【1-4】森に愛された少女
ミアは、神秘的で美しい森で
妖精からの祝福を受けた。
森の妖精はしばらくの間、
ミアをじっと見つめていた。
妖精の姿は優美で、
彼の瞳には深い知恵と柔らかな光が宿っている。
彼は軽やかに空を舞い、
ふわりとミアの前にふわりと降り立つと、
彼の中で何かが決まったように、
ふと静かな声で語り始める。
「僕の名前を教えるよ。
…僕の名はね、
『リディス・サナフロール』。
だけど、
この名前を知るのは君だけなんだ。
僕たち妖精にとって、
名前は特別なものだから。
だからこそ、
大切な人にしか明かさないんだよ。」
ミアはその言葉にまた驚きながらも、
妖精の真剣な表情に、
彼の名がどれほど重要で神聖なものかを理解した。
ミア「リディス・サナフロール…
すごく美しい名前だね。」
「ありがとう。
でも、君にはもっと親しみやすい呼び名が欲しいな。
僕の名前から好きに選んでいいんだ。
呼んでくれるだけで僕は嬉しいから。」
妖精は優しく笑みを浮かべ、
ミアに希望を託した。
ミアはしばし考え込む。
彼の本名を口にしただけで、
森の空気が少し変わった気がするほど、
神聖で、重みのある名前だった。
そんな神秘的な存在に、
どんな風に呼びかけるのが正しいのだろうか。
しばらくの沈黙の後、
ふと微笑みを浮かべながら口を開いた。
ミア「じゃあ、リディって呼んでもいい?」
ミアは、
ストンっと頭に降ってきた名を口にした。
「リディ…いいね。
それが僕の新しい名前だ。」
リディは嬉しそうに頷き、
その名を受け入れた。
森に吹き抜ける風が、
二人を包み込む。
「ミア、僕はこの森の守護者。
そして君に、森からの祝福を与えたい。
この祝福を受け入れることで、
君は森とさらに深く繋がることができる。
植物たちと心を通わせ、
自然の力をより感じ取れるようになるだろう。
君が森を大切に思ってくれていること、
僕にはよくわかったから…
その気持ちに応えるために、
君にこの力を託したい。」
ミアはその言葉を聞きながら、
胸が熱くなるのを感じた。
彼女は自然を愛し、
日々植物と共に暮らしている。
それが、
妖精であるリディに認められ、
祝福されるというのは、
何よりも名誉なことに思えた。
ミア「私…そんな大切な力を
受け取ってもいいのかな?」
ミアは少し戸惑いながらも、
心の奥では、嬉しさが広がっていた。
リディは穏やかな微笑みを浮かべ、
「君なら大丈夫だよ。
森のことを愛し、
守ろうとしている君なら、
この祝福を正しく使うことができる。
だから、安心して受け取って。」
ミアは深く頷き、
静かに目を閉じた。
森の風が優しく彼女の髪をなびかせ、
温かな光が全身に広がる感覚が押し寄せてきた。
森全体が返事をしてくれたような気がした。
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