第5話
さくらは身長も160センチあり、スタイルも良く、店のお客さんにも先輩の大学生にももてる。
自宅近くの十条駅からすぐのところにあるチェーン店の居酒屋でバイトをしている。さくらは母親が嫌いで家からは出たいと思っていたが、5つ下の妹が高校を出るまでは一緒にいて色々とサポートしてあげたいと思っていた。さくらの部屋は母親と妹と3人で一部屋なのでプライバシーがないのが問題だった。通話したい時は母親がいない時か、近くの公園で通話していた。
さくらがもう寝ようと布団に入ると、店長からLINEが着た。明日、欠員が出て、ヘルプでシフトに入って欲しいというものだった。6月は中間試験もあり、中旬からはバイトもできないし、丁度いいかと承諾のLINEを送ったが、私の青春ってバイトなのかと少し落ち込んだ。
長風呂していた紗矢が部屋に戻ってくると、さくらからLINEが届いていた。本人たちに直接聞いてみたら?という内容だった。直接聞けないからさくらちゃんに聞いているんだよー、とちょっとだけ涙目になった。紗矢は一人っ子で相談できるようなきょうだいもいなかった。父はベンチャー企業を立ち上げ、かなり成功しているらしい。母はそんな父と幼馴染らしく、人生のほとんどを一緒にいる。
娘から見てもうらやましいほど仲がいい。明日は3人とも時間があるので横浜までドライブに行く予定だが、紗矢からしたら、私はお邪魔なんじゃないかと思えるし、それより今は虎のことが気になり始めていて、何か落ち着かない。
スマホの占いをしてみる。自分の誕生日は、9月23日、虎の誕生日は2月4日と日曜日からの1週間の2人の相性は、と、うそ!ハート5つ!!急接近の可能性ありかぁ、ほんとかなぁ。
でも、カラコンもほめられたし、やっぱり見ていてくれているよね!うん!あーでも芽衣と虎ってなんかお似合いだしなぁ、私なんかが間に入るのって無理かな。などと考えていると、その虎から着信があった。
え!!!!!!待って、虎から?!動揺しながら電話に出る。
「遅くにごめん、寝てた?」
「ううん、大丈夫だよ」虎からだったら何時でもよかった。
「今日、会った時に勉強会って話しあって、紗矢の家でってなってたから、どうかなって」
「いつでも大丈夫だよ!」
「今度の土曜日はどうかな?」
「うん、うん」
「6人で行けるといいけど調整してみる、誰も来なかったら2人でやろうぜ」
「うん!!」2人でですよね?顔がにやけていた。
「じゃあ月曜日に学校で、また昼に話そう」
「うん」
「おやすみ」
「おやすみなさい」