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優と奏

お読み頂きありがとうございます、この小説は最初に投稿したもので読み直すとかなり粗だらけだったので書き直したものです。話の大筋は変わりませんがちょこちょこ書き直しています。


本日は晴天、校長先生のどうでもいい長話を聞き終わった俺は体育館から出てクラス替えの貼り紙を見に行こうとしていた。突如横から肩を掴まれた。




「よぉ!ゆう元気してたか?」

「ヒロキ、びっくりするじゃん、相変わらずだな」

「朝声掛けようとしたら白石しらいしさんと楽しそうに話してるから遠慮してやったんだよ!お前ら仲良いよなぁ」

「別に遠慮しなくてもいいだろ?」

「お前が遠慮しなくていいって言っても邪魔したら白石さんに悪いだろ?」



こういう曖昧な言いようってなんか腹立つよな。



「はぁ?なんだそりゃ?」

「まぁ、お前は興味なさそうだけど白石さんはお前に興味ありだと思うけどなぁ、この贅沢やろう!」

「ヒロキの勘違いだろう?少し仲良いだけだって」




なんだ、そんな感じに思われてんのか。あんまり仲良いと思われてると良からぬ噂とかたてられて面倒くさいことになりかねない、かなでは学校ではかなり人気だからなぁ。



あまり友達がいない俺には名ばかりかもしれないが貴重な友達だしな。下の名前で呼び合う程仲良くなった時点でもう目は付けられてるかもしれないから当分素っ気なくした方がいいのだろうか?



そんなことを考えながらクラス割を見ているとさっそくまた今学期も奏と一緒になった。 ついでにヒロキも一緒だ。まぁよく知ってる奴だからやりやすい奴がいて楽なのは事実。



中野なかのヒロキ」帰宅部仲間で1年の時に仲良くなった友達だ。あくまでヒロキの中ではの話だ。



俺は別に友達とは思ってないけどな、ただ学校生活において仲良くなってた方がいいと思ってただけだ。 結構薄情だよな俺、そんなんだから友達が…… まぁいいや。




ボーッとクラス割を見てると奏を見つけた。そして奏もこっちに気づいたようだ。




「優、また一緒のクラスだね!やったね!」



スラリとした華奢な体付きに栗色のロングヘアー、均整の取れた顔にパチっとしている目でとても可愛らしい笑顔で彼女はサムズアップする。ああ、そりゃ人気者になるよな、なんて改めて思う。



「またよろしくな奏」



まぁそんな感じに返事を返す。



「席も近くだったらいいなぁ」



奏は腕を上げて背伸びしながら言う。本当にそう思ってんのか?



「勘弁してくれよ」



なんとなく俺は意地悪くそう言ってしまって言った後で心の中で溜め息を吐いた。



「ひっどーい!もっと言い方ないのー?結構傷付くんですけどぉー」



奏はムスッとしてプイッと顔を下げた。まぁ普通だったら俺みたいな態度取ってたらすぐに愛想尽かしてしまうだろうけどヒロキと奏がそうはならないのは俺がそういう薄情な奴だともうわかってるからだろうか?



「はは、冗談冗談。奏結構人気あるからまた近くになったら他の男子に恨まれそうだなと思っただけだよ」

「そんなことしたら私その人と口聞かないもん」



彼女は腕を組んでまだ不機嫌そうだ。

そんな風にされるとますます誤解受けるからムキになんなくてもいいよと俺は思うが。





「白石、俺も優と同じクラスなんだ、よろしくな」



ヒロキは何故だか遠慮しがちに奏に話しかけた。



中野なかの君、よろしくね!でも何故に今更感が…… 優が居たら中野君もよく居たでしょ?」

「な、なんとなく一区切りみたいな」

「あははッ、何それー?」



いや多分ヒロキはただ単にお前みたいな子と話すの緊張してるんだと思うよ、お世辞抜きでお前ってクラスのアイドルになるじゃん。 








◇◇◇







私は気分が良かった、また優と同じクラスになれたから。1年の時、優の隣の席になったことから私は優に興味津々だ。



席が離れてた時から私は他の男子と女子とも極めて明るく楽しく接していたから何気なく知っていたけど実際近くで話してみると何か引っかかったのだ。



なんだか話してみると彼はわざとくさい。上辺だけと言ったらいいのかなんというか…… 無理してみんなと話している感じがする。気のせいだったら私の恥ずかしい勘違いだけど。



だから構っちゃおう、なんか楽しそうだし知らない面を引きずり出しちゃえ。



結構私ウザいかもだけど気になるものは気になるし、友達になったら素を出すのかなと思ったけどなかなか手強い。



こう接したらどんな顔するだろう?こう言ったらどんな風に返すだろう?驚かせたら怒るかな?とかいつの間にか私の中は足立あだち優という存在がいっぱいになっていた。



優はそんなこと思ってもないよね?優の中では私ってかなりウザいし踏み込まれて迷惑と思ってそうだけど……

って、私ひとりで何考えてんだろう。



とりあえず同じクラスになれたからいっか!これからこれからと自分を奮い立たせていた。すると後ろからトントンと肩を叩かれた。



今井いまい 佳菜かな小学生からの仲良しで私の親友。



「奏また足立君のところに行ってたでしょー、私をほっぽり出して行くなんて夢中になり過ぎじゃない?」

「ごめん佳菜、でも今年は同じクラスで私嬉しいよ、去年は違うクラスで寂しかったんだから!」

「そんなこと言ってちゃっかり去年足立君と大分仲良くなっておいて、一部では付き合ってるんじゃないかって噂されてるよ、奏あんまり自分が人気あるとか自覚してないもんねぇ」

「私…… そういう目で見られたくないんだよね疲れるし。それに優は私のこと別に好きとかじゃないと思う」

「はぁー、なんか面倒そうな展開。 そんな呆れた奴とは縁切りしちゃえば?」

「私が仲良くしたいって思ってるからいいじゃん♪」



そうだよ私が仲良くしたい。 佳菜もあんまり優に悪い印象みたいなの持たせたくないし。



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