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Six Distance  作者: 神名 信
22/25

第22話

 真人が帰ってきたのはもう12時も過ぎたくらいだった。

 姉がもう寝ていたため、起こさないように、そっと虎の部屋に案内する。

 「とにかく、寝るぞ、明日は6時半起きな、真人」

 「ああ、分かった、おやすみ、本当にありがとうな」

 「いいから、寝よう」そう言って眠りについた。


 朝6時半に起きると、すでに姉が食事の準備をしてくれていて、食卓にはトーストとハムエッグとサラダとオレンジジュースが並んでいた。

 「お、なんかいつもより豪華じゃね?」

 「虎、ばらすな、未来の大弁護士に恩を売っておくところだから」

 「僕なんかのために、気を遣わないでください、ほんとにお姉さんと虎には感謝しかなくて」

 「いいから食べようぜ!いただきまーす」

 3人はそれぞれ朝食を食べ始めた。

 姉は渋谷のオフィスで働いており、7時過ぎには家から出る。虎たちはその30分後に出れば間に合う計算だ。

 「じゃあ、行ってくるから、戸締りよろしくね、」そう言って姉は出て行った。

 「俺もバッグとか取りに一回家に寄ってから行くよ、また学校で」

 「おう、また後でな」一人になってスマホを確認すると紗矢と芽衣からLINEが着ていた。紗矢からは今お風呂上がったよ、というもので、芽衣からはおはようとのことだった。そういえば、紗矢にバスの中でLINEしていたんだ、すっかり忘れていたと思ったが、今回のドタバタについては2人にはとりあえず言わないでおこうと適当に返信しておいた。


 虎の住んでいる公団からは交通機関を使って文央高校に行くにはちょっとめんどうだ。王子駅まで歩いて、そこから東京さくらトラムに乗って巣鴨新田という駅で降りる。路面電車に乗るのは好きだった。そこから見える景色はどう表現すればいいのか、まるで周りの生活を邪魔しないように電車が走っているようだった。

 巣鴨新田の駅に着くと同じ文央高校の生徒がたくさん降りて行った。時間もいつもの時間だ、ホームルームの5分前には着きそうだった。

 教室に入ると、もうほとんどのクラスメートが席についていた。クラスメートとあいさつを交わしながら窓側一番後ろの自分の席を目指す。途中に芽衣がいて、おはよう、とお互いに声をかけあった。さくらも真人も気を遣っているのか、虎の方に来て挨拶をした。礼はまだ朝練のようだ。黒板の文字が見えづらいからと一番前の席にいる、紗矢まで虎の席の方に来て挨拶をしていく。紗矢、俺から送信したのに、返事遅れてごめん、と紗矢には謝っておいた。


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