その13
私は優にパンツを指摘されて恥ずかしくなって急いでリビングに戻った。優は最初は何も意識してなかったのか普通にポイッとカゴに入れてたからちょっとビックリしたっていうか面食らったっていうかそれはそれで…… って私変態みたいだ。
でもやるからにはちゃんとやりたくて変なことは勿論してないし!てか変なことって何??そんなこと考える事態変であって…… ああ、恥ずかしくなってきた。
それにしても優の裸…… あんなに近くで初めて見た。身体もガッチリしていてやっぱり男の子なんだなぁ。でも優のさっきの痣本当に大丈夫なのかな?優は大したことないって言ってるけど大したことあるよね。
少しでも優の体が良くなるように私がお世話しなきゃ!取り敢えず湿布とか貼った方がいいよね、とりあえず優がお風呂から上がったら聞いてみよう。
シャワーの音が聞こえる。優が入った後のお風呂に私が入るんだよね?なんか凄いドキドキしてきた……
というより急に冷静になってきて私は自分が優の家に泊まるんだという状況を今更よく考えることができた。
これまでは優に恋人として認められたいって一生懸命でひたすら突っ走ってきて今この家には私と優しかいない。
ええー!?どうしようどうしようッ?心臓に悪いよ、今私臭くないよね??自分の匂いを嗅いでると優が後ろに立っていた。
恥ずかしい、死ぬほど恥ずかしい!おかしな人を見る目で私を見てる、うん、今の私の行動おかしいから納得。てかお風呂入るからそんなの別にいいじゃない……
「奏、何してんの?」
「あっ、えーと、その、なんだろう?!」
「へ?」
「わ、わた、私お風呂入らないと臭くて…… って臭くないよ!? でもなくて!」
「落ち着けよ奏何焦ってんだ?」
ダメだ、焦れば焦るほど私変な女だ。
「えーとんーと、あ!優湿布ある?」
「あるけどどうした?」
「優のお腹に貼るに決まってるじゃない!」
「あぁ、いいよ、これくらい」
「ダメだよ!」
「はあ、わかった」
優はそう言うとリビングの引出しから湿布を取り出した。
「これで取り敢えずよし!病院とかにいかなくて平気?」
「なーに言ってんだよ、こんなんで行くわけないだろ?」
「うーん、ならいいんだけど」
「心配すんなって、何日か経てば消えるから大丈夫だ。安心しろよ?だから風呂入ってこいよ」
そう言うと優は髪乾かしてくるからと言って部屋に行ってしまった。
私もお風呂に入ろう、変に昂ぶる気持ちをリセットの意味で。脱衣所で服を脱ぎお風呂場へ行く。
ここに優も入っていたんだよね?優が体を洗ってるボディソープ優と同じ匂い、えへへ。
体を洗い湯船に浸かる。優が入っていたお風呂。なんだかいけないことしてるみたいでドキドキする。
優が使ったシャンプー、コンディショナー。流石にトリートメントは使わないのかな?私は落ち着こうと思ったのにお風呂場で変な笑いが止まらなかった。
お風呂から出て優の部屋をノックする。
「どうしたー?」
「ドライヤー借りていい?」
「あー、洗面所に置いてれば良かったな」
「優の部屋で乾かしていい?」
「いいよ?ほら」
「ありがとう」
ドライヤーで髪を乾かした私は本当に優の家に泊まっちゃうんだなと思い優の部屋を見渡してかなり緊張してきた。
私は優にお願いしたいことがあった、むしろそれもしたくてお泊まりしたいと言ったのだ。
「優、お願いがあるんだけど?」
「なんだよ?」
「優と一緒に寝てみたい」
「ふーん、って、え?」
「あの、彼氏彼女になったんだから……いいよね?」
ただ純粋に優と寝てみたかった、気持ちよく眠れそう。
「いやいや、なったばかりで急すぎないか?俺に何かされるとか思わないのか!?」
「何かって何?…… あ!でも何かするとかじゃなくてただ一緒に寝て欲しいの。優と一緒に寝て朝を起きたら隣に優がいたら私凄く嬉しい。ダメかな?」
「わかったよ、一緒に寝るくらいだったら」
「えへへ、私のわがまま聞いてくれてありがとう。優大好き」
言ってみて正解だった、優と寝れるなんて最高!でも寝れるかな?緊張して寝れなかったりして。
夜10時を過ぎた頃今日は色々あって疲れたので優は眠そうにしていた。私はというと優と一緒に寝ることを考えていて眠くなるどころかやっぱり緊張しまくっていた。
◇◇◇
………… 朝だ、俺はガバッと起き上がった。
「んにゅ……」
「んにゅ?んにゅッて……」
そこには肌を露わにしている奏の白い背中があり昨夜のことを思い出した。
そ…… そうだった、俺は何やってんだぁーーッ………… 思いっきり奏の両親に背いてるじゃないか。
俺が頭をもたげて昨日のことを振り返っていると奏が「うぅん……」と目を覚ました。
「あ、優…… おはよ。 って明るい………… ひえッ、え!?
あ!!」
奏も自分の一糸纏わぬ姿を見て昨日のことを思い出したのか毛布を被り俺から隠れた。いろいろアウトだ……




