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Six Distance  作者: 神名 信
13/25

第13話

 月曜日の朝、文央高校の正門にはこわもての体育教師が立ち、挨拶を半ば強制していた。文央高校の制服は男子が詰襟、女子はセーラー服だ。6月からは男子はワイシャツとなっている。

 芽衣は後ろの髪を束ねてポニーテールにして赤いリボンを結んで登校してきた。虎はこういう髪型どう思うかな、などと内心では少しドキドキしていた。

 1-Aの教室は正門からすぐの所にあり、既に紗矢とさくらは教室内にいて「おはよう」と声をかけてきた。「おはよう」紗矢に対しても普通に言えたことがちょっと嬉しかった。窓側の席に真人はいたが、もう勉強を始めている。礼は多分朝練に行っていてホームルーム直前に入ってくるだろう。虎はいつものことながら5分前にならないと教室に入ってこないかなと思っていた。

 すると、まだ15分前なのに虎が後ろのドアから入ってきた。芽衣と目が合う。「おはよ」と言ってくれた。少し小さな声で「おはよう」と返す。

 「ポニーテール似合っているよ、芽衣」

 あんた、誰にでもそんなこと言うんじゃないの?と一瞬思ったが。

 「あ、ありがとう」と素直にお礼を言って、顔が赤くなった。

 紗矢や他のクラスメート達にも「おはよ」と声をかけていく虎。芽衣はあまり虎のことを考えているとまた、泣き出しそうだと思って1時間目の現代文の準備を始めた。少しして礼が入ってきたと思ったら、同時にチャイムが鳴り担任が入ってきた。来週の木曜から再来週の火曜日まで中間テストがあり、各科目のテスト範囲は今日から授業中に発表されるから聞き逃さないようにとのことだ。

 1時間目の現代文から早速出題範囲が発表される。範囲広すぎ!とクレームを入れたくなるが、今日の授業が範囲から外れていると分かるとテスト勉強を始めたり、居眠りをしたりと自習時間のようになっていった。

 2時間目から4時間目までも同じような流れで過ぎていき、ようやくランチタイムとなった。


 ランチはなぜかいつも廊下側中央のさくらの席の周りを占拠して6人で食べていた。この日、みんながまず驚いたのは、さくらの弁当が普通のメニューだったことである。それもさくらの手作りとのことで、女子2人からは「すごい」との声があがる。

 そこからは、土曜日の勉強会の話になった。まず、そもそも紗矢の住んでいるタワーマンションの場所が分からないというところから始まった。そこは、紗矢がグループLINEに地図を貼ってくれて解決した。

 朝10時から夜10時まで12時間やってみたいけど、どう?と聞くと、芽衣は親に聞いてみるとのこと、真人は母親に聞いてみるが多分大丈夫、他の4人は大丈夫となった。科目は11科目あるけど、暗記科目は各自やれるだろうから、数学と英語を重点的にやろうという話になった。


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