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上手な修正液の使い方  作者: 和紙
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シェイクシェイク

転生編から学校編を繋ぐ話です。

今日、僕は聖蘭の合格発表開場にいる。


修正液で、過去を修正して一年が過ぎようとしている。


一年前の卒業式が行われた日、僕は高校3年から中学3年の4月まで戻った。


この一年間、僕は15年間(まぁ……ホントは18年間だけど……)生きてきた中で一番勉強した。


学校の犬と呼ばれようが気にしなかった。


全ては、聖蘭で蒼ちゃんと高校生活を過ごすためだから。


(まぁ…合格してなかったら中学浪人なんだけど…そう、考えると掲示板見れないよぉ……)


僕は人が行き交う掲示板で一人悶えた。


(どうか……受験番号07J63が掲示板にあって下さい。どうか…神様…仏様…あぁ…女神様)


女神様に祈りをが通じたのか、受験番号07J63が07J61と07J64に矢印で書き足されていた。


「ベ〇ダンディさま〜!!」

自分の番号を見た瞬間、矢印の意味が分からず戸惑ったが、遅れて戸惑い以上の喜びの波に包まれた。


「番号が試験官の手書きだって、後から付け足されたって合格は合格だぁ」


意味不明な言葉を叫んで喜んでいると、目の前で蒼ちゃんが友達と涙ぐみながら手を取り合って喜んでいるのが見えた。


(うわぁわぁ…15歳の蒼ちゃんだぁ!!聖蘭万歳〜)


僕が天にも昇る気持ちで蒼ちゃんに見とれていると一瞬、蒼ちゃんと目があった。


「あっ、蒼ちゃん合格おめで…」


とっさに言いかけた瞬間、目を反らして友達と掲示板からソソクサと離れていった。


「グッ‥ゲ」


僕はそんな光景を見てショックを受けた。


こんなにショックなのは、担任がヅラだった事を物語る見てはいけない瞬間を見てしまった以来だ。


「そうだよなぁ…まだ、彼女と知り合ってないんだよなぁ。気をつけなきゃ」


自分で行動を深く改め、今日は帰る事にした。


帰り道、何故か僕と目の会う学生、男の子も女の子も心なしか微笑んでいる様に感じる。


僕は、その微笑みを受けて改めて聖蘭の和やかムードに一人感動を噛み締めていると、突然笑い声と共に強く肩を叩かれた。

ビクッとして、振り向くと僕より7〜8センチ程背の高い赤毛の学生笑いながらが立っていた。


(はぁっ?い…きなりカツアゲですかぁ…)


僕がビクビク固まっていると、赤毛君が腹を抱えて大爆笑しだした。


「あっははは〜お前さぁ、ビビりだろ!!しかも合格発表で感動し過ぎ。ってか鏡見てから帰れよブサイク君」


そう言うと、ポケットテイッシュを僕の胸に押し付けて、笑い続けながら去っていった。


(なんだよ、今のは…人を笑い物にして。おいおい……まだ、笑ってるし)


遠巻きに赤毛の姿を追いながら路上駐車されている車のサイドミラーに写った自分の姿を見ると、赤毛が言った意味が分かった。


あぁ、そうゆう事ね。


顔には、涙と花水とヨダレの跡がクッキリついている。



周りの皆の笑顔は、僕に対する和やかな笑みじゃなくて嘲笑なわけですか。


そりゃミンナ、僕を見て笑うわけだぁ。ちくしょ〜〜蒼ちゃんに変なトコ見られちゃった…。


恥ずかしさのあまり、僕は顔面をトマト色にしながら駆け出した。


春の香りが漂う木漏れ日の中、僕の聖蘭高校生活が無事(?)始まった。



次回からの話もヨロシクお願いします。

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