「異世界転生」の世界って普通ヨーロッパ系ですよね?なんかアジアっぽいんですけど・・・ってかここって昔の日本!?ここでどうしろって言うのさ、神様!!?の、プロローグ的な何か。
初投稿です。
手習い代わりなのでお手柔らかにお願いします。
ごきげんよう。
突然ですが皆さんは「異世界転生」なるものをご存知ですか?
結構流行りましたよね、ああいうお話。私も楽しく読み漁りました。
創作小説の投稿サイトで流行った「異世界に転生した女性(幼女含む)が突然前世を思い出し、様々なフラグを折って幸せになる」系の小説。
お話の舞台は乙女ゲームや小説などで魔法がある世界が多く、主人公は作品のヒロインやそのヒロインをいじめる悪役令嬢に転生するパターンがよく見られましたよね〜。
不幸になるフラグを折りながらハピエンに向かっていくのが王道だけど、たまーに魔王を倒す変形パターンもあったなぁ。
いろんな話を読んだけど共通していたのは「中世ヨーロッパっぽい世界」だった。
フリフリのドレス、地球人離れした色の目や髪を持った人たち、お城に住む王子様。
舞踏会や魔法学園に婚約破棄からの断罪イベント・・・。
「異世界転生」って、そういうのですよね?
少なくとも私はそう思っていました。・・・きのうまではね。
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「翠子さま!大丈夫ですか?!」
「早く救急隊をこちらへ呼べ!」
バタバタとせわしなく動く大人たち。
その姿は私がよく知る黒髪黒目の東洋人そのもので、女性は日本の伝統衣装である着物を、男性はスーツや制服のような衣類を身につけています。
「え〜と・・・」
これは一体どういう状況なのでしょうか?
キョロキョロと周りを見ると、そこはレンガ造りのこじんまりとした建物の中のようです。
窓はなく、埃っぽい10畳ほどの部屋に大人が1、2、3・・・7人。
みなさんの服装やこの建物を見てると明治時代を彷彿とさせますね。
というか私はいったいどうしたのでしょうか?
「翠子さま、救出が遅くなり申し訳ありません」
「え〜と・・・?」
「翠子さまを誘拐した一味は全員捕獲致しました。もう大丈夫です」
「・・・誘拐?」
記憶が曖昧になってるんですね、仕方ありません・・・と言いながら私を拘束していたロープを外すスーツ姿の男性。心配そうにこちらを見る眼差しには慈愛が含まれています。
あら、よく見るとイケメンじゃないですか。
・・・てかいま、誘拐といいました?え、私、誘拐されたんですか?
「おいたわしい・・・!翠子さま、頭は痛みませんか?」
「あたま?」
白髪まじりの青色のシンプルな着物を着た女性が心配そうに私を覗き込んできました。
そっと、手でこめかみに触れるとヌルっとした感触がします。
手を見ると赤黒い、おそらく血液が付着していました。
そしてその手は私が知る自分の手より遥かに小さい気がします。
頭がズキリとします。
思わず頭を抑えました。クラクラとする頭の中で疑問が浮かびます。
ーー買い物に一緒に出かけていたお兄様はどこへいったのでしょうか?
お兄様?私に兄なんていない。
ーーあれ?私、死んだんじゃなかったっけ? 死んだ?
私・・・。私は、誰だっけ?
私は、羽衣石翠子、7歳。貿易商として財をなす羽衣石家の長女。
私は、間宮美希、35歳で独身。仕事終わりに一人で飲んでたら車が突っ込んで来て・・・。
ん?え〜と・・・?あれれ?
これってまさか、「転生」ってやつですか!?
でもそういうのって普通ヨーロッパ系ですよね?
なんかアジアっぽいんですけど・・・なんとなく明治時代っぽいような・・・。
もしかして本当に、明治時代の日本!?
「解せぬ」
かろうじて一言つぶやいた私はそのまま意識を失いました。
「み、翠子さまー!!」
ここでどうしろって言うのさ、神様!!?
和風な異世界転生モノを書きたいなと思って。
気が乗ったら続きを書こうかと思います。