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上手な修正液の使い方  作者: 和紙
44/70

四ヶ所目 16

 二人で夕暮れの中、下駄箱を出た。


残念ながら手は繋いでいない。


それに僕は、蒼ちゃんが校内用のサンダルから皮靴を履き替えた時、本気でテイクアウトしようとサンダルに手を伸ばしかけたが、危ういトコロで自制した。


こんなテンションで無事帰れるのか?


一人で苦笑いを浮かべて居ると、蒼ちゃんが何か呟いた。


「えっ?」


僕は、彼女が何を言ったのか聞き取れなかったから聞き返す。


「欧介君のテスト勉強の調子を聞いたんです」


蒼ちゃんは、僕の顔を見た。


夕日で肌が黄金色になってる、蒼ちゃんは美しい。


夕日の光を宿してる瞳が特に。


「あの…聞いてますか?」


蒼ちゃんは少し眉をひそめた。


「ゴメン…夕日が眩しくてさ。テストの調子は、どうかなぁ」


正直全然!

諦めてるっすよ、ハハッ!


とは、好きな人の前では言えない。


「蒼ちゃんは?」


「私は、まぁまぁです」


彼女は、少し頬を緩ます。


まぁまぁ=結構出来る。


この方程式は、18年生きてれば嫌でも分かる。


「でも、数学の一次方程式の応用が分からなくて」


あぁ、そいえば数学テストの最重要課題だったなぁ。


まぁ僕には、二度目の数学だから少しは分かるけど。


「僕は、英語の和訳が解んないトコが有ってさ」


二度目の英語だけど、さっぱりだ。


「私、英語なら分かりますよ…多分」


蒼ちゃんは、笑顔を浮かべた。


蒼ちゃんが、英語に自信が有るのは初耳だ。

そういえば、英語の時間に英文を滑らかに訳してたなぁ。


「蒼ちゃんは、英語得意なんだ」


「得意って訳じゃないケド、他の科目よりは分かります」


やっぱりな、なら教えて貰おうかな。


「蒼ちゃんの訳は綺麗に訳されてて、分かりやすいよ」


いや、そんな事言えないよ僕。


「そんなぁ…綺麗だなんて」


ダメだ、逃げたら。


自分の思った事を伝えなきゃ。


気付いたら、僕と蒼ちゃんは最寄りのバス停の近くまで来ていた。

太陽は、もう沈んでいた。

そのせいで、蒼ちゃんが顔が見辛い。


今どんな顔をしてるんだろう?


よしっ、言おう。


「あのさ…もし良かったら、良かったさ…」


僕なら言える。

帰るのだって誘えたんだから。


ドキドキする鼓動を抑える為、深呼吸する。


「えっ?」


日が無いから、彼女の顔は見辛い。多分、キョトンとした表情を浮かべてるんだと思う。


「僕に英語を教えて欲しいんだ。今日家に帰ったら電話するからさ…良いかな?」


最高調の心拍数だ。

蒼ちゃんに聞こえてるかも。


そう思うと更に、高くなる。


「はい、喜んで教えます」


優しい声と共に、バスのライトで照らされた蒼ちゃんの笑顔がはっきり見えた。


「い、良いの?」


僕が言葉を言った瞬間、乗車するバスが到着した。


搭乗口のドアが、空気が抜けるを立て開く。


その音が、何故か《やったぜぇー》と聞こえる。


興奮でおかしくなったか、僕?



バスに車内に入り空いている席を見付け二人で座った。


彼女が座った瞬間、色の白い太股が一瞬だけ見えた。


出来れば、秘密の布トライアングルも見たかった。


いやいや、止めておこう。


そんな事を考えてる僕の隣で彼女は、紙に何かを書いていた。


僕は喜びを噛み締めながら、蒼ちゃんの横顔に見とれる。


少しして、バスの運転手が泉区美坂の到着をアナウンスした。


蒼ちゃんは、照れた様な笑いを見せて僕の手にメモを渡した。


「欧介君、これ。またね」


そう言って、蒼ちゃんは降りて行った。


手にメモを握りながら、蒼ちゃんを見送る僕。

体温が上昇していくのが分かる。


熱を計ったら確実に37度は有ると思う。


僕は蒼ちゃんの残り香を味わいながら、メモを見た。


そこには携帯番号とメールアドレスが記してあった。


《夜の電話が楽しみです。  蒼》


それ以上に、最後のこの言葉が可愛く思えて堪らない。


「よっしゃあ」


僕は、大きくガッツポーズをして流れていく景色を眺めた。


数時間後の蒼ちゃんとの電話の事を考えると、僕のテンションと体温が高まり、大好きな気持ちも膨らむ。


今日は、昼間までのクヨクヨしてた僕がマジでバカみたいだ。


自分のハートがどんどん強くなっていく、そんな事を思い、下車を知らせるボタンを押した。

こんばんは、和紙です。

無事風邪が治りました。


その勢いでランキングサイトに登録しました。


読者の皆様、よろしければコメントや感想、ご指摘をお願いします。


現実世界は、もう冬がやってきています。


しかし作品の中は、もうすぐ梅雨(笑)


更新頑張ります。


和紙でした。

では!!

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