1話 俺の知らない世界
初投稿です。ただ単に素人が趣味で書いているだけなので、クオリティはお察しです。ですが、この作品を楽しんで頂けたら幸いです。
突然だが、皆さんは『古墳』というものをご存じだろうか?
古墳とは、主に有力者が眠っている土を高く盛り上げた墳丘を持つ墓のことだ。
教科書に載っている鍵穴みたいな形をしていたりするアレはその一種である。
まあ、でかい古代の墓くらいの認識で構わない。
さて、知識の確認はこのくらいにして、
そろそろ目の前の現実に戻らねばなるまい。
今、俺が立っている場所は巨大な影で覆われている。
見上げると、視界を埋め尽くすのは一面の土。
先に言っておくが、別に地下にいるわけではない。
俺は今、間違いなく地上に立っている。
Q.じゃあ、なんで空一面に土が広がっているの?
A.ソレが空に浮かんでいるから。
なにを馬鹿なことを言っているんだと思うかもしれないが、
本当に土の塊が空に浮かんでいるのだ。
しかも、ソレはただ浮かんでいるわけではなく、一定の形を保っている。
例えるならば、そう、鍵穴のような…
土は所詮土。断じて一定の形を保ちながら浮かぶものではない。
視界を埋め尽くすほどのものであるならばなおさらだ。
しかし、それは現実となって俺の前に現れている。
だが、呆然と空を見上げる俺とは裏腹に、
道行く人々はソレを気に留めさえしない。
一瞬空を見上げる者もいるが、すぐに自分のスマホに目を落とす。
まるで、それが当たり前の光景であるかのように…
にわかには信じがたい話だが、いい加減認めなくてはならない。
空に浮かんでいるのは、紛れもなく『古墳』であると。
そして、それはここでは当たり前のものなのだと。
どうやら、俺は俺の知らない日本に来てしまったようだ。
俺、大丈夫かなぁ…
風邪ひいたときの夢からこんなバケモンみたいな作品が生まれました。思いつきで書きましたが、後悔はしていません。