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皇子は魔法が使えない。  作者: もみԅ( ˘ω˘ ԅ)
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第1話 漢帝国軍発進

周囲からの声で俺は目を覚ました。


「……あのー、ここどこです?」

俺は寝台の上におり周りには4人の人物がいるが、全員が和服という洋服というかその中間のような衣服を身に着けている。

そのうち数人は武士を思わせる具足を身に着けている。

「ここは大和帝国丘矢間(おかやま)城、あなた様の帝国です。」

先ほどの転校生が口を開く。

が、何を言っているのかさっぱり訳が分からない。

「本当にこんな野郎が皇太子陛下なのか?」

隣の甲冑を身に着けた屈強な男が不満そうな顔でこちらを見ている。

「まったく状況が呑み込めないんですけども。」

「申し遅れました、私大内家当主大内瑞穂と申します。」

「同じく武田家当主、武田輝宗。」

「毛利家当主、毛利秀定にございます。」

「島津家当主、島津優火です。」

その場の全員が左から順に名乗ってゆくが、全員が自分に敬語を使っている。

しかしそのうち2人は間違いなく俺より年上である。

「先ほど申し上げた通りあなた様はこの帝国の皇帝です。他に何かご質問は。」

聞きたいことは山ほどあるがそれをこらえてできるだけ集約して質問をする。

「その、どういう理屈で俺が皇帝ってことになるの?」

「先皇は隣国である漢帝国との戦争に敗れ、次代でこの帝国を復活すべくあなた様を人間界へ逃したのです。」

今更だがこれは夢なのか?

夢でないのなら学校に行かなくてよいのではないか?

とてつもない幸福感を体いっぱいで感じているが直後に彼はあることに気付く。

「ちなみにこの世界にゲームなんてものは……。」

「げーむ?なんだそれは。」

波の如く襲い掛かってくる絶望。

唯一の生きがいが同時にはく奪されたのである。

「……もどれます?人間界に。」

「無理ですけど。」

泣きたい。ただそう思った。

「あと敬語やめてもらえません?」

「だったら言わせてもらうがな、俺はお前を皇帝だとは絶対認めないからな‼」

先ほどの屈強な男、武田輝宗って言ったかな。

いやいや全然そんな事望んでないし、禅譲できるならそう致しますよ。

と口に出す勇気があったらよいのだろうけど残念なことにそんな勇気はさらさらない。

故に無視する。

「あと補足しておきますとこの世界にはいわゆる魔法というものがあります。」

「あの魔法?」

「はい。この魔法は一族代々同族性の魔法を伝承します。」

「大内家は水、武田家は雷、毛利家は風、島津家は炎の属性を扱うことができます。そして皇帝であるあなたは全属性の魔法が使えます。」

「マジ!?俺も魔法使えるの?」

「一応訓練すれば使えるようになるとは思いますが、長い間人間界で過ごしておられたのでは習得に少々時間がかかるかと。」

残念ながら努力は何よりも嫌いなことだ。

「ちょっと気になってたんだけど、そこのケモミミの彼女は?明らかに別種族だよね。」

質問するとそのケモミミの彼女が口を開く。

「はい!私は大内家にお仕えしている咲楽です‼」

身長はそこまで高くはないが、尻尾をフリフリしながら威勢のいい声で答える姿がとても愛おしい。

「彼女のような種族を獣人族というのですが、獣人族は古来より高級貴族の小間使、召使として仕えてきました。それはここにいる全員も同じで一家に一人以上は仕えています。もちろん陛下も。」

「えっ‼俺にもいんの?」

「もちろんです。おそらくどこかの部屋に控えていると思いますが。」

どんな子かなぁ~と、想像しまくる俺氏。

だって小間使ってことは身の回りのお世話とかしてくれるわけでしょ。

てことはねぇ~、そういうことだよねぇ~。

あふれ出る笑顔。

「案内してくれない?」


丘矢間城 皇帝の間


「本日より陛下にお仕え致します、蒼依といいます。」

めっちゃええやん。

腰ほどまで伸びる白髪は淡いピンク色の和紙で結われている。

「代々大和帝国では白髪の獣人族が皇帝い仕えてきました。僕はその10代目です。」

「……んん?僕??」

その瞬間彼はすべてを察したのであった。

これはあれじゃないかな、うん完全にあれですわ。

「ちなみに彼は男なのでね、勘違いなさらないように。」

しってたぁーーー!

うん。なんとなく察してましたけどね、全然そうは見えないんですよね、はい。

もと居た世界でこの系列の作品がはびこっていたのは知ってたが、まさか当事者になるとはねぇ~。

というあふれんばかりの気持ちを一塁に投げ飛ばしたところで、

「まぁ、よろしく。」

「よろしくお願い致します。」

『バン‼』

勢いよく扉が開き秀元が入ってきた。

「どうしたんだ?」

「それが、隣国漢帝国がお味方が高崎城を包囲し兵糧攻めの姿勢を見せております!」






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