第一話 含まれなき希望
2011年1月14日 アメリカ エリア51
エイリアン対策本部
「日本上空に謎のUFOを発見。」
「場所は新潟県上空です。」
一方新潟県燕市・・・
UFOの出現に人間達は少しあわてていた。
「何だあれは?」
「凄い形のUFOだぜ!」
「ああ確かに凄い。」
いろんな民家の屋根を一つずつ飛びながら移動する者の姿があった。
弥彦断層というものである。彼は長岡平野西縁断層帯に所属している。
「人間達は、戸惑っているようだな。」
「そのようだ。あのままだとまずい。パニックを起こさないようにしてほしいぜ仲間達には。」
「ああ。」
弥彦と喋っているのは長町利府断層である。
長町利府断層は宮城県にある活断層で福島盆地長町利府断層帯に所属している。
弥彦と協力してUFOに威嚇射撃を仕掛けるようである。
パニックを起こさないように石川県能登半島沖と南海と福島県沖と根室沖と若栃断層が人間を安全なところに誘導していた。
「安心してこの場所に避難してください。」
「俺も戦いたい。」
「馬鹿を言え南海。お前は強過ぎるからこっちの役回りになっているんだろ。」
「確かにそうだけどよ。」
石川県能登半島沖は厄介なことに気付いた。
「既に上陸していたか。」
能登半島沖の左手にナイフが現れた。
「超覚醒!ビーシングキルブレード!」
体育館内に人間に化けた宇宙人を見つけた。
「見つけた。」
剣を宇宙人の首元目掛けて振り落とした。
「きゃーーーーー!」
人間達は悲鳴を上げる者もいれば、口を手で押さえる者もいた。
「怖いよー!」
泣きだしている人間もいた。
「石川県能登半島沖何してんだよ。」
「あっ!」
福島県沖は、頸動脈を斬られている宇宙人を見ていた。
「こいつ人間じゃなかったのか。」
「宇宙人を殺しちゃったよ。あの人。」
「怖いけど。きっと私たちを守るためにやったんだよ。」
「ヒーローだ!あの人間はヒーローだ!」
石川県能登半島沖は照れながら言った。
「いやいや、俺は君達とは友達だから。友達を守るためなら何だってやるぜ!」
福島県沖は石川県能登半島沖を見てバーロー的な目線をしていた。
弥彦と長町利府はUFOの大きさを見ていた。
「ざっと、全長25mの大きさだな。」
「翼は片方だけで25m。ってとこだな。」
「バランスのいい形をしているな。」
「どうする。威嚇射撃なんてせずに破壊するのは手かもしれない。」
悩んでいた時、一筋の光が新潟市の方に向かって行った。
そして燕市にも聞こえるその爆発音。
新潟市の一部が火の海と化していた。
「まさか・・・」
弥彦は凍りついた。
「おい、大丈夫か。弥彦!」
火の海の中を逃げまくる人々。
逃げ遅れて死に絶えていく人間もいた。
「福島県沖、俺行ってくる。」
「南海、急げよ。」
「おう!」
弥彦は悔しみと怒りでどうしていいのか分からなくて凍りついていた。
「弥彦!弥彦!しっかりしろっ!」
長町利府は弥彦に向かって叫んでいた。
「俺・・・どうすればいいんだよ・・・」
「なにっ?」
「一体、俺は何すればいいかわからないんだ。」
弥彦は涙声になり長町利府に言った。
「俺がもたもたしていたせいで、新潟が・・・」
「弥彦。お前、お前がしっかりしないとあの火災で逃げ遅れた人間の気持ちが報われないんだぞ!」
弥彦は辛い表情しながら長町利府に持っていたナイフを渡した。
「だったら、UFOに投げてくれ俺にはその勇気が消えてしまったんだ。」
長町利府は、そのナイフ見ていた。
「お前だったらどうするんだよ!長町利府!」
長町利府は左手で弥彦の顔を打った。
「お前がそんな弱い断層だとは思っても見なかったよ!」
「長町利府・・・」
「お前と手を組んだ俺がバカだったと笑われる前に断層としての人生をやめたい。お前のせいで宇宙人が倒せなかったとかでは済まないんだぞ!」
長町利府は右手に持ったナイフを弥彦に返した。
「お前ならこの大地の生き物の仇を討つことができる。いやそうしろ!俺は昔海中の魔物を倒せずに宮城県に住んでいる4人を失ったんだ。そのあと仇を取った。お前にだってできるかもしれない!強くなれっ!弥彦断層!結局断層も地球の生き物と同じ愛や絆でしか強くなれない単純過ぎる存在なんだ。」
「分かったよ長町利府。俺はお前のおかげで目が覚めたよ。」
「弥彦・・・お前だって掴めるさその強さを。」
「お前と手を組みたい。長町利府。」
「ああ、絆の力を俺達の最強の武器にしよう。」
「うん!」
長町利府も右手にナイフを持った。
二人は超覚醒と叫んだ。
二人とも剣を持っていた。
「行くぞ!」
「よしっ!」
二人は高くジャンプした。
UFOに穴を開けて侵入した弥彦達は、宇宙人を辻斬りのように切りつけた。
「貴様等―!」
「殺れ!」
宇宙人全員で150人もいる。
「数が多くても。」
「俺達は決してくじけはしない!」
似た運命に誘われた二つの断層だから分かりあえる気持ち残酷な状況が待っていようがそれを乗り越えたいと思えばその気持ちやがて叶う。
「お前で最後だ。」
「クソー!」
弥彦は宇宙人の心臓部を剣で貫いた。
「がはっ!」
宇宙人は死に回りは血の海になっていた。
返り血を浴びた弥彦達はUFOを破壊することにした。
「弥彦は、管理室を破壊してくれ。」
「長町利府は?」
「俺は両翼を破壊する。」
「海で出会おうぜ。」
「おうっ!」
弥彦は、武器をさらに進化する呪文を言った。
「イザナギモード!」
剣が形を変えて弓矢の形に変貌した。
弥彦はその弓矢を横に持ちこう呟いた。
「この大地の生き物の仇よ俺に最大の力を。」
弥彦は最大の力となり弓矢を解き放った。
巨大な爆発が3か所で起きた。
弥彦は先に飛び降りた。
そのあと長町利府が飛び降りて二人とも海に落ちた。
数時間後・・・
長町利府と弥彦はすぐ近くの海岸に漂着していた。
二人の意識が戻り、二人振り向いた。
「やったぜ。」
「お前に出来ると思っていたのさ。」
そのあと二人は大笑いをした。
そして福島県沖達と合流した。
「南海、被害は。」
「死者32名。負傷者66名。全壊41棟。半壊97棟だ。」
弥彦はみんなで新潟の攻撃を受けた場所に向かった。
「ひでぇーこのエリアだけが被災したのか。」
「弥彦。いつの間に花束を持っているんだよ。」
「ビックリしたか長町利府。」
「それはびっくりするさ。」
「俺だって、断層である自分だから分かる。失うという辛さ、儚すぎる命、そして友達が死んだときの悲しさは断層にだってわかるということを俺は知った。」
「そうだな。」
南海は弥彦に言った。
「成長したな弥彦断層。それにお前の男らしさを見せてもらったぜ!」
彼等は、亡くなった者たちに祈りを捧げた。
焼け死んだ犬を見た弥彦は涙を流しながら抱きしめた。
「守ってやれなくてごめんな。」
弥彦断層は、他の断層達と別れた。
「強さ、それは愛と絆に支えられた者でしか分からない。それは俺にとっても貴重な体験で今日眠れば、そんな感じの夢を見て再び泣くことにしよう。」
次回宣告
君達は活断層の恋が、いかに厳しいかを知ることとなる。そして断層が導いた答えが地球侵略を企むエイリアンを苦しめて行く。
第二話 厳しき恋と愛しき者。
断層達が守り抜く世界が見えてくる。