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file2 愛美登場2

この物語はフィクションです。実在の名前・団体とは一切関係ありません。あしからず。

今回も視点転換多めです。振り回されてくれるとおおいに嬉しいです。

稲葉愛美いなば あいびside


双子の白上一貴さんと一姫さん。

身長は170cmほどでしょうか、短い黒髪に左耳のピアスがとてもボーイッシュにしてセクシーな一貴さん、なぜか正座をしていた男の子です。

こちらは160cmないくらいでしょうか、長い黒髪に薄化粧なのに妖美な美しさを漂わせる一姫さん、なぜか正座をさせていた女の子でした。

共通してお二人とも細身でとても綺麗で可愛らしくもありました。


私は一姫さんから今までのことを経緯を話してもらいました。


一貴さんは相変わらず正座をした状態で『やっと説教が終わったぜ!ふぅ』みたいな顔をしています。

「えっとそれで稲葉さん?」

「はい!お話はキチンと聞かせてもらっています!つまり・・・私は飛行機事故から生還し、そちらの・・・男の子に助けられここまで運んでもらった訳ですね!ハイ!」

「まぁそうなんだけど・・・なんであなたまで正座してるわけ?」

「空気を読んでみました」

私は一姫さんの剣幕におされ思わず一貴さんの隣に正座してしまっていました。

そこでふと気がつきました。

他に人はいないのかといことです。

「あの・・・助けてもらったのは私だけですか?」

見れば、2人は私のいたクラスの方々ではない。

私には中学からの友人も数日の付き合いですが仲良くなった友達もいました。

すると一貴さんが私のほうを向き、申し訳なさそうに言いました。

「僕が見つけたのは君だけだ。近場も見渡したが他に生還者は・・・」

「そうですか・・・」

残酷な一言だった・・・

全身の力が抜けてしまい倒れこみそうになる。


悲しい・・・

寂しい・・・



涙が溢れ出て止まらなくなってしまいました。


うなだれる私の頭をそっと一姫さんの細く、しなやかな腕が包み込んでくれました。

「あなたは生き残ったの、今は・・・今だけは生き残った命を大事にしなきゃ駄目よ」


あたたかい・・・

ただただあたたかい・・・


私は人の優しさに温もりにさらに涙が溢れ出てきました。。。





私が泣き止む頃には太陽は沈みかけ、空は赤みがかかった茜色に染まっていました。

「グズ・・・すいませんでした。ふぅ・・・ありがとうございました落ち着きました。えっと・・・白上さん?」

私の涙で乾きかけていた制服がまた濡れてしまっていた。

申し訳なくてスカートからハンカチを取り出しましたが、ハンカチは私の制服同様、海で濡れてしまっていました。

「気にすることないわ。一姫いちひめでいいわよ、私も愛美って呼ぶわね」

「僕のことも一貴いっきでいいよ、よろしくな稲葉!」

「はい一姫さん一貴さん」


ぐ〜〜〜


その時、私のお腹が生への咆哮をあげました。

それはもう盛大な音を奏でました。

思い出せば飛行機の中で食べていたお菓子以降昼から何も食べていません。

「お腹すいちゃいましたね。でも私、鞄も無いみたいで・・・なにか食べるモノお持ちでしょうか・・・?」

そういうと2人はポカンと口を開いたまま私を見ていました。


「私何か変なこと言っちゃいったでしょうか・・・」

「それとも助けて貰っといてあつかましすぎたでしょうか・・・」


一貴さんと一姫さんは必死に笑いを堪えています。


「なにかおかしかったでしょうか・・・?」


「くくく・・・・」

「こら・・・おにぃ・・・笑っちゃ失礼・・・ぷぷぷ」


一姫さんに関しては自分の腹をドンドン叩きながら笑いを堪えています・・・


「「はっはははははは」」



結局声を上げて笑うとても失礼なお二人でした。







一貴視点


泣き止んだ稲葉はすっかり元気になったようだ。やはりこういう時は同姓のほうがいいんだろうな、それに一姫も稲葉には人見知りしている時のツンツンしてる感がない。いいコンビになるだろう。

そんな事を思いながら長時間の正座によって痺れた足を伸ばして立ち上がる。

ふぃ〜なんか疲れたな〜

「見渡したがこの辺りに人は住んでいないみたいだし、今日はこの辺でキャンプかな」

そういって2人を見る。

「仕方ないわね」

「え!男性と夜を共にするんですか?」

そういうと稲葉はなぜか顔を赤らめ僕をチラチラ見てきた・・・

「大丈夫よ。私も一緒だしを鼻は伸ばしても、おにぃに女性を襲うなんて甲斐性ないんだから」

「初めての夜が野外なんて・・・うふふふ」

ぶつぶつ呟いてる・・・背筋に悪寒を感じるが、とりあえず稲葉は放置しておこうと思った。


「一姫、この辺りで食料を確保しよう。指示をくれ」

「私達は海水を飲み込んでしまってるハズよ、塩分過多の状態ね。だから真水を確保したいとこだけど・・・でも今から見ず知らずの森に入るのは危険ね。浜辺で自生してる食物を中心に採取するわ。おにぃヤシの実を!できればココヤシとサラク!ついであればアブラヤシを中心に集めてきて、私と愛美は草葉を集めて寝具を作るわ」

「了解!」

そんなやりとりをしていると稲葉がキョトンとしていた。

「どうした稲葉?」

小動物みたいで非常に可愛らしい。

「あのお二人はなんだか慣れていません?」

そういって目をクリクリさせていると、僕が答える前に一姫がそれを制した。

「まぁ、そんな話は後よ!日が暮れる前に用意しないといけないんだから、さっさと動く!」

「「ハイ!」」

僕と稲葉は条件反射で駆け出した。。。







稲葉愛美side


驚愕です。

先ほどの一姫さんの態度。

自衛隊の上官さんのような有無を言わさず指示をだす凛々しいお姿にも驚きましたが。

現在、その一姫さんはテキパキと程よい大きさの草木を集め、ふさふさ自然のお布団をみるみる作りあげていきます。

仕事のできる女って感じです。

一貴さんは砂浜に生えている10メートルはあろうかという高いヤシの木をヌルヌルっと登り、ヤシの実をもぎ取っては下に落とし、その落とす力加減で硬いヤシの実に程よい割れ目を入れていました。

驚愕です!さながら現代に生きる野生で育った兄妹です!

いや野性に育てられた兄妹でしょうか!感動です!

そんな2人の姿を見ながらポケーと案山子のように立っていると一姫さんがこちらを見て

「愛美・・・あなたなんの役にもたたないわね・・・」と痛切な言葉を投げられました。

とってもショックです。。。

いや、その通りなんですけどね。

正直こんな状況でテキパキと動けるあなた達のほうがおかしいのでは?っと思いましたが、一姫さんが怖いので言わずにおきました。

私はなんとなく所在なさげに一姫さんの周りをウロウロしていると、彼女は手を動かしながら、「愛美、おにぃが落としたヤシの実をこの周りに集めてきて」と指示をくれました。

私は自分にもやっとできることが見つかり、2人の役に立てることに嬉しくて思わず「ハイ!隊長!」っと元気よく敬礼して、ヤシの実を集めに走りました。


稲葉愛美いなば あいび

身長148cm

体重??kg

バストF↑

肩過ぎまで伸びるクルクルカールで小動物のような外見一姫を美女とするなら彼女は美少女

少し(?)抜けている。しかしそんな彼女を慕って(ペット代わり)か友人は多い。

じつはけっこう世話焼きであるのだが、今のところ世話焼いてもらってばっかりです。


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