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春夏秋冬  作者: 犬飼わん太郎
1章
2/4

僕と彼女は何もかもが合わない➀

 僕とハルは最初から色んな事が合わなかった。

 

 例えば趣味の話である。

 僕は昔から音楽が好きで、学生の時からバンドをやっていた。

 むしろ趣味と呼べる存在は音楽と漫画やアニメくらいしかない非常につまらない人間である。


 一時期はバンドでメジャーデビューを夢見た事もある程音楽にのめり込んでいた。

 もちろん好きな音楽や好きなミュージシャンもいる。

 僕は作詞作曲をしていたので、かつて勉強の為にと様々なジャンルのミュージシャンを聴いていた事もある。

 だからことさら音楽の話題には困らないし、大抵の人とはどれか1人くらいはミュージシャンの話で盛り上がれるのだ。

 

 ----ハルと初めて会話した時も当然のように音楽の話をする訳だが、これがまた面白いくらいに趣味が合わなかったのだった。


 噛み合わなさすぎて今でもたまに喧嘩をするくらい僕たちの音楽観は合わない。

 音楽ユニットならとっくの昔に解散する事になっていただろう。


 そして僕のもう一つの趣味である漫画だが、ハルは漫画だのアニメだのには一切人生で触れてこなかった人種だった。


 今でこそ僕に付き合って色々見てくれてるし当人もそれなりに楽しんでくれているようだが、当時はそんな話もまともに出来ない状態だった。


 ではハルの趣味はとなると、ドラマ鑑賞やカフェ巡りなどの僕の全く触れてこなかった部分になってくるのだ。


 おかげさまでドラマには多少詳しくなったし、今まで知らなかった音楽も聴くようになったが、当時はその趣味の合わなさに笑ってしまう程であった。


 例えば食べ物の話である。

 これは単純で、僕はなんでも食べるけどハルはやや偏食である事に尽きた。

 大分偏食も減ったようだが、うなぎを食べれないのは今でも本当に理解出来ない点である。


 例えば性格の話である。

 僕は割と雑でずぼらな性格だが、ハルは几帳面で真面目。

 僕は口が上手くて言い訳が多いが、ハルは口下手で言い訳をしない。

 僕は殆ど怒らないしヘラヘラしているが、ハルはすぐ怒るし基本しゃっきりしている。

 まるで正反対の人間である。


 そんな正反対な人間が果たして仲良くなれるのかと内心不安ではあったのだが、かれこれもう5年以上の付き合いになるので人の相性とは分からないものだ。


 ある意味で僕達は互いの足りない部分を補い合っていたのかもしれなかった。

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