【ゆっくり解説】パーティを追放されたおっさん冒険者、ハズレスキル【煽る】が実は○○○○○で最強だった〜おっさんがいなくなったパーティは落ちぶれてざまあ!〜
ゆっくりユウシャだ。
ゆっくりセイジョですわ。
今回はおっさん冒険者が主人公の話を持ってきたぜ。
セイジョはおっさん冒険者が何か知っているか?
もちろん知っていますわ。
おっさん冒険者というのは、おっさんの冒険者のことですわ。
その通りだぜ。
冒険者をやっているおっさんのことをおっさん冒険者と呼ぶぜ。
冒険者については義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
というわけで、そんなおっさん冒険者が主人公の追放ざまあを紹介するぜ。
よろしくお願いしますわ。
この話の主人公はアオ・ルージャヴという名前の32歳の男性だぜ。
職業は冒険者の剣士、スキルは【煽る】だぜ。
スキルについては義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
かなり有能なスキルですわね。
モンスターの攻撃を自分に引き付けることで仲間が動きやすくなり、効率よくダメージを与えることができますわ。
しかしサポート系のスキルは強さが理解されずに追放されがちですわ。
セイジョが言っているのは恐らく【挑発】や【デコイ】と呼ばれるスキルのことだぜ。
確かにこれらは便利で有能なスキルとして広く知られているぜ。
しかしアオのスキルは【煽る】なんだぜ。
スキルを発動するとモンスターを煽って怒りを買うことができる効果だぜ。
【煽る】スキルと【挑発】や【デコイ】スキルは具体的に何が違いますの?
大きな違いとしては攻撃を自分に引きつける、いわゆるヘイト管理ができないぜ。
スキル使用者にモンスターが向かってくるとは限らず、周囲にいる味方全員が攻撃対象として認識されてしまうぜ。
さらに煽られたモンスターの凶暴性が増して手強くなることもあるんだぜ。
なるほどですわ。
モンスターの生態研究などで活用するなら使い道がいくつかありそうですが、冒険者としては役に立たないスキルですわ。
アオは自分より10歳ほど年下の3人とパーティを組んでいたぜ。
ある日リーダーから追放を言い渡されるぜ。
追放理由はアオのスキルが前述した通り役に立たないハズレスキルだから、そして剣と魔法の実力がパーティ内で大きく劣っていて実力不足だからだぜ。
パーティ結成当初は4人の実力にそこまで差はなかったんだぜ。
しかしアオ以外の3人はA級上位レベルまで成長したのに対して、アオだけC級平均程度で成長がほぼ止まってしまったんだぜ。
代わりの剣士として新しくメンバーに加わるという青年からも「おっさんはもういらねえんだよ!」と言われたぜ。
新メンバーの態度は一旦置いておくとして、かなりまともな追放理由ですわね。
実力差が明確なのに同じパーティにいても互いのためになりませんわ。
……と言いたいところですが、ユウシャ様は追放ざまあを紹介すると言いましたわ。
間違いなくアオが実は最強で追放したパーティメンバーの方が大したことなくて落ちぶれるざまあ展開になりますわ。
もう既にざまあの瞬間が楽しみですわ。
さて、パーティを追放されたアオは冒険者を引退したぜ。
その後はなんやかんやあってトレーディングカードショップの店員になったぜ。
トレーディングカードショップ……?
トレーディングカードショップというのは、トレーディングカードや関連商品の販売及び査定買取を行っている店のことだぜ。
それは知っていますが、どうして異世界にそのような店がありますの?
剣と魔法と冒険者の世界観に全く合っていませんわ。
そんなことはないんだぜ。
剣と魔法の異世界にカドショが存在してはいけないなんて決まりはないんだぜ。
じゃがいも、ハンバーグ、サンドウィッチの存在が許されているなら、同じようにカドショの存在も許されるべきだぜ。
それもそうですわね。
新しい仕事にもすぐ慣れてそれなりに充実した日々を過ごしていたぜ。
そして数日が経過した時、アオはあることに気付いたぜ。
いよいよ真の実力が明らかになってざまあ展開が始まりそうですわ。
アオが制作したオリパが他のオリパと比べて何倍も売れ行きがよかったんだぜ。
オリパについては義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
さてセイジョ、アオのオリパがよく売れた理由を考えてみてくれだぜ。
そうですわね……。
シングル価格が高いレアカードの封入率をこっそり高くしていましたの?
オリパの中身は店が定めたルールに従っていたから違うぜ。
何かキャンペーンをしていましたの?
特に何もやってないぜ。
むむむ……降参ですわ。
答えを教えてくださいですわ。
それでは正解を発表するぜ。
実は【煽る】スキルには「射幸心を煽る」という隠された効果があったんだぜ。
射幸心とは、努力や苦労をすることなく、利益や成功だけを願う、偶然の利益を労せずに得ようとする欲心[1]。まぐれ当たりによる利益を願う気持ち[2]。射倖心とも。だぜ。
せめて脚注の数字くらい消してほしいですわ。
オリパを作る際にスキルが自動発動して客の射幸心を煽る特殊効果が付与されていたんだぜ。
その結果、アオが制作したオリパは大人気商品になり飛ぶように売れたんだぜ。
つまり、棚ぼたやラッキーを求める気持ちを増幅させることによって、安価で高額カードが手に入るかもしれないオリパの購買意欲を高めたということですわね。
ハズレスキルに隠された効果があることは常識なのにすっかり失念していましたわ。
【煽る】スキルの真の力を自覚してからは、公式パックや他のオリパの売り上げも大きく伸ばすことができるようになったんだぜ。
その後も客がじゃぶじゃぶ購入したくなるような射幸心を煽りまくるオリパを作り続けて、ショップ経営に大きく貢献したんだぜ。
冒険者としての才能はいまいちだったがオリパ販売の才能があったんだぜ。
やがてTCG界隈で伝説のカリスマ店員と呼ばれるようになるんだぜ。
というわけで、パーティを追放されたおっさん冒険者、ハズレスキル【煽る】が実はオリパ販売で最強だった話を紹介したぜ。
待ってくださいユウシャ様。
どうしたんだぜ。
追放ざまあのざまあ要素がまだですわ。
アオを追放したパーティはどうなりましたの?
いくらユウシャ様と言えど、タイトル詐欺は許されませんわ。
安心してくれだぜ。
アオを追放したパーティはすぐに落ちぶれたぜ。
どのように落ちぶれましたの?
すごく落ちぶれたぜ。
……?
すごく落ちぶれたぜ。
まあいいですわ。
つまり【煽る】スキルはパーティの実力向上に何かしら貢献していたわけですわ。
いったいどのように貢献していましたの?
貢献していないぜ。
え?
【煽る】スキルはパーティの実力向上に全く貢献していなかったぜ。
それはおかしいですわ。
全く貢献していないなら、アオを追放してもパーティが落ちぶれる理由がありませんわ。
簡単な話だぜ。
追放したから落ちぶれたんだぜ。
いえですから、追放したことによってパーティにどのような不利益が発生して、その不利益がどのようなマイナスの影響を与えて、どのような経緯で落ちぶれるという結果に至ったのか、詳しい因果関係と過程が知りたいのですわ。
このままでは本当に何も役に立っていない実力不足のメンバーがいなくなったせいで落ちぶれた、という意味不明な話になってしまいますわ。
それとも入れ替わりで加入した新メンバーがとんでもない無能でしたの?
追放したことが落ちぶれた原因だぜ。
おっさん冒険者を追放したパーティは、おっさん冒険者を追放したから落ちぶれるんだぜ。
何を……言っていますの……?
主人公を追放する行為は大罪なんだぜ。
主人公に敵対した愚か者は、後でハーレム要員になる美少女や美少女化する人外キャラを除いてざまあされる運命にあるぜ。
それに追放ざまあに因果関係や過程のような小難しい要素は求められていないんだぜ。
なろうではよくあることだぜ。
……。
なろうではよくあることだぜ。
そうですわね。
なろうではよくあることですわ。
というわけで、パーティを追放されたおっさん冒険者、ハズレスキル【煽る】が実はオリパ販売で最強だった話を紹介したぜ。
締めとしてセイジョの感想を聞かせてほしいぜ。
おっさんである必要性が全くありませんでしたわ。
喜んでもらえてなによりだぜ。
それじゃあ今回はこれで終わるぜ。
セイジョが喜びそうな話があればまた紹介するぜ。
楽しみに待っていますわ。
ここまでのご精読ありがとうございましただぜ。