表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Six Distance  作者: 神名 信
11/25

第11話

 日曜日は図書館が5時で終わるということもあり、真人は15分歩いて自宅マンションまで戻った。家に帰ると、休みのはずの母親は不在だった。どうやら、また依頼人に呼び出されたらしい。テーブルの上には、これで夕ご飯を食べてくださいというメモと現金が置かれていた。

 宅配アプリでピザを注文し、待っている間も英単語を覚える。ドアホンが鳴り、ピザが届いた。ミックスピザとシーザーサラダ、ウーロン茶を胃に流し込み終わると、すぐに勉強机に戻った。今日は11時まで、あと5時間、ノンストップで、と気合を入れていた。


 芽衣がバイトから帰って食事を終え、お風呂も終わると、既に8時だった。湯上りにはこれだよね、と買って置いたスーパーカップを食べる。

 いつものTシャツに短パンといった姿で妹の部屋に入っていく。

 「いきなり入ってこないでよ」

 「何だー?見られてまずいものでもあるの?」

 「ないけどさ」

 「ところでこれ見て!」昼に渡されたメモを見せる。

 「お、ラブレター?」

 「かなー、そこそこイケメンだとは思うけど」

 「え!お姉ちゃんどうするの?」

 「こうする」言って、メモをびりびりに破いた。

 「わー、さすが、黒木さん?虎さんだけなんだね」

 「虎かあ、お姉ちゃん分かんないよ」

 「どうしたの?」

 「大人の事情」

 「あー三角関係?」

 「まだ丸にも三角にもなっていないのかもね」

 「弱気なお姉ちゃんはらしくないよ」

 「妹のくせに生意気な」

 「あ、そういえばアイスありがとうね」

 「どういたしまして」そう言って芽衣は自室に戻った。

 部屋に戻ってベッドの上に倒れ込む。バフッといい音がする。

 黒木 虎

 虎

 虎君

 私の好きな人 ねぇ、私のことどう思っているの?

 あの子のことが好きなんですか?

 芽衣の胸は締め付けられるようだ。

 明日、会えるね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ