹敵する程の衝撃を受けた。


僕の目は、左端に座る女の子に釘付けになる。


目を離す事なんて、出来なかった。


明るい金色の髪に、全体的にはっきりと大きめのクセがかかったロングの髪の毛。


肌は染み一つなく、白く輝いてる。


キラキラと光る瞳には、星が入ってると言っても過言ではない。


ピンクの唇を見ていたら、無性に唇に吸い付きたくなる。


薔薇色の頬。

はっきりと断言出来る!


彼女は、ここらに居る女の子とはレベルと言うか……次元そのものが違う。


正直言って、この女の子の魅力は……蒼ちゃんと同等……いや、それ以上か。


そんな事ない、僕は蒼ちゃん一筋なんだ!


あんな女の子に、あんなにも綺麗で魅力的なんて言葉を超越した女の子なんかに、蒼ちゃんは負けないんだ!


「ようやく来たなぁ!蓮君達ってば、遅ぉい!遅刻なんだぁ」


必死に一目惚れしてしまいそうな自分を抑えつけていると、一番右の席に座っている茶髪の女の子が、大きな声で明るく叫んだ。


叫んだ事で、頭の右側で纏めた女の子の髪が少しだけ揺れめいた。


「こら、ほの!来てくれたんだから、文句言わないの」


茶髪の子の隣に座ったいる、緑の黒髪を上品に肩で流した女の子が、困ったような表情を浮かべた。


「だってさぁー、ほの待ちきれなかっただもの」


「だからって、いきなり叫んだらダメなの!いつも言ってるでしょ。思った事を叫んじゃうクセ、いい加減に直しなさい。ほら蓮君達、固まってるじゃない」


「むうぅ……茜ちんの意地悪ぅ」


確かに固まってる、僕ら四人。


「まぁまぁ、アカネちゃん。ほのちんも今だけは反省してるんだしさ」


「れ、蓮君!?ぶぅぅー今だけって言うなぁ」


いや、固まってるのは三人かぁ。


蓮は、いつの間にか席に近付き椅子に手を掛けている。

花君なんか、僕と同じようにカッチカチの笑顔のまま突っ立っているのにさ。


大河君は……えっ!?


僕の予想では大河君は、てっきり蓮がついた嘘に対して腹をグラグラと煮えくり返していると思った。


だから、不快感を露わにした顔や仏頂面を浮かべていて、間違いないと思っていた。


事実、こんな展開になった時はいつもそうだ!


だが、大河君は……。


大河君は、優雅に髪を触りながら困ったように笑っている!


んだとぉ!?


こんな表情、内輪じゃ絶対見れないですぜ?


アンタ、普段こんな優雅に苦笑してないでしょ!?


いつも、すっごい冷たい顔してるじゃないかぁ!


ふいに喉から溢れ出そうになった心の雄叫びを、苦心して飲み込む。


今の大河君は、完全に外行きモードって訳ですな。


恐るべし大河君。




「さぁさぁ、三人もいつまでも立ってないで座って座って!」


ボブヘアーの女の子が手招きをして、僕らに笑いかけた。


って!?


こ、この子の胸……。


あぁ、肌に密着してるセーラー服が羨ましいですな。


溢れてきた生唾をグビっと飲み干す。


「よ、よし!とりあえず、すわ、座ろうか花君」


「そうだね……そうしようか」

花君と顔を見合わせ、ガチガチに固まった脚を何とか前に踏み出す。


途端に足枷がついてる様な錯覚を感じた。


足がとてつもなく重い。


だが、いつまでも突っ立っては居られない。


気持ちを奮い立たせて、何とか歩みを始める。


最初の一歩を踏み出すのは苦労したが、一歩を踏み出す事さえ出来れば後は慣性で動く……事にしておこう。


「欧介緊張するな。花もだ。この場では、自分の思うがまま振る舞えば良いんだ。緊張する必要などない」


「う、うん。そうだよね」


そうだけど……。


もしも、思うがままに振る舞ったら両手に黒光りする錠がかかる。


けして冗談では無いんです。



いよいよ、席にたどり着いた。近くで見る4人は、更に別嬪さんに見える。


待て待て。

正しくは、別嬪さんの中の別嬪さんなわけで……って僕は何を言ってる?


残る一人。


一番左端の子は、もう僕ごとき人間が別嬪さんだとか言葉なんて言う事自体が畏れ多い。


蒼ちゃん並の魅力……でもホントは…それ以上に……。


「あの……すごく見つめてますけど……どこで会いましたか?」


席に座る事も忘れて見とれている僕は、金髪の彼女に笑顔を向けられた。


こんにちは。

和紙です。


リニューアル後、初投稿です。


これからも宜しくお願い致します!


和紙でした!


では!!

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