屋根裏に立てこもる男
チクショー! 奴らに見つかってしまった。
俺が隠れている屋根裏がある倉庫の周りに奴らがゾクゾクと集まって来る。
昨晩、下の倉庫に山積みになっているレトルト食品が入っているダンボールを取りに行ったさい、荷崩れさせてしまった音を聞かれたんだろうな。
明かりを灯すと明かりを見て奴らが集まって来るのを恐れ、真っ暗闇の中で作業したのが不味かった。
こうなったら奴らを一匹でも多く道連にしてやる。
俺はここに立てこもろうと決めた時持ってきた武器、1丁ずつある自動小銃、狩猟用ライフル、ショットガン、リボルバー、全てに弾を込めた。
屋根裏の屋根と壁の隙間から奴らに向けて発砲する。
アハハハハハハハ。
最初に狙いを定めた奴の頭がキレイに吹っ飛んだぜ。
奴らアーとかウーとか喚きながら倉庫に押し寄せて来る。
倉庫の扉を乱打してもそう簡単には打ち破れねーよ。
弾の数だけお前らを道連れにしてやるからな。
ハァー、残っているのはリボルバーの6発だけになった。
奴らに喰われるなんて最後はゴメンだ。
俺はリボルバーの銃口を口に押し込み引き金をひいた。
倉庫の屋根裏に立てこもり銃を乱射していた男が自分の頭を打ち抜き、事件は収束。
新聞記者が、現場で指揮を取っていたベテランの警察官にインタビューする。
「警部! あの自殺した男なんですが、発砲しながらゾンビがどうとか喚いていましたけど何でです?」
「あのクソ野郎、ヤク中だったは。
屋根裏に覚醒剤やヘロインにコカインなどの麻薬が、ゴッソリと残っていたよ。
まったく、ゾンビごっこがしたいなら人里離れた山奥で1人でやって欲しいよな。
ま、クタバッタのがあのクソ野郎だけだったのが救いだよ」