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【1-3】森に愛された少女

**森の奥の出会い**


それから数日間、



ミアは何度も森の奥の美しい場所へと足を運んだ。



初めて見つけたときの感動が消えることはなく、

彼女はそこに惹かれ続けた。



花々は艶やかに咲き誇り、

木々は優しく彼女を迎え入れるように揺れていた。



ミアはそっと膝をつき、手で土を撫で、

咲き乱れる花に囁くように話しかけた。



「今日も素敵だね、

少しだけ手入れしてあげるからね。」




彼女は小さな花の周りに生えていた雑草を抜き、

背の高い茎には、添木をして支えてあげた。



日ごとに花々は彼女に応えるかのように

元気を取り戻し、輝きを増していく。




ミアはその変化に気づくたび、


心の底から嬉しくなる。



そして、彼女が気づかないところで、

森の妖精は、ずっと彼女を見守っていた。



ミアの初めての訪問から、

彼はその様子をじっと観察していた。



最初は「また人間か…」と、

期待もせずに傍観していた。



しかし、ミアがこの場所を荒らすことなく、


むしろ大切に扱っている姿を見て、

次第に彼女に興味を抱くようになった。



彼女はただそこにある自然を楽しみ、

手を添えるだけで、何一つ奪おうとしなかった。




「…この子はどこか、他と違うな。」




妖精は影から静かに呟いた。




いつも人間は、自分勝手に果実を奪ったり、

花々や森を荒らしたりするものだ。


悪意がある時もあれば、

無意識に妖精の住処を壊してしまうことも多い。




しかし、ミアは違っていた。




彼女は、まるでこの森と一体化しているかのように、



自然を尊重し、

その美しさを守ろうとしていた。







ある日、ミアがいつものように森の奥へ、


一際美しい、妖精の住処に訪れた。



ゆっくりと時間を楽しむように

樹の木陰で、ひと休みしていた時、



妖精は決心し、

そっと風に乗り、彼女の前に現れる。






「君、なぜ、ここに来るんだ?」




妖精は優しくミアへ、語りかけた。




その声に、

ミアは驚いて振り返ったが、




妖精の姿に怯えることなく、

ただ不思議そうにその姿を見つめた。





ミア「この場所がとても素敵だから…

   毎日でも来たくなるの。」




妖精はその言葉を聞くと、

穏やかに微笑んだ。



妖精「君は、私たちの森を

   大切にしてくれているのがよくわかったよ。


   だから、君にはこの森の祝福を与えたい。

   受け取ってくれるかな...?」




ミアは驚愕の表情を浮かべた。

さっきから驚いてばかりだ。



本の中でしか知らなかった、

「妖精」という存在。


実際に妖精と出会えることだけでも

珍しいと言われているのに、


その妖精からの祝福など、


簡単に貰えるものではないことは、

事柄に疎いミアにも、すぐわかった。




早く答えなければという気持ちと、

どう答えたらよいのかと、焦りが先立つ。




「えっ!?」「そっんな...!!」 


といった言葉しか出てこないほど、

動揺してしまう。




びっくりしているものの、

嫌がっている素ぶりのないミアの姿に


妖精は安堵の表情を浮かべ、そっと微笑む。






次の瞬間、



柔らかな光が森全体に広がり、

ミアの心の中に温かい感覚が満ちた。



彼女は自分が森と一体となったような、



不思議な感覚があり、

特別な繋がりを感じた。




しばらく毎日投稿します!ぜひお楽しみください

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