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君の隣には僕がいる  作者: 番茶
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第16話 狭い心











君は僕を試してるのかな?



いや、昔からそうだったっけ?



いや、違うだろ。気づくだろ。















おかしい、ソフィとエディの距離感が近い気がする。











話す時には見つめ合い、少し重そうな荷物があればエディが持ってあげて、向かい側から人が来れば肩を抱いて避けるように促して。



ソフィにしたって今までならそんなことしたら「大丈夫だから」と言ってきっぱり断りそうなものなのに、むしろちょっと寄り添い気味なのは何故なの。




そりゃエディは昔からソフィには優しかった。

だけどそういう女性への優しさとかじゃなくて本当に兄と妹のような優しさで、扱いならどちらかといえば乱暴な方だったはず。











「おい、これ持ってくぞ。」


「あ、ありがとう。」



食事が終わり、エディがソフィの分も一緒にトレイを返却口に持っていく。


え、なにそれ。







「ちょっと先に教室戻るね。」



そう言ったソフィはエディの分の鞄も持って返却口し終えたであろうエディと合流して食堂を後にする。肩が触れるほどその距離は近い。








カレンは静かに食後の紅茶を飲んでいた。

僕は相変わらず食べるのが遅い。

というか二人に注視し過ぎたせいだろう。




「ねぇ、あれなに?」



「ん?なぁに?」



なに、と言いながらカレンの口元は笑っている。何か知っているのだろうか。



「いや、あの二人なんか…今日変じゃないか?」


「あら、あの二人が仲良しなのはいつものことでしょう?」



ニィ、と細められた目にぞっとする。そうだったカレンは二人大好き病だった。二人が仲よければ良いほどカレンの機嫌は良くなる。




「男の嫉妬は醜いわよ?」


「…!悪かったな…」




カレンの余裕がなんだか面白くない。僕だけがなにも知らないかのようだ。ソフィはエディと親密な感じがするし、エディも表情には出ないがまんざらでも無さそうだ。



まぁ…目を見て話すのはいいとして、肩を抱くのはやめて欲しい。エディであっても男が…誰かがソフィに触れるとなんだか胸がザワザワする。エディじゃなければおそらく引き離しているに違いない。




「まぁ、私にもよくわからないけれどしばらく様子を見てれば何かわかるんじゃないかしら?」



「…そうだね。」




なんだ、カレンも何も知らないのか。

残念なような少し安心したような。













でも、最近のソフィはなんだか危うい気がしてならない。



アランとかいう奴のことで頬を染めたり、エディに寄り添ってみたり…なんだ、なんでなんだ…そんなの、そういう態度は僕にだけしてよ。なんで、僕には、なんでしてくれないの…?







いっそ僕から何かしてみるか?

エディがソフィに優しくしたように。

大体みんなおかしいよ。

ソフィは僕のだってなんでわからないの。














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