第六話 シウムエクームの行動観察
活断層達は地球のコアにある緊急連絡協議議会室にいた。
「最近、目撃されているエイリアン。このエイリアンの正体が明らかになりました。」
活断層エイリアン討伐隊隊長 立川断層
立川断層は埼玉県秩父から東京都多摩地方西部に伸びる活断層。
様々な活断層達を統括するリーダー。
「このエイリアンの種族を突き止めたのは三陸沖だ。」
「ご協力できて誠に光栄であります立川殿。」
茂住祐延断層はそのエイリアンの名前を気にしていた。
「そのエイリアンの名は何ですか?」
「シウムエクームと言われるエイリアン。650光年先の星から来ている。」
「そのエイリアンが此処の所、世界中に分散しているらしい。」
「人間に化けているのも厄介ですね。」
「我々、活断層の目を欺ける技術は備わってなくて正解でしたね。」
「しかし、油断ができない。こちらを見てくれ。」
立川はみんなに衝撃的事実を見せた。
「月の裏側に超巨大戦艦があるだと。」
「こいつ、俺達も気がつかぬ場所に。」
「月の裏側は、我々で死角になりえる場所。くそっそこに巨大戦艦を。」
「シウムエクームには、結託を結んでいるエイリアンがいるらしいです。」
「まだいるのか。」
「実は、この事で言いたかったことがあるんだ。」
「どうしたんですか。利府長町さん。」
「地球を制御するメガリスとスーパープルームのシステムがありましたよね。」
「ああ、確かに存在する。古代、我々のご先祖が作ったシステムと聞いている。」
「その古代制御装置の中に巨大な戦艦があることです。」
「それは知らなかった。」
皆がそう思っている時、突然モニターが映った。
「これは?」
「地球が我々にご先祖の戦乱の記憶を教えているのか。」
8000万年前の地球で起きたスターウォーズであった。
「SFばかりの物語かと思っていたが地球でもこのようなことが起きていたんだ。」
地球の記憶は音声も入っていた。
「ダメです。そんな砲台を使ったら破局噴火を招きかねません!」
「危険は承知の上だ。この戦いで我々が勝たなければ地球は滅びる。」
火山から現れたのは巨大砲台であった。
「マグニチュード10砲発射スタンバイ。」
「マグニチュード10砲スタンバイ完了。」
「よし、撃てっ!」
巨大なキャノン砲がビーム型レールガンを解き放った。
二基の全長1キロメートルのロボットに命中し粉砕した。
火山の砲台は速やかにしまわれた。
「凄い。」
「地球の記憶はとんでもない事実を教えてくれているのか。」
「ご先祖様の力が凄すぎる。」
地球は活断層だけに見せてはいなかった。すべての電波を地球はジャックした。
「お母さん、なんか変だよ。」
この電波は人間達にも見せていた。
「地球にこんな兵器があったのか。」
「しかも8000万年前に地球と古代の断層が宇宙人と戦ったんだって!」
「この映像って?地球が流しているの!」
活断層達はこれで分かった。
「我々は何かを勘違いしていた。」
「そうですね。活断層は地震だけで悪扱い受けていたのに。」
「これで善でも悪でもない存在になった。」
地球はこの事を言って最後にした。それは人間達にも聞こえるように。
「活断層は私の使者です。どうか怖がらずにいてください。この映像をあなた方に見せたのには理由があります。再び訪れた最悪の事態、アースヴォルト計画Ⅱ。地球侵略を目論むエイリアンが来ていることです。人類、動物、植物たちにこの警告をします。これまで起きたことは最悪の事態の序章です。これから次第にことが悪くなって行きます。そこでこれを教えます。この地球を守れる唯一の戦艦をイザナギプレートです。」
「イザナギプレート?」
次回宣告
一刻を争う史上最悪の決戦が始まろうとしていた。
次回第七話 戦乱の始まり。お楽しみに!