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転生令嬢の異世界攻略記  作者: 卯月千奈美
第一章 異世界
2/9

第2話 典型的な異世界転生

読もうとしてくれてありがとうございます。

楽しんで読んでいただけると幸いです。

 眠りから目が覚めるとき、そこにはニ種類の人がいると思う。


 つまり、一瞬で夢から覚めて周りを見れる人と、頭がはっきりせずしばらくの間ぼんやりしている人だ。


 こう言い換えてもいい。

 低血圧の人とそうじゃない人だ。


 私の場合それは日によって異なる。 今日はすぐ起きれる日だったらしい。開いた私の視界には、見知らぬ白い天井が映った。


 ………一度状況を整理してみよう。


 私は今、見知らぬ天井を、仰向けに横たわって見上げている。


 異様に高い天井。四方を囲む大きい柵。自由に動かぬ手足。


 視界に入る自分の手はとても小さくて、まるで写真や自分以外の年下の子でしか見た覚えのない、赤ちゃんのような手だった。


 ………ははっ。今現在進行系で見ているのに何言っているんだろうね?


 まぁ、お察しのとおり私は今赤ん坊になっているようだ。


 いわゆる転生ってやつなのかな? テンプレ過ぎて笑えそうだ。笑えないけど。


 テンプレならそれらしく、一度自分のことを振り返ってみようか。


 わたしの名前は小鳥遊優。18歳。女子高専生だ。

 高専生が一般的じゃないなんてツッコミは受け付けない。


 まあ前述したとおり、これまで普通に生きてきたつもりだ。


 小中学校ではトップは取れなかったけど成績がかなり良くて調子乗ってて? 普通高校行くより高専行ったほうが将来楽かな~なんて舐めたこと考えながら進学決めて? ………………入学したら化学と物理で絶望しましたよ、チクショウめ!


 寮の生活は楽だし楽しいよ? 高専生活も自由度高くて面白いよ?

 私高専入れるくらい頭いい〜なんて思ってましたよ? 受験合格したときみんなに褒められてメッチャ調子乗ってましたよ?

 けど高専にいた人は私なんかの虫のように思えるくらい頭良かったわ! なんなの? 平均88点って。皆頭良すぎて一周回っておかしいの?


 ……いや、わかってる。私が努力してないのが悪いのだと。皆はきちんと努力してて。私はそれを怠った。それだけだと。


 まぁ、それでも寮に入れるギリギリの成績をなんとかキープしていたんだけどな。 その努力も虚しくいつのまにか私は死んでしまっていたらしい。


 死んだときのことなんて思い出したくないし怖いからなんで死んだのかなんて思い出さないけど。思い当たりもしないところ、寝てる間に死ねたらしい。苦しんだ記憶がなくて何よりだ。


 こんな現実逃避をしている間にも状況は変わる。


 私一人しかいなかった部屋に人が入ってきたのだ。




****




 いや、別に今まで誰も入ってこなかったわけじゃない。


 そもそも、私の自我がはっきりしたのはついさっきだが、今の時点で生後3ヶ月は経っている。そんなに放置されていたら私はとっくに死んでいる。


 まぁ、今入ってきた人は今まで入ってきたいわゆるメイド服を着ていた人たちとは違う格好をしていたのだ。そのメイドっぽい人たちは私の世話が仕事なのか、私のおしめを替えたりしていた。……今思い出すと死ねる。

 兎に角、メイドを雇っていることからもわかる通り私は金持ちの家に生まれたらしい。仕事だからなのか、その人たちは、部屋に入るとき必ずノックをし、失礼しますと声をかけてきた。

 しかし、今入ってきた人はノックをし、声もかけていたが、かけた声は『入るわね』とセリフが違った。しかも、入るときもその人が開けたのではなくお付きの人? 侍女?らしき人が扉を開けていたのだ。


 部屋に入ってきたその人は、迷わずまっすぐ私のいるベビーベッドまで歩いてきて私を抱き上げた。


 その女性は20代前半に見えて、薄い水色のネグリジェのようなものを着ていて、緩く波打つ金髪を背中に流していた。目鼻立ちは整っていて、柔らかく細められた目は綺麗な深い青色だ。ハッキリ言ってものすごい美女だ。


 先程の様子から見て親戚だろうか。結婚しているには早い気がする。


 ぼんやりと観察しているとその人が口を開いた。


「ようやく抱けたわ。ユーリフェレネ、


………あなたのお母様ですよ」




 告げられた言葉に一瞬思考が止まった。目を丸くして口をぽかんと開けて。傍から見たらさぞおかしい景色に違いない。

 だが、それほど驚いたのだ。

 だって、目の前の女性は20歳ほどにしか見えなくて、とても子供を生んだようには見えない。いくら美人でモテモテだったとしても今どきこんな早くに結婚する人は珍しいと思う。

 というか美人すぎる。メッチャキレイ。女優にでもなったら、一瞬で人気になりそうな、そんなレベル。表現方法が思いつかない。

 こんな美女で優しそうな人かつお金持ちの家に生まれるとかどんな幸運ですか!? 私前世でそんな良い事しましたっけ!?


 そんなポカンとした私の様子をおかしく思ったのか、母と名乗ったその人は首を傾げると、口を開いた。


「大丈夫? ………体調が悪いのかしら?

とりあえず、そうね、……………ヒール」


 言葉と同時に柔らかい光が私に降り注ぎ、染み込んでいく。開けっ放しで乾燥してきた目に潤いが戻ってきて、私は思った。


 どうやら私が転生した世界は異世界でもあったようです………………

読んでくださった方ありがとうございます。

これからも頑張るので応援していただけると嬉しいです。

また、作者の心が死ぬので引火、炎上などはやめてほしいですm(_ _;)m

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