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ある男の思考

作者: 南山照彦

僕は毎日懺悔する。

赦しを乞い助けを求める。

何故苦しいのか分からず、何が欲しいのかま分からず、ただただ赦しを乞う。

生活に何が足りないという訳ではない。不満があるとすれば何が不満なのか分からないのが不満なのだ。

僕はそんな、正体の分からない不安から逃れるために、暴飲暴食をしたり、散財したり、そして最後は助けを求めながら眠る。


暇なことは不幸だ。

忙しければ考えることをやめられる。

ふと立ちどまると、得体の知れない不安に襲われ、僕は居ても立っても居られなくなる。

考えたくない。何か、何か考えることを下さい。考えないために考えることを下さい。

僕はいつも祈っていた。


物を書くことは僕にとって精神安定剤と睡眠導入剤の様なものだった。

絵を描いたり文章を書いたり。何かをすると気持ちが落ち着き、不安が身を潜めて眠れるようになる。

僕を襲っているのは想像力なのかも知れない、とふと考える。想像力が首を絞め、僕を苦しめる。だからその力を別の方へ逃してやるのだ。そうすると楽になる。


僕の不満は傲慢かも知れない。

僕は誰よりも優れていると思うし、素晴らしい人間だと思う。それを認められないのは苦痛だし、周りの人間が自分より劣っていることに腹が立つ。

一方でそれは、誰しもが僕と同じぐらい本当は優れているのに、どうしてその力を使わないのだろうという思いに似ていた。

僕は優れている。他の人も優れている。でも優れているのに何もしないのは罪だと思う。

皆が皆、素晴らしい力を持っているのに、何故それを発揮しようとしないのだろう。


不安が落ち着いてきたので、寝よう。


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