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君の隣には僕がいる  作者: 番茶
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第15話 踏み出す一歩







あのバカ。

アランって誰だよ。











昔から思わないではなかった。
















もしもあいつが他の誰かに惚れたら?



アレックスの婚約者を辞めたくないと言ったら?



俺と結婚したくないと言ったら?









そのどれも一度は考えた。

なってみないと正直わからない。







んで、そこに突然出てきたアラン。



マジで頬染めんのやめろ。

あいつがアランとかいう奴のことを思い出してることは言わなくたってわかる。だが頬を染める度に俺たちの長年の計画の失敗がちらついてイライラしてしまう。








不安要素についてだが、


まず一個め。

『他の奴に惚れたら』


そんなもん阻止だ阻止。

四人というコミュニティがあるからこそ、カレンとアレックスが結婚しようが一緒にいることができるわけだからあいつだけ抜けるなんて許さない。アレックスと結婚しようがおれはずっとカレンの側にいたい…。




んで、二個め。

『アレックスの婚約者辞めたくないって言い出したら』


これも阻止だ。こうなった場合に俺はカレンと結婚できる。できる、けど惚れている女にそんな酷い人生を歩ませるつもりはない。好きな男が身近で結婚なんて両想いをわかっていながらそんな話ねぇよ。




んで三個め。

『俺と結婚したくないと言ったら』


まぁこれはないだろう。自分で言うのもあれだが、もはやあいつは家族だ。今更結婚が嫌だなんてお互い言う訳がない。










だから、なんとなく焦ったんだ。

あいつが他の奴に惚れるなんて一番の面倒。それに他の令嬢達もアレックスから目が離れていっている。呼び出しも明らかに減った。今のソフィが言えばあの呼び出しという名のお茶会もなくなるはずだ。


ならもういいだろ。






俺とソフィが両想いだと思わせるように振る舞う。4人の時間はいつも通りに。

それを学院や街中でやってりゃ婚約者を交換したって自然と組み合わせが変わったと思われるだろうし、仲違いしたと思われない。愛憎劇だなんだと騒がれるのは本気でごめんだ。


あと親が騒ぐのも面倒だ。

ソフィと出掛ける実績を積んでおけば家の者達にも両親達にも婚約者を変えることにそんなうるさくは言わないだろう。







そもそもこんなことをせず手っ取り早く親達に交渉すればいいのかもしれない。

カレンが呼び出しにあうような可能性はもう薄い。




でも、急に「婚約者交換しないか」なんて言って両想いに気づいてたことに気づかれたくはない。あくまでも俺とソフィの都合でそうなった、という風に持って行きたい。


あの二人は優しい。二人に気を使わせて四人がギクシャクするようじゃいけない。だから慎重に事を運ばないとな。














四人組はずっと一緒だ。

















ソフィを浮かれさせたままなんかにはさせない。



あいつは、ソフィはおれの婚約者だ。

カレンの事が好きなのには変わりない。でも、結婚するからにはソフィを大事にしてやるつもりではいる。


それはソフィもお互い様なはずだ。だから俺たちは上手くやれる。
















さぁ、始めようか。











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