第16話
ピンポーンとドアホンを鳴らすと妹が出てきた。
「黒木さんと仲間さんですよね?」
「はい」
「どうぞ、入ってください、姉は着替えていますので」
「はい、お邪魔します」
そのまま2階へと案内される。「お姉ちゃん、入るよ?」「あ、うん、どうぞ」
芽衣の部屋に入る。と
芽衣の服にまず驚いた。
胸元が強調されている赤いTシャツに白のホットパンツ、虎は完全に目のやり場に困っている。
「2人ともいらっしゃいませ、7時半くらいまでは勉強できると思うよ」
「あ、ああ・・・」虎が少し動揺しているようだ。
「そういえば、買ってきたから、これ」紗矢が少し乱暴にテーブルの上にお菓子を置く。
「わあ、ありがとう!でも、あまり気を遣わないでね、お菓子とかはいつもストックあるんだよね、うち」
「女の子の部屋って初めて入ったかも、なんかいい匂いするなー」
「こらこら、変なところ見たりしないでよ」芽衣が恥ずかしがっている。
「勉強はじめようよ」紗矢が静かな口調で言った。
「あ、そうだな」
「そ、そうね」
3人はテーブルの上にそれぞれ勉強道具を広げて勉強を始めた。今からでも3時間くらいはできる計算だ。
勉強が始まってしばらくすると、芽衣が質問と言って、ちょくちょく虎に話しかけてくる。それも、少しうつむき加減だから、虎の目線からは胸元がもろに目に入る角度だ。
虎は明らかに優しく芽衣に勉強を教えている。
「ちょっと、トイレ行ってくるね」芽衣が言って立つと形のいいお尻が虎の目線に現れる。虎は完全にボーっとしていた。
・・・ばか。でも、それが普通か、芽衣は美少女だし、スタイルもいいし、どんな男の子だって芽衣と私だったら、芽衣を選ぶよね。なんとなく、自分の胸元を見つめて紗矢はため息をついた。
芽衣が戻って来てからも、相変わらずぎこちなく、プチ勉強会は続いていた。
せっかく買ってきたからと、3人でポテチを食べながら少し雑談していた。そこで、さくらと真人の話になり、絶対さくらちゃん、真人君のこと好きだよね。などと話が弾んだ。虎からすれば真人のお母さんが大変だと思うぞー、とのことだった。
その後1時間ほど集中して勉強をして7時半となった。




