表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様へと祈りを込めて  作者: 暦海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/46

重大なお話?

「……さて、陶夜(とうや)くん。今日、君に来てもらったのは他でもない――それはもう、天地を揺るがすほどの重大な話があるからなんだよ」

「……いや、わりとしょっちゅう来てるかと。あと……すみませんが、その前振りから重大な話が来る気がまるでしないです」



 それから、およそ一週間経て。

 夏休みも終わりに近づいた頃、和の風情漂う穏やかな居間にて。

 そう、何とも深刻な表情で告げる風奈(ふうな)さん。だけど、申し訳ないけど壮大なフリにしか聞こえない。


 ……いや、でも決めつけは良くないか。ひょっとすると、万が一にも本当に大変重大なお話かも――



「――なんと、このわたくし……このままでは、宿題が終わらないかもしれない大ピンチなのです!」

「やっぱりしょうもない内容(こと)だったよ!!」




「ちょっと陶夜くん、しょうもないとは何かなしょうもないとは!! いくら陶夜くんでも、言って良いことと悪いことがあるとお姉さんは思うよ!」

「いやもちろん言って良いことと悪いことはありますよね!! そして、これは言って良いことだと脊髄反射で判断したんですよ!!」

「脊髄反射で!?」



 ――とまあ、こんな具合に馬鹿なやり取りを交わす僕ら。……いや、まあ、流石にしょうもないは言い過ぎたかもしれない。しれないけど……うん、あまりに壮大なフリだったのでつい。



「……ともあれ、纏めますと――つまりは、まあまだ大丈夫だろうと高を括りに括りのんびりしていたら、いつの間にやらあれよあれよと時間(とき)は経ち……そして、今に至ると」

「なんか言い方に悪意がない!?」



 ともあれ、そう纏めると甚く不服そうにツッコむ風奈さん。いや、悪意はないけども……まあ、ちょっと意地悪な言い方はしちゃったかな?


 まあ、それはさておき……うん、何とも典型的な理由だ。なので、別段驚くこともないのだろうけど――


「……だいたい、そういう陶夜くんはどうなの? 私には言っておいて、自分は全然進んでない、なんてことはないよね?」


 すると、ジトッとした目でそう問い掛ける風奈さん。なるほど、確かにその気持ちも分かる。自分が出来ていないとはいえ、同じく――それこそ、自分以上に出来ていない人にさも呆れたように言われるのは癪だろう。なので――



「…………へっ? 宿題って普通に進めてて残ることあります?」

「今日の陶夜くんなんか嫌だ!!」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ