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Six Distance  作者: 神名 信
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第4話

 表札も立派に「高坂」と書いてある。芽衣の家は大塚駅から高校とは反対方向に少し歩いた所にある5LDKの一軒家だ。両親とも公務員で一つ下の妹と4人家族である。

 家に着いたのが夜8時を過ぎていたので、まずかったかな、と入ってみると、リビングでテレビを観ている父が明らかにイライラしていた。

 「ただいま」とだけ言って自分の部屋に上がると、案の定、母からLINEが着て、下へ降りてきなさいとのこと。既に帰宅している妹から矢のようにLINEの質問が着ていたが全てスルーして、リビングに向かった。

 父が曰く、遅くなったことを怒っているのではなく、何で帰宅時間を守れないのか等こってり1時間程しぼられ、釈放となった。

部屋に戻るとすぐに妹が入ってきた。

「お姉ちゃん、どうだったの?」

「どうって?」

「黒木 虎さんだっけ?狙っているんでしょ?」

「んー、少しは一緒に居れたかな、でも紗矢もいるし、あの子絶対虎のこと好きだよ!」

「えーーー!愛を取るの?友情を取るの?」

「バーカ」

めんどくさい妹を部屋から追い出しつつも、確かに紗矢と自分の2人が虎を好きなのはまずいかと思った。

Tシャツと短パンに着替えてブラも外すが、最近、また胸が大きくなったのかブラがきつい気がする。

机に向かい、今週の授業の復習をしながら、さくらにLINEを打つ。


そのLINEをJR十条駅近くの2Kのアパートに住むさくらが受信する。ほぼ同時に紗矢からもLINEが着ていた。芽衣からのLINEの内容は「もしもだけど、友達と同じ人を好きになったらどうする?」というもので、紗矢からのLINEは「虎と芽衣は付き合っているの?」というものだった。

・・・分かりやすいな、この子たち、っていうか私は人生相談かなにか?と一人で突っ込みながら適当に返事をしていた。

さくらからしてみれば、みんな青春していてうらやましかった。さくらは苦労している分クラスメートからすれば大人かもしれないが、その視点で見ると黙々と勉強を頑張っている真人はすごいなと思った。ただ、接点がないというか、さすがに昼の食事の時には何も話せないし、放課後はさっさと予備校に行ってしまうし。多分高校は単なる通過点としか考えていないのかなと思った。



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