えっちなことではなく看病です
俺の前には綺麗な肌を晒し背中を向けている女子が一人。
「あの…あまりジロジロ見られると…恥ずかしいです…」
消え入りそうな声で恥じらう姿はとても素晴らしい。こんなの漫画やアニメでしか見たことがない。(まさかこの歳になって見られるとは、今日が命日なのか!)
「すまん…」
慌てて目線を逸らす。
人肌くらいの温度のまで温めたお湯にタオルを浸し、絞る。
「じゃ、じゃぁ、行くぞ…」
「はい…お願いします…」
綺麗な背中をタオルで拭く。
「んッ…」
ティーネから可愛い吐息が漏れる。彼女は耳まで真っ赤に染められていて恥ずかしいのだろう。
俺の方がどうすればいいのか分からない。とりあえず軽く拭いているが、前も拭くのだろうか?それだとまずい、理性が…(考えるな、感じるな、無心だ無心!)
背中を拭き終わった。流石に前は頼まないだろうと思っていた。
「前は自分で…」
「お願い…出来る…?」
「えっ…!」
思考が停止する。
「あの…ダメ…ですか?」
「いや…ダメとかではなくて」
「お願…いします…」
断らないといけなかった。なんでもすると言った手前断るのも悪いが、今回のは流石に断らないといけなかったのでは?
葛藤している間にティーネが俺と向き合う形になる。着ていた服で前を隠しているがその裸体を全て隠せるわけが無い。見えては行けない所が見えている。
(というか、今気が付いたがなぜ下まで脱いでいるの?まさか…いや流石にないだろう。)
「い、行きます…」
「ど…どうぞ…」
恥じらう姿は大変美しい。その白い肌と合わさりまさに芸術品だ。
タオルで拭く際、彼女は隠している服を退ける。なるべく見ないようにするが、たまに目に入ってしまう。雪の中にある綺麗な桜の蕾が…。
「ひゃんっ…!」
「す、すまん!」
ティーネの体を拭いていく。時折、喘ぎ声のような湿っぽい、色っぽい、声が聞こえてくるが、無心になり拭き続ける。
流石に下は無理だ。終わりを告げようと思った矢先、玄関のドアからノックする音が聞こえてくる。
「ティーネちゃん、大丈夫〜?開けるよ〜」
ゆるりとした女の声と共に開かれるドア。
流石にまずいと思い、立ち上がり布団をティーネに被せようとした。だがティーネも同じ事を考えていたのか焦った様に立ち上がった。彼女の頭が丁度俺の顎の下にあり、クリティカルヒット。
「!!」
頭の中が揺れる感覚。脚に力が入らずティーネを押し倒すように倒れる。
「きゃぁっ!」
「うぐっ!」
「大丈夫〜?」
視界がぼやけているが起き上がろうとした時手に柔らかいものが、そして後ろから声が聞こえた。視界がはっきりとしてきて確認する。
「…」
「…えっとぉ…、夜寝るの遅くならないでね…?」
「違うの!ミサさん!」
「うわ!」
ティーネは否定しながら俺を押しどかして立ち上がり、俺はベッドから落ち尻もちを着いた。
「違うと言われても〜…」
ティーネは否定しているが、流石に全裸の格好ではどんな言い訳でも無理だ。
「…それは…!」
「…先ずは…服着てから話そ?」
「うぅ…」
ミサさんと言われる女に言われてティーネは服を着る。