【2-4】新しい出逢い
ミアは森の奥深く、
リディがいつもいる場所に急いで向かった。
森の木々がささやくように風に揺れ、
鳥たちのさえずりが静かに響く中で、
彼女の心臓は焦りに駆られていた。
「リディ!」
ミアは少し息を切らしながら、
リディが待っている
小さな木立の広場にたどり着いた。
リディは、そこに座って
穏やかな表情で木々を見つめていた。
彼がミアの足音に気づいて、
ゆっくりと振り向く。
ミア「騎士団が森に来てるの!
それに、瘴気が…って
この森で瘴気が見たかったって!」
ミアは声を震わせながら、
一気に言葉を紡いだ。
しかし、
リディはその焦りに動じることなく、
落ち着いた声で答える。
リディ「ミア、心配しなくていい。
この森には瘴気は広がらない。
僕たちが守っている限り、ここは安全だ。」
ミア「そ…そうなの?本当に大丈夫なの?
たくさんの人が来てるのも気になるし、
もし森に何かあったらどうしようって…」
ミアは不安げにリディを見つめる。
リディはミアの言葉を聞いて、
優しく彼女の肩に手を置いた。
リディ「確かに騎士たちが来ている。
でも、彼らはこの森に害を及ぼすつもりは
ないだろう。
なぜなら、あの騎士たちは
精霊の力を理解しているし、
森を荒らすようなことはしないさ。」
ミア「どうしてそんなことが言えるの?」
ミアの問いに、
リディは一瞬考えるように目を細めてから、
少し微笑んで答えた。
リディ「あの騎士団の中に、
君のように精霊に愛された人間がいるからだ。
森の精霊ではないようだが...。
妖精に愛されている人間は
自然を壊すことは絶対にしない。
だから、安心していい。」
ミアは困惑しながらも、
リディの言葉に少しだけ安心感を覚えた。
ミア「精霊に愛された人間…?」
リディはうなずき、
「そうだ。彼らがこの森に入ってきたのも、
瘴気の調査のためだ。おそらく、その者の導きで
この森が選ばれたんだろう。」
ミアは少し考え込みながら、
「じゃあ、あの人たちは
この森に悪いことをするつもりはないってことね…」
「そういうことだ」とリディは穏やかに言った。
リディ「瘴気の問題はもちろん気がかりだが、
この森は僕たちがいつも見守っている。
だから、心配しないで
森のことを信じてほしい。」
ミアはリディの言葉にうなずき、
少しだけ心が軽くなったような気がした。
ミア「ありがとう、リディ。
あなたがいてくれてよかった…」
リディは軽く微笑みながら、
「僕はいつだって君のそばにいるよ」
と静かに答えた。