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Six Distance  作者: 神名 信
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第15話

 6時間目が終わって、天文部の3人が集まった時に、「2人とも家に来ない?図書館も混んでいるだろうから、プチ勉強会でさ」と芽衣が提案し、他の二人が了承して決定となった。7時間目の授業中、芽衣も紗矢も心ここにあらずといった感じであったが、終業のチャイムが鳴り再び3人で集まった。

 「2人とも私の家分かるよね?大塚駅の反対側だから?」

 「あ、うん、だいたい分かるよ、飲み屋がたくさん集まっている方だよな?」

 「そうそう、私、ちょっとだけ部屋片づけるから、15分くらい時間ちょうだい、二人でゆっくり来て!」

 「あ、いいよ、なあ、紗矢」

 「う、うん、いいよ」もしかして、芽衣、私たちに気を遣ってくれているのかなぁ、などと紗矢はのんきに考えていた。

 「じゃあ、ダッシュで帰るから、お先に!」芽衣はほんとうに走り出しそうな勢いで帰って行った。

 「大塚駅のほうで少し寄り道していこうか?」

 「うん」え、なんかこれはデートですか?まさかの??紗矢が動揺する。

 2人は高校から大塚駅方面へゆっくりと歩きだす。

 午後の日差しが熱く、歩道にくっきりと2人の影を描き出す。文央高校の生徒もたくさん2人を追い越して行く。

 「そういえば、紗矢と2人で歩いたことってなかったよな」

 「え、うん、そうだね」

 「今日さ、多分7時とか8時とかまでだと思うから、帰り送るよ」

 「え?いいの?遠回りになっちゃうよ?」

 「大塚と池袋じゃほとんど変わらないよ、紗矢姫を一人で帰らせるわけにも行かないし」

 「あ、うん、ありがとう」最後のほうはほんとに小声になってしまった。

 大塚駅前の公園にベンチがあり、そこで2人は座った。途中、虎はコーラを買い、紗矢はお茶を買ってきた。ベンチのほこりを虎が払ってくれた。少し距離を空けて座る2人。

 「そうだ、コンビニに行ってお菓子でも買って行こう、手ぶらってわけにもいかないよな」

 「うん、そうだよね」

 目の前にある、コンビニに寄って適当にお菓子を買う。虎が払うと言ったが、割り勘でと紗矢が主張して、それが通った形になった。

 ポテチとグミ、チョコ、1.5リットルのジュースといった組み合わせとなった。

 そこから、数分あるいて「高坂」と書かれた立派な家の前に2人は着いた。

 


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