第二話 厳しき恋と愛しき者
福岡市に謎の人物がいた。
エイリアンの類が3体、少年を連れさらっていた。
「さぁ、おまえ伝説の船を知っているか。」
「伝説の船?なんだそれは。」
「とぼけるな人間。」
「もういい、殺っちまえ!」
少年は首元をバッサリと切られた。
3体のエイリアンは、死体となった少年をそのまま放置した。
そのことが今回の物語に発展していく。
翌日の福岡市・・・
「田酒ちゃん。そんなにいちゃいちゃしないでよ。」
「だって警固さん。大好きだもん。」
警固断層と田酒断層は、リア充的存在であった。
日向灘と日出沖断層と水縄断層は呆れていた。
「全く、あいつらと行動一緒にしろって言った周防灘に文句をつけてやる。」
「君って愚痴ばかりね。」
水縄断層の文句に日向灘はツッコミを入れていた。
「本当は羨ましいくせに。ぷっ」
「お前笑いやがったな。」
「実際、活断層って恋してもその試練耐えた者にしか成就できないからね。」
「まぁ、確かにな。下手をすれば心が病んだ状態で恋をし始める場合がある。」
日出沖断層は、人間に化けたエイリアン一体を見つけた。
「此処は、無理に殺生せずに。奴の話に釣られるとしようか。」
日出沖は人間に化けたエイリアンと話し合っていた。
警固と田酒は知らぬ間にどこかへと行ってしまった。
「しまった。」
「馬鹿ね水縄。追いかけるよ。」
「おう!日出沖は。」
「後で行くぜ。」
日出沖はそのあとそのエイリアンと話し合っていた。
田酒と警固は一度立ち止まった。
「活断層よ、伝説の船のありかを教えろ!」
という血文字を見ていたのである。
「田酒ちゃん、俺達はとんでもないもの見たから一旦、デートは終了だよ。」
「えー!」
「活断層達の掟だからね。」
「分かったわ。」
田酒はもう少しデートしたい気分ではあったようだ。
田酒と警固は何かを見ていた。
「宇宙製の刃物だ。」
「警固さん、あれを見て。」
田酒の指をさした場所に少年の遺体があった。
「田酒ちゃん、この少年俺達と同じ年齢と言っても数万年違うけど。若さは同じ10代後半みたい。」
日本の活断層の年齢を人間に例えると10代前半から20代前半ぐらいである。
田酒は、あること思い出していた。
それは博多湾がまだ九州の陸地の頃の話である。
地球の氷河期が終わるちょっと前の話だった。
博多湾の一部の水深が深くなっている理由は田酒断層が活動したからである。
その場所には生き物が楽しそうに暮らしていた。
しかし、田酒断層がその場所を震源とするM8.0の地震を引き起こした瞬間、脆かった大地が一気呵成に沈没を始めた。
逃げ惑う生き物たち、しかし大地の破壊は進みに進み逃げ遅れた生き物は海に落ちて溺れて死んでいった。
田酒断層はそのあと活動をやめた。
そのあとその博多湾から博多という町が発展し、福岡市と名前を変えて現在に至る。
だが、田酒は生き物の死んでいる姿を見ると必ず代償の付く世界に疑問かけながら自分の複雑な気持ちを曝け出そうとしていた。
「警固さん、私にとってこれは・・・」
「君の気持ちはすでに分かっているよ田酒ちゃん。とりあえず落ち着こう。」
「そうね。」
田酒達の前に現れたのはエイリアンであった。
「やっと探したぞ。船の事を教えろ!」
「船?イザナギプレートのことか。」
「そうだ!」
一方、その頃・・・
日向灘達も同じエイリアンに見つかっていた。
「船のありかを教えてもらうぞ!」
「こいつ、イザナギプレートの事を知りたがっているようだな。」
「そんなこと知って何するつもりだい?新聞記事にでもする気ならうれしいけど。」
「地球侵略の道具にしたいんだよ!」
「へぇー、それでは場所は教えられないね。」
日向灘は左手にナイフの姿を現した。
「イザナギプレートという船をさっさと渡せ!」
水縄断層は銃を持っていた。
「そこまで。肝心な話イザナギプレートは、もう沈没している。つまり此の地球には存在しない。」
エイリアンは怒り水縄に近付いた。
「1億万年前に地球を防衛していたという素晴らしい武器が何で沈没しているんだよ。」
「それは言い伝えがあって今では神様のイザナギとして親しみを受けている。」
「だとしても、船はこの大地のどこかに眠っている。さぁ、言えよ!」
一方・・・
日出沖は既にエイリアンを絞め殺していた。
「地球防衛を優先するのが自然という大きな組織にいる者のやること。生き物だって同じ権利を持つ。」
一方・・・
水縄と日向灘は、エイリアンの言い方にちょっと疑問があった。
「分かるか。イザナギプレートはきっと地球のどこかにあるそれがほしいんだよ。」
「全く、わけのわからない奴だ。」
一方・・・
田酒達はエイリアンをすでに蹴散らしていた。
「田酒ちゃん、水縄さんから連絡があった。もう一体のエイリアンにイザナギプレートのことを話しているみたいだって。」
「じゃー、嘘の情報はどうも通用しないみたいだね。」
「なんか、嫌な予感しかしない。」
「えっ、どうして?」
「此処まで時間を延ばされるのはエイリアンにとってはダメージになる。つまり、周りの生き物に自分は地球以外の星から来たぞということをばらすことになる。そうなると地球を滅ぼさなければならないということ。でも阻止避けていることには気が付いていないとなると・・・」
「そのエイリアン、水縄さんや日向灘さんに攻撃するんじゃ。」
「そう言うことになってしまう。しかもあそこは人通りが多い。我々は正体が断層であることを隠して生きている。人間になっているのはそのため、下手に溶岩の血を大量に流したらこちらもばれる始末。」
「そんなー!」
「そうなると俺と君の恋も達成されなくなり破綻する。」
一方・・・
日向灘は、そのエイリアンの言い方が怪しくなってきた。
「さて、人通りが少なくなってしまいましたね。」
「人間だろ。お前等は一体・・・」
「そう簡単には話すことができない存在。」
日向灘はエイリアンの首に向かってナイフを投げたが・・・
エイリアンそのナイフを掴んで、商店街の店のガラスめかげて投げた。
パリーンと言う音が響き渡った。
「こいつ、本性をついに。」
日出沖が超覚醒させた武器でエイリアンの体を引き裂いた。
「処理完了だな。」
一方・・・
「良かった。日出沖さんタイミング良くないですかね・・・」
「そうだね。」
警固はしばらく考えた。
「デート再開しようか。」
「うんっ!」
今回は、死者1人。ガラスを割られた。という被害で済んだ。
周防灘は、広島県で東南海と紅茶を飲んでいた。
「そうか。やはり、地球を襲う者がまた増えてきたか。」
「それにイザナギプレートの存在を知っている者までいるとは、気が抜けないな。」
「そうですね、今後は気をつけなければ。」
「ああ。」
次回宣告
活断層が二頭身ケモノになってやってくる。ほんのわずかないたずらで他の断層を困らせる断層が登場。
第三話 変ないたずら
活断層の守り抜く世界が見えてくる。




