表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

6、初フレンド

 ーーーーーーあれから30分後。


 常にモンスターがいるわけではないので、リポップするのを待ってまた倒すを繰り返していた。


 そこでようやくレベルも10になったのだが、普通に狩りをしてるよりは遥かに早いレベルアップだと思う。


 レベルが10になったとこで、一度貯まったステータスPtを振り分けることにした。


 ステータス画面を開くと、Ptが34も貯まっていたのでそれをとりあえずINTにすべて振っておくことにした。


 今後のために一応MPを増やしておかないとね。

 それにINTがあがれば《ミニガン》の威力も上がるしね。


 Ptも振り終わり、再度ステータスを確認するとそこで初めて気がついたことがあった。


 レベルアップ時に上がるステータスは全部に均等にではなく、ステータスPtを振り分けたとこで配分されるということだった。


 したがって今の俺のステータスはこんな感じだ。

 ちなみに、イブに教えられ合計値だけ見られるように設定を変更しておいた。



 ーーー ハクト Lv10 ーーー

 ーーーーーーーーーーーー0 Pt


 HP 100

 MP 800

 STR 10

 VIT 10

 INT 354

 DEX ー

 AGI ー

 LUK ー


 《スキル・魔法》

 ・炎系魔法Lv2 ・光系魔法Lv1 ・魔力増幅Lv1

 ・詠唱省略Lv1 ・MP節約Lv1


【炎系魔法Lv2 ファイアランスを習得】


 《装備》

 武器 ・マジック オブ ミニガン


 頭

 体上 ・冒険者の上着

 体下 ・冒険者のズボン

 手 ・冒険者の皮手袋

 足 ・冒険者の靴


 見事にMPとINT以外は初期値であった。例外が3つほどあるけど・・・・・・。


「なぁ、イブ。この横棒は何なんだ?」


 イブは俺専用のナビゲーターなので、俺のステータスとかは共有して見ることができる。


 そして、俺がイブに聞いたのが3つの例外。

 そう、《DEX》《AGI》《LUK》のとこに表示されている《ー》のことだった。


「それは、数値が0以下になると表示されなくなるという意味です」


「え!じゃ俺のこの3つは0以下なんだ?」


「はい、そうなります。《ミニガン》の特性でINTを500%アップする代わりにDEX.AGI.LUKを500%ダウンさせるとなっております」


「そうだった・・・。

 これ0以下になるとどうなるんだ?」


「DEXの場合ですと器用さの欠片もありません。AGIは知ってのとおり全く動けません。LUKは『クリティカル?なにそれおいしいの?』ってくらいでません」


「まじかぁ・・・。まっいっか!」


 器用さは今のところ必要ないし、クリティカルに至っては撃ち込まれる弾丸のスピードが早いのと今のところモンスターは即死だから、実際どれくらいダメージを与えているのか不明なのでさほど気にはならないかな。


「ただなぁ・・・。チュートリアルの時から考えてるんだけど、どうにかして《ミニガン》を持ったまま動けないかな?

 やっぱステータスをAGIに振るのがいいかな?」


「いえ、それはやめたほうがいいですね」


「ん?なんでだ?」


「《ミニガン》の特性の500%ダウンは基本ステータスで決まるので、AGIに振ってしまいますとレベルアップ時に基本ステータスがあがってしまいます。

 そうなった場合マイナスされる数値が大きくなるので、プラスに持っていくまでに時間がかかります。

 したがって、スキルや装備でAGIを上げることをお勧めします」


「なるほどなぁ。どっちにしても動けるようになるまでにはまだ時間が掛かりそうってことだな?」


「そうなりますね」


 ここまで教えてくれるなんて、結構優秀な専用ナビゲーターだな。


 そのうち運営からの修正がはいらないか不安だが、今はそれは置いておくとして、目の前の事を解決しなくては。


「俺さぁ、思ったんだけど。

 この先、絶対に魔法耐性もってるやつや《ミニガン》の攻撃をかわすやつ、奇襲なんかしかけてくるやつがいると思うんだよ。

 その時、俺ってどうなるんだろうなぁ?」


「・・・・・・即死ですね」


 おいっ!


「いやいや!そこは『それならこうしましょう』とかないわけ!?」


「・・・・・・ガンバ!」


 殴る!ぜってぇ殴ってやるぅぅぅ!


「じょ、冗談ですよぉ!だから、その握り拳を徐々に近づけるのはやめてくださいぃぃぃ!」


 目に涙を浮かべながら抵抗するイブを見ているとなんだか勝った気分になるなぁ。


 まぁでも、こんなチビッ子をイジメる趣味は俺にはないからこのぐらいで許してやるか。


「じゃ、なんかいい案でもあるかぁ?」


「うぅ~。案というよりも、先ほどからずっと言わなければいけないことはあります」


「言わなきゃいけないこと?」


「はい。先ほどからずっと見ているプレイヤーがいます」


 ・・・・・・は?


「先ほどから?・・・・・・・見てる?」


「はい。ハクト様がモンスター相手に『ヒャッハー』してる時からです」


 ・・・・・・おいおい


「え?な、なんでお前すぐいわねぇの・・・?」


「ハクト様がすごく楽しそうだったので・・・・・・つい」


「つい。じゃねぇぇぇよぉぉぉ!お前バカなの?そういうのはすぐ言えよ!俺もしかしたら後ろから殺られてたかもしれねぇんだぞぉ!」


「そんな怒らなくても・・・」


 こいつはホントに~!ポケットの中でかわいらしくシュンとしたら許されると思ってんじゃねぇぞ!


 今度こそぜってぇ殴る!

 ーーーそう思った瞬間


 ガサッ


「ーーーーーーッ」


 音のした方をみると、木の陰から人影がこちらを覗いていた。


「ーーーーーーッ!!」


 やばい!絶対にPKされる。

 それなら殺られる前に殺ってしまおうと思い、人影に向けて《ミニガン》の銃口を向けた。


「ちょちょちょ、ちょーーっと待って!戦う気なんてないからぁ!だから撃たないでぇぇぇ!」


 悲痛な叫びをあげながら、人影は慌てて両手を上にあげた。


 そこにいたのは、金色の髪を腰の上ぐらいまで伸ばし、俺と同じ赤い目をした美少女だった。


 俺は彼女の頭の上にあるプレイヤーネームと色を見て、問題ないと判断し《ミニガン》の銃口を下ろした。


 プレイヤーはみな頭の上に自信の名前が他人に見えるようになっており、一般のプレイヤーは青色でPKをしたプレイヤーは赤色で表示されるのであった。


 そして、金色の髪の彼女は青色で名前は《サリア》となっていた。


「えっと、サリアさんでいいのかな?そこで何してたの?」


「う、うん。じゃ私はハクト君でいいかな。

 私、ついさっき始めたばかりだからまだレベルも1なんだよね。

 それで、どこかいい狩り場ないかなって探してたの。

 ほら、ここのモンスターってこっちが攻撃しないと攻撃してこないでしょ?それでウロチョロしてたんだけど。

 そしたらね、遠くで火事みたいなのが見えて何かなって見にきたらね、ハクト君がその銃でモンスター達を撃ってたの。

 それで、怖くなって隠れてたんだよね」


 サリアさんは若干早口になりながら、身ぶり手振りで説明をしてくれた。


「と、とりあえずわかったよ。一旦落ち着こうか?」


「あ!う、うん。スー、ハー。エヘヘ」


 一度深呼吸をして落ち着いたのか、はにかんだ笑顔がメチャクチャかわいかった。


「じゃ、サリアさんがここにいるのはたまたまってことでいいのかな?」


「そうなんだけど、信じてくれる?」


「サリアさんが嘘を言ってるかどうかはわからないけど、PKじゃないってことだけはわかってるから大丈夫」


「そっかぁ、よかったぁ。

 ところでそれは一体・・・・・・?」


「ん?あぁ~」


 装備を変えるのを忘れてて、そのまま手に持っている《ミニガン》を恐る恐る指を指しながらサリアさんは聞いてきた。


 サリアさんは悪い人ではなさそうなので、チュートリアルでのガチャのことや《ミニガン》のこと等を軽く説明し、ついでにイブのことも紹介しといたーーー



「なるほどねぇ。というか、イブちゃんかわいい~」


 話を聞き終わったサリアさんは《ミニガン》のことなんか忘れてるかのようにイブに夢中であった。


「サリアさん、話わかりましたか?」


「うんうん。わかってるから大丈夫だよ~。イブちゃ~ん」


 この人の頭の中には、もうイブのことしかないだろ。

 俺の話聞きながらイブの顔を人差し指でツンツンつついてるし。

 その度に、イブに「やめてください!」って言われてるのに完全にスルーだし。

 イブよ、頑張れ。



 しばらくイブの顔をツンツンして満足したのか、ようやく俺の方に意識を向けてくれた。最高の笑顔付きで・・・。


 イブは疲れたのか、ポケットの中でぐったりしそのまま顔を引っ込めてしまった。


「ハクト君。お願いがあるんだけど」


「ん?」


「これからログイン時間が合うときは、一緒にプレイしたらダメかな?」


「・・・・・・え?」


「あっ!勘違いしないでね。決してイブちゃんがいるからとかで言ってるんじゃないよ」


「じゃ、なんで?」


「私、あんまりこういうゲーム慣れてないから一人じゃ心細いっていうのもあるんだけど、ハクト君の話を聞いて役に立てないかなぁって。

 一応私、最初のステータスをSTRとVITに振ってるから守ってあげられるかもしれないって思ったの。

 それに・・・ハクト君とイブちゃんが一緒ならきっと楽しいだろうなって・・・」


 俺もあんまり慣れてないんですけどぉ!とは言えないな。

 というか、最後のあのしおらしい感じ何?メッチャかわいいんですけど!


 冗談はさておき。

 確かにサリアさんがいてくれれば《ミニガン》を使ってる時も安心かもしれないし、《ミニガン》を使ってないときでも一人よりは二人の方が安全かもしれないな。


「うん、いいよ。ログイン時間が合うときは一緒にパーティ組んでやろう」


「ホントに!わぁ~い。ありがとう、ハクト君。

 それとこれからよろしくね♪」


「あぁ、こちらこそよろしく」


 こうして、俺の初めてのフレンド兼パーティメンバーができたのであったーーー



 ちなみに、サリアさんとパーティの約束をしたとき俺の胸にポカポカとチビッ子パンチが当たっていたのだった。


 ・・・・・・はぁ、めんどくせー



次回『7、フィールドボス』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ