最後の適正試験
「こちらでは軍民島への許可書を作成致します。こちらの書類を記載し提出ください。以後、軍民になりましたら許可書は必要ございませんので、今回のみとなります。わからないことがあれば、私がお答えさせていただきます。」
ここで申請書だすのか・・。まぁ無難っちゃー無難なんだろうなきっと。
父さんも母さんも第一区画に行ったけど、第一区画の生活なんか会うのかな??
はぁ、本当にオレなんかに軍民としての適性があるのかな??
「ご記載ありがとうございます。五名の許可書申請書を受理させていただきます。それでは次は入館許可書を作成させていただきます。右の手のひらを上にして、手首を私に見えるように出してください。では、そちらの黒髪の女性からお願い致します。」
「はいっ!」
「では、この機械を上からかぶせます。そして、その機械の上に手をおいてください。」
「は、はい!」
「そこに書いてある文書を読み上げてください。」
「は、はい!”わ、我、魔王を倒す者。生命の源、我に力を授けよ。我の名は、天野陽”」
——ピカッ
今のは、見間違いか?あの子の腕が光った?
「こちらで入館許可書が受理されました。最後の軍民適正試験合格おめでとうございます。天野様。」
「え、さ、さいご?」
「はい。こちらでは最後の軍民適正試験を受けていただきます。こちらの機械は皆さまの生命エネルギーが本当に軍民に適正するのかを計るものとなります。また適正したものは、天野様の腕についている模様に似たものが浮かび上がる形となります。」
「もし僕たちが浮かびあがらなければ…。」
「最後の適正試験不合格となります。その場合は私と同じくここで働く形となります。第一線ではありませんが、こちらで軍民の皆様へのフォローを行う研究者または事務担当になります。何分ここは機密情報が多いのでここまでたどり着いたものにしかあまりなってほしくないんですよね。では続けましょう、次は銀髪の男性の方からどうぞ。」
「”我、魔王を倒す者。生命の源、我に力を授けよ。我の名は、桜井陣”」
——ピカッ。
「”我!魔王を倒す者。生命の源、我に力を授けよ!!我の名は、郷田強!!”」
——ピカッ。
つ、次は俺。
「”我、魔王を倒す者。生命の源、我に力を授けよ。我の名は、土井吹葵”」
あっぶねー!かみそうだった・・。こっわ。
——ピカッ
・・・適正合格しちゃったよ。オレ・・、まじ?
「”我、魔王を倒す者。生命の源、我に力を授けよ。我の名は、木津優花里”」
??
光らなかった・・?
「今年の合格者、天野陽・桜井陣・郷田強・土井吹葵の四名となります。その手首についた模様は軍民の証であり、軍民のみが許される入館許可書となります。四名は時間になるまで別室で待機をお願い致します。不合格者1名の入館許可は不受理とされます。木津様は奥にて面談を行います、こちらへ。」