【1ー2】 森に愛された少女
森の中を散策していたその時、
ミアは思いもよらない美しい空間を見つけた。
色とりどりの花が咲き誇り、
果実が実る木々が並ぶその場所は、まるで夢の中の一部のような幻想的な空間だった。
彼女は目を輝かせ、ゆっくりとその場に足を踏み入れた。
「なんて素敵な場所なんだろう!」と、
ミアは心の中で興奮しながら叫んだ。
周囲の美しさに圧倒される中、
彼女は歩きながら花を愛で、色とりどりの花びらに優しく触れ、
その柔らかさと香りを楽しんだ。
だが、ふとした瞬間、
彼女の視線が一本の枝が折れかけている花に引き寄せられた。
ミアは急いで近づき、優しくその花に触れる。
「強い風でもふいたのかしら……
綺麗に咲いていたのに...」
彼女はつい、感情移入してしまい、
心を痛めた。
少し考えた後、近くの小枝を拾い上げ、
丁寧に花の支えとして添木をしてあげる。
「これで、大丈夫。
また元気になれるよ。」
彼女の優しさは、その場の空気を和やかにし、
花はまるで彼女の思いを受け取るように優しく揺れていた。
その瞬間を、
影から小さな小さな人影が、その様子をじっと見つめていた。
「またここに辿り着いてしまった人間が……
だが、すぐに本性が現れるだろう」
と、心の中でつぶやく。
彼は、ミアの真剣な眼差しと優しさに少し心を揺さぶられながら、
静かに観察を続けた。
彼は風のささやきのように静かに現れた。
その姿はとても神秘的で、
見るものを魅了するほどの、美しい妖精であった。
身の丈は、ヒトの手のひらにすっぽり収まるほどで、
全体的に華奢で、繊細な体つきが特徴的だ。
その肌は、月光に照らされた白い花びらのように淡く、
ほのかに光を放っているようにも見える。
妖精の背から広がる羽は、
まるで朝露が降りたばかりの花びらのように透明で繊細だった。
光を受けるたびに虹色の輝きを放ち、
その動きに合わせて薄くゆらめく様子は、
風に揺れる水面のようでもあり、
夜明け前の空に舞う星屑のようでもあった。
彼の髪は夜明け前の静けさを思わせる深い青で、
長く揺れるたびに森の風とともにふわりと漂う。
その瞳は、澄み切った湖のように青く輝き、
見る者の心を覗き込むような冷静さと優しさが宿っている。
彼の装いは自然そのものと見事に調和していた。
「彼女は、もしかしたら
他の人間とは、違うかもしれない……」
妖精は、その瞬間感じた不思議な気配に戸惑いつつ、
ミアの動きを見守り続けた。
この場所が持つ美しさを大切にしている彼女に、
何か特別なものを感じ取ったのだった。
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