表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

08

リアル都合により3ヶ月もあいてしまいました。

打ち切りにだけはしないつもりですので、生暖かく見守って下さると有り難いです。

「ふんふふーん♪」


鼻歌を口ずさみながら、羊の背後に回る。

そして、バックスタブ。倒れ、ポリゴンの欠片となる羊。

次の獲物を求め歩き出す俺。


探知・鑑定・ハイディング・忍び足は常に発動させている。

おかげで近くにいる羊の位置は手に取るように分かるし、誰かが攻撃中の羊に誤って攻撃する事もない。

カーソルが赤くなるとアクティブ、点滅は戦闘中だ。実に分かりやすい。

ハイディング・忍び足に関しては、羊はノンアクティブだから必要は無いのだが、Lv上げの為に発動させている。


そしてそれで問題が一つ。

探知・鑑定はそれ程でもないのだが、ハイディング・忍び足はなかなかに消費MPがきついのだ。

全てを常時発動していると、それだけでみるみる内にMPバーが減っていく。

さらにはバックスタブで大きく減る。短剣Lvを上げるには与ダメが大きいバックスタブの方が効率は良いのだが……。


「結局回復待ち時間が出来ちまうんだよなぁ」


どうしたもんか、と後頭部を掻く。

掻きながら片手間で次の羊にバックスタブ。

羊は倒したが同時に空っぽになるMP。

うーむ。効率悪い。

狩の時間だ、と勇んで出てきたは良いが、これは一度街に戻った方が良いな。


「準備不足だ。MPポーション買ってこよう」


テンションが上がらないとつまらないからな。


   ◆◇◆◇◆


「いらっしゃーい」


 雑貨屋に入ると、店主はカウンターに寝そべってひらひらとこちらに手を振ってきた。

 完全に暇を持て余した人の所作だが、この人ほんとにNPCか?


「MPポーションをください」

「はいはーい」


 欲しい物を告げると、目の前に開く購入ウィンドウ。しっかりMPポーションにカーソルがあっている。

 初級MPポーションは……1つ100Gか。

 先に食肉屋によっていたので、現在の俺の所持金は2000Gちょっと。

 初級MPポーションは20個買える。


 購入ウィンドウを操作し、個数を20とした所で、指を止める。

 まてよ? 自分のスキルを忘れてはいないか?

 俺には『ポーションの心得』があるではないか!


 個数を1に変更し、購入を済ませると雑貨屋をさっさと出る。


 露店が集まってる道をスタスタ歩き、呼び込みは全て無視。

 歩きながら初級MPポーションの栓を開け、呷る。


 MPが半分ほど回復したのを見て、ややげんなりする。


「このバランスじゃ、魔術師系はマゾいだろうに」


 消費と回復と、収入と支出はどうなっているんだ?

 まぁシーフな俺には知る由もない事だが。

 呟きつつ、レシピを呼び出す。


―――――――――――――――――

初級MPポーション:

 魔力草×2

―――――――――――――――――


 目論見通り、MPポーションのレシピは分かった。

 後は森に行って適当に探知・鑑定の合わせ技でどうにかなるだろう。



   ◆◇◆◇◆


結論としては、どうにかなった。

魔力草は薬草ほど生えていないようで、森の中をぐるぐる走り回っても思った程あつまらなかったが。

それでもリポップする端から採取術で収穫していって、1時間ほどで216枚集まった。

全部サクッと合成し、手にするは初級MPポーション95個。

燃えるゴミの再利用はロストがある事を今知った。そうでもなきゃ便利すぎだから仕方あるまい。


そして場所を移して、草原へ。

暢気に草を食んでいる羊は周囲にいくらでもいる。

探知・鑑定・ハイディング・忍び足を全て発動。

視界に映る羊達の上にカーソルが出たのを確認すると同時、ダッシュも発動。

無駄にステップやジャンプも挟みつつ羊に接近し、背後に回ってバックスタブ。

ポリゴンの欠片になる様子も確認せずに次の獲物へとダッシュ&ステップ。

そして背後に回ってバックスタブ。

MPが切れたので初級MPポーションを呷り、また次の標的へ。

ついでに流行りのJPOPを口ずさみ、歌のLv上げも行う。

あとは単調な作業プレイだ。だが俺は単調な作業という物に適性がある。


4時間穴を掘って4時間その穴を埋める、という無為系という拷問法が有るらしいが、俺には通用しないだろうな。


ひたすら効率よく、バックスタブを放つ時には次の標的を見定めておいて、バックスタブが当たる手応えを感じると同時にステップ。

続けてダッシュし、羊がこちらを向いていたらジャンプで背後に回り、そしてバックスタブ。


草原は瞬く間にポリゴンの欠片が舞い散る、幻想的な草原と化した。


……後日。

あまりにも狩り過ぎたようで、掲示板の晒しスレで

「歌いながら羊を狩りまくる、変な動きをする非マナープレイヤー」

というのを見かけた。

他のプレイヤーの事も考えて狩らなきゃ駄目ですよねー。

反省してます。


―――――――――――――――――

名前 :ナオキ

クラス:シーフ

スキル:短剣Lv25

    探知Lv87

    鑑定Lv87

    落下耐性LvMAX

    ポーションLvMAX

    バンテージLvMAX

    歌Lv3

    合成LvMAX

    採取LvMAX

    ジャンプLv11

    ステップLv12

    ダッシュLv15

    隠蔽Lv22

    歩法Lv22

    ―――――

    バックスタブ

    採取術

    ハイディング

    忍び足

    ―――――

    合成の心得

    素登り

    ポーションの心得

    バンテージの心得

    ―――――

    暗殺の極意

―――――――――――――――――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ