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未返却魔導書と科学のススメ  作者: 藤本 天
60/85

54P科学の音色(テクノ・ポップ)で奏でる真実

夏中に完結させたかったのに、終わらない…終わらない。

でも、ぼちぼち最終章

「あの赤髪の奴、裏街のマフィアかなんかか?」

「あんた、ぶん殴られたいわけ?」

三人揃って説教を喰らったイオンとユーリ、ゼクスはがっくりと肩を落とす。

「あいつの父親はカナレの騎士団専属医師だからな。子供のころから荒っぽい大人達と一緒に生活していたから、口が悪い」

「へ?初耳」

キョトンとユーリは目を丸くする。

父親が医者だとはフィーナから聞いていたが、従軍医師とは知らなかった。

「そーいや、あんた貴族の坊っちゃんなのにあの赤髪遠慮なかったよな。知り合いなのか?」

「お前も大概だが……。あいつと俺は幼馴染みたいなもんだ。父親がカナレの砦にいた時に俺も一緒にいたからな」

「はぁーん」

ゼクスの説明にイオンの反応は実に適当だった。

「興味がないなら聞くな」

「いや、いまいちつまんない理由だったから」

「どんな理由ならつまんなくなかったの?」

「彼女とか」

「冗談よせ!!おやじさんに殺される」

ぎょっと目を剥いたゼクスにイオンはカラカラ笑う。

「何話してんの?」

「いや、何も」

口を割ろうとした後輩二人を眼光で黙らせたゼクスはフィーナからジュースを受け取って飲む。

「それにしても、若様。まだ方向音痴治んないんだね」

三人が知り合い、一緒に魔導に巻き込まれるまでの経緯を離した後、フィーナは憂鬱そうに溜息をついた。

「………俺は方向音痴じゃない」

「ほざくな。超ド級」

憮然としたゼクスにイオンが睨む。

「まぁまぁ、落ち着いて。……そうだ。訊きたい事があるんだ。フィーナ、ミーシャはここに来てない?魔導に触れたから検診くらいは受けた方がいいと思うんだけど」

「ミーシャ…。ミーシャ・ヴェルデの事?」

「そうそう」

「会ったの?彼女に」

頷いたユーリにフィーナの表情がどんどん曇る。

「どうかしたのか?」

「行方不明になってるらしいのよ」

「え?」

「下宿先の女将さんから学校から帰ってきてないって連絡があって、ほら、うちって迷子になる事必須の図書館あるでしょ?もしかして迷子になってるのかもって、司書達も探したんだけど、いなくって。学校の方もいままで無遅刻無欠席だったのにおかしいって、騎士科の生徒と自警団がいま動いてる」

「穏やかじゃねーな。『学研』近くに、今年の『学研』はどうなるんだ?ただでさえ魔導科の占術学部でとんでもない事故が起こったのに」

「行方不明になってるのはミーシャだけじゃなくて、騎士科の生徒も何人か」

「そうなのか?誰かわかるか?」

「ん~。魔導科で図書館の司書と生徒達がドンパチしてるの知ってる?それの鎮圧に騎士科の生徒も動いたけど、その中のひとグループ丸々、魔導に巻き込まれて行方不明って」

だから、名前まではわからない。とミーシャは言う。

「とにかく、君たちみんな絶対安静だからね?大人しくしてなさい」

「はーい」

ユーリは大人しくそのままベッドに横になる。

「あんた達も」

「うっす」

コップを置いたイオンとゼクスはフィーナに追い立てられるように部屋に戻っていった。

数分後。

ガバッとベッドから起き上がったユーリはそうっっとドアの外をうかがう。

「行った、よね?」

ドアを開けた瞬間、同じくドアを開けたイオンとゼクスに鉢合わせした。

「「あ」」

志を同じくする同士もまた、病室脱出を試みていた。

が、

曲がり角を曲がった先には

「あなた達」

白衣の般若と

「あんたらは……」

怒れる、医師の卵がいらっしゃいました。

「「大人しく寝ていなさああああい!!」」


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