最終話
そして1年以上が過ぎた。
「優待っててくれたんだ」
「遅いから寝坊したかと思った」
「卒業式に寝坊するわけないでしょ!」
あれから3年生になっても俺と奏は順調でクラスも一緒だ。そして俺と奏は同じ大学に行くことになった。
「卒業か、なんだか3年生はあっという間だったな」
「だね、ちょっと寂しいよね。佳菜と中野君は違う大学になるし絵里もそうだし。でも優とは一緒だね!」
「お前が一緒の大学がいいって言ったんだろ」
「ふふッ、ここまで一緒だともうずっと一緒って感じだね」
「まったく」
俺と一緒でそこまで嬉しそうにされるとそれでもいいかと思えてくる。
学校へ行き式が終わり校庭を眺めていると……
「優先輩奏先輩!」
「あ、岬ちゃん!」
岬は奏にバフッと勢いよく抱きついた。
「ホントに卒業しちゃうんですねぇ〜、寂しいよぉー!」
「あはは、私も岬ちゃんが居ないと寂しいよ」
「うるさいのが居なくなってホッとした、じゃなくて?」
「優先輩心にもないこと言わないで下さいよぉ〜、優先輩の顔にもあたしが居なくなると寂しいって書いてありますよ?」
「ないない」
まぁこいつは前からしつこく絡んできたしそれがなくなるともなれば静かすぎるかな、なんて思うこともあるけど。
「岬、いろいろありがとな」
「へ?」
なんだかんだで奏とのことを気に掛けてくれたのも事実だしお礼を言うと岬はキョトンとした顔になった。
「ッ…… なんか調子狂うなぁ〜。でもまぁどういたしまして!」
岬は俺と奏の背中を叩くとクルッと後ろを向いた。
「岬ちゃん泣いてるの?」
「泣いてなんかいませよッ!」
奏は岬を覗き込むとニコッと微笑んで奏は岬の頭を撫でると奏からホロッと涙が溢れた。
やっぱ岬の奴泣いてたんじゃねぇか、奏はもらい泣きだ。
「奏ッ!ここに居たんだ?」
そんなこんなしていると今井とヒロキが俺達のところへ来た。
「あッ、岬じゃん。奏達見送ってたの?」
「別に〜。あたしも来年卒業だしどんなもんか見に来ただけですよー」
そう言うと岬は俺達に手を振っておめでとうございますと言って帰って行った。
そして俺と奏は今井達とこの後ファミレスで落ち合う約束して2人が帰って行くと神城が通り掛かった。
「あら、何してるのこんなところで?」
「お前こそ」
「優、絵里は私達のこと探しに来てくれたんだよ!」
「そんなわけないでしょ、適当なこと言わないで奏」
いや、もうわかってるよ神城。お前ともこんなに接してればな、奏の言う通りなんだろう。
「神城、お前とは大学違うけどたまに遊ぼうな。奏もそうしたいだろうし」
「うん!卒業しても遊ぼうね」
「はいはい、遊んであげるわよ。だから次会った時別れちゃったとか萎えるようなこと言わないでね」
「そんなことあるわけないでしょッ!」
奏がムスッと神城に言うとクスッと笑って神城も帰って行った。
「なんか卒業したんだけどまたすぐにでもこの高校に来てみんな揃いそうな気がするなぁ」
「実感わかないけどもうそんなこともないんだよな」
「でも新垣さんは私達と同じ大学だね」
「ああ、そういやそうだったな」
そうして校門を出て奏は学校を振り返る。
「いろいろあったね」
「ああ、今となってはいい思い出…… じゃないのもあるけど結果オーライだなって」
まだ肌寒い風が吹いたのでポケットに手を入れると奏が自分の手を入れてきた。
「優好きだよ、だーい好きッ!」
ドンと肩で俺の体を押して奏は俺の腕に顔を擦り付けて甘えてきた。
これからもいろんなことがあって振り回されるんだけどそれはまた別の話だ。
「おーい優!」
「引っ張るなよ」
「私を見てボーッとしてた?ふふふ」
「はいはい、そうかもな」
fin
ここまで読んで下さりありがとうございます。前に書いたものは誤字脱字が多過ぎたので読んでて恥ずかしくなったので。今もそんなに変わらないだろと思ってるかもしれませんが 笑
ではまた新しい小説でも書いたら見に来てやって下さいm(__)m




