プロローグ
これはクール&キュート系-Cw-のステージと裏の物語。
「一丁前に緊張してんのか、知音」
鏡の前で深呼吸をしていた男ーー知音に長いウェーブのかかった髪をかきあげた男ーー和音は話しかけた。
「当たり前じゃねえか…。あの2グループと戦えるんだ…!」
知音は汗を浮かべながらニッと笑う。
和音は近くに置いてあったペットボトルのキャップを開ける。水を少し口に含み、すぐに飲み込む。
「兄貴だって緊張してるじゃねえか」
知音が和音の手を指差す。ペットボトルを持っている和音の手が小刻みに震えていた。
「ち、ちがっ…!!これは!武者震いってやつだ!」
和音が顔を真っ赤にして否定する。知音はその姿にふふっと笑った。
「と、とにかく!」
和音がもう1度ペットボトルの水を口に含む。
「?」
知音が頭にハテナマークを浮かべる。
和音は水を飲み込んだ。
「やることはいつもと同じだ。精一杯、オレ達の音を届ける」
和音が知音に握りしめた拳を差し出す。
「…!」
知音がこくんと頷いた。
「あぁ!音は世界を平和にする!」
知音がニッと笑って、和音の拳に自分の拳を当てた。
「-Cw-のお2人、もうそろそろ出番です!」
呼びに来た女性が2人を見て力強く頷いた。
「ほんじゃ行きますかね」
和音が手を緩め、知音の手首を掴んだ。
「俺たちの音を」
知音がニッと笑って和音を見た。
和音が知音を見て笑う。
「世界に、宇宙に」
和音と知音が地面を蹴った。
「「届ける!!」」
-Cw-【プロローグ・終】
どうも!豊橋朱雀です!前作-Au-に引き続き今度はクールとキュートを兼ね備えた-Cw-の物語です!
残る1グループの物語のプロローグもお楽しみに!!