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file3 愛美登場3

愛美参上編最終章です。

誤字脱字感想あればよろしくお願いします。


一貴side


食事はヤシの実のジュースと自生していた熟していない緑色のバナナだけのとても質素なモノだった。

ヤシの実は果実もおいしいのだが、肝心の果肉をとるスプーンなどがなかったのだから仕方ない。

食べ盛りの僕としては物足りないものだったが、それでも稲葉は文句一つ言わずに一人でヤシの実を8個分のジュースを飲み干しているの見ると文句など言えなかった。

うん。じつにいい子だ。

反対に我が不肖の妹、一姫は終始ぶつくさ文句をたれていた。

自分で指示しといてそりゃないぜ!っと思うがやはり何も言わない。このパターンは過去に何度となく経験があることだった。結局最後は言い負かされ、僕が悪者になるんだろうなと思ったからだ。何よりこの状況で不平不満をもらさない稲葉の精神力・・・いや図太さに感心する。


浜辺に生えている大きな木の下に作られた柔らかい葉を何十枚も重ねその上に、ゲンネラなんちゃらとかいう2メートルほどの大きな葉を被せた一姫のお手製天然素材100%の布団もどきは3畳ほどの面積で、かけ布団こそ無いが、ここの気候は常夏の夜を思わせるほどなので丁度いいくらいだ。暗いから本日はさっさと寝ることにしようとの一姫の提案に俺と稲葉は頷いた。


しかしいざ僕が一番に布団もどきにダイブすると、一姫が不意に脇腹を蹴っ飛ばしてきた。

「おにぃ!なんでおにぃまで寝ようとしてるのかな?」

「え?だってお前、今日はお前や稲葉を運んだり木に登らされたりでクタクタで・・・」

「純情な乙女が2人も火も焚かずに外で寝るのよ!おにぃは警備で寝ずの番よ!当然でしょう!」

ものすごく理不尽な要求を叩き付けられた。昨今の日米外交もこんな感じなのだろうか・・・

どんまい大臣さん・・・気持ちはわかるぜ。


しかしそこで稲葉さんが待ったを出す。

「ちょっと一姫さん・・・それはあまりにも一貴さんがかわいそうでわ?」

僕の目が輝きを取り戻す!

まさにエンジェル!かと思った。

彼女の華奢な輝いて見える!

特に胸が・・・


思い返してみると幼い頃からこの妹にどれだけの無理難題、無茶な要求、理不尽な思いをさせられていたことか!お馬さんで町内本気ダッシュとか小学生低学年の時なんか毎朝眠いからの一言で毎朝おんぶで登校させられ中学になると妹にナンパやらで絡んできた不良とその仲間100人討伐とか・・・

妹のわがまま姫様ぶりに近所の皆様は「あら、またやってるわ」とか「微笑ましいわね」とか「リアルツンデレラ様萌え〜」だとか、町内新聞で特集組まれたりと、もはや名物扱い・・・

しかしそれも今日までだ!俺にはニューヒロイン稲葉がいるんだからな!


彼女は続けて。

「せめて1時間くらいは寝かせてあげましょうよ」


(・◇・)ほい?←一貴



今なんかすっごい生殺し発言がでてきたような・・・

はははー!まさかそんなね・・・

「今日一貴さんを見ていて私思いました!一貴さんってすごい頼りになるんですもん!人間じゃないみたいに強靭な肉体!明日も元気に頑張ってもらわないとじゃないですか」

表情からは悪意は感じられない。

むしろ戦隊ヒーローショーを見る子供のようなキラキラした目だ。

彼女は素で言っているらしい。

素で僕をサイボーグかなんかと誤解しているんだ。

違うよ!そりゃ一姫の無茶な要求に小さい頃から応えていたから無駄に運動だけはできるけどさ!

「・・・そうね。まぁ、最近家でダラダラしすぎてておにぃの体力落ちてるから丁度いいと思ったんだけど。愛美がそういうなら、明日に備えて1時間の睡眠をとることを許可するわ」

「え・・・えええ・・・あの・・・」

「明日はお魚とかお肉も食べたいですね。正直物足りなかったですし」

「そうね、日が昇ったらおにぃに取りに行かせましょう」

「あら、ホントに頼もしいですね」

「私とお母さんがしっかり育てたんだもん。当然よ」



俺はここに最悪最強のコンビの誕生を目にした。


「てことでお先にどうぞ一貴さん」

「おやすみおにぃ」




「ふざけんなーーーーーーーーーーーーーー」

僕の雄たけびは潮騒の音しかない夜空にむなしく響くのであった。



なんとか愛美編書き終えました。

実は愛美編はもっと短いはずだったんですが、ついつい書き加えてしまい長々となってしまいまして、展開遅れてすいません!

次回!狩ります!!!

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