第92話:陣地作成──ユニットを配置しましょう
15日目:もうすぐ名前がつけられる陣地カッコカリ
蜂の巣からは、火蜜蜂の蜜蜂やハチノコ。
蜜蝋やら花粉を固めたもの。
勿論、魔物達も戦利品だ。蜂の毒。
火、と名付けられた彼らの毒は、苛烈な痛みを引き起こす毒だ。
使い勝手が良いし、改造が楽しみだね。
お薬が殆ど。火熊蜂の女王だけフリージングしたから、形がしっかり残っている。
幾つか暴れた個体がいて、ダメになっているのも居るが許容範囲。
ちなみに巣は<念動力>を筆頭に頑張りました。<精神耐性>あって良かったね。
『いやアニキ、グロいことしてるじゃないっスか。人間とか』
『あっちはいーの。なんか感じないの。
それより、蜂が一杯だな。<レッドの腕輪>内で繁殖させよう』
『蜂蜜っスか。オイラも食べたいっス』
ちゃっちゃか終わらせて、収納。
分離は後でやれば良いのである。
実は、<レッドの腕輪>の機能がまた進化して、収納画面から分離も選択できるようになったのである。
これは、俺が1度でも解体したり、分離しないとダメな仕組みだけどね。
<変態機動>も使いつつ、陣地に戻る。アーアアーー。
──────────
「それでは、この陣地にユニットを配置していきましょう。
ユニットのいない陣地は取られてしまいます」
「いきなりゲーム風に喋られても困るっス。
しかもアニキ声質良いんスから」
「突っ込みご苦労。
前に砦で行ったように、ここにも実験で魔物達を配置しておく」
ゴブリン砦……どうなってるかな。
勿論エルはきちんと管理している。
単に俺が頻繁に監視していないだけである。
エル、今グンソウに連絡しても大丈夫かね。
(グンソウ:第45話初出。ゴブリン砦のリーダー格)
エル:周囲の状況から鑑みて、充分に可能です。先触れとなる念話を送っておきました。
おっ、流石仕事が早い。
『グンソウ、聞こえるか。俺だ』
『こちらグンソウです。大将、御用は何でしょう』
オレオレ詐欺に聞こえるのは気のせいだ。
『1週間程経つからな。そちらの状況の確認だ。
エルがある程度把握しているが、まずはグンソウから報告を聞こうと思った次第だ』
そう、1週間しか……経っていない……ッ!?
『ハッ。ではまず、我らの損害はなし。
怪我をした者も居ますが、回復持ちにより回復。
人間達との邂逅は0。避けました』
『よし、人間とはできる限り関わらなくて良い。危険だ。
食料関係は?』
『ハッ。弓持ち、罠師等が獲物を捕らえています。
保存食と合わせても、かなりの余裕が有ります』
うむうむ。悪くないね。
ランクアップした奴等は居ないみたいだが、それは仕方がない。
<レッドの腕輪>内の時間加速と訓練がないからな。
『また、8体のゴブリンが増えました』
『そうか。増えたか。……増えた!? 早くないか!?』
『ハッ。エル様にお伺いを立てたところ、大将の影響を受けたゴブリンと、薬を投与された女達が合わさり。
早い妊娠と出産が可能になったようです』
『マジか……。どんだけ早いんだよ。
そちらは女が6人だったな。内訳は?』
『ハッ。4人が1体ずつ。2人が2体ずつです。
本来、ゴブリンは多頭妊娠が多いのですが、強さと早さを集中させたのではないかと』
ゴブリンは1度に5、6体産まれても不思議ではない種族らしい。
その分母体に負担はかかる。
『母体の負担は軽微。世話役の回復持ちがすぐさま回復させました。
妊娠に1日。出産まで5日ほど。昨日は休養に当てています』
『それでいい。母体を壊すなよ? 替えが効かない訳じゃないが、壊さず使い続けるに越したことはないからな』
『ハッ。勿論です。産まれたゴブリンはオス6、メス2です。
既に成体並みの大きさになったので、本日訓練を始めました』
『成体になるのもはっやいな!』
『その分、ステータスが低いようです。
しかし、人間達の才能を受け継いでいるようで成長性が望めます』
『そうか。そしてメスが産まれるとはな』
確率低いんじゃなかったか?
『その件ですが、どちらも1人の人間から産まれた個体で、我らの持つ知識から考えても、やけに美しく産まれています。
このメス2体も、育ちきったら繁殖相手に加えて宜しいでしょうか?』
エルさん、そんなことあるの?
エル:人間の才能や潜在能力の可能性が有ります。経過観察を推奨。
『……グンソウ。そのメスを産んだ人間は把握しているな?』
『ハッ。勿論です』
『ではその人間の優先度を他の人間より少し上昇。
メスの件も任せる。ただ、無理矢理は好まない。考えて行ってくれ』
『ハッ! 畏まりました!』
『では今後も頑張ってくれ。以上だ』
「もう産まれたんスかー。流石ファンタジーっスね」
「ファンタジーの産物が何を言っているか。
知識植え付けたの俺だけど」
俺もビックリだよ。
ただ、それなら戦力増強が狙いやすくなる。
必要となる食料も増えるけど。
俺が直接創造した個体なら、食べなくても平気だ。
しかし、いわゆる2世代目はそうはいかないみたいだしな。
それを踏まえつつ。
「では、改めて魔物達を創造していくとしよう。
ここはオークが居たから、オークメインで創造していく」
あっちがゴブリン砦(其の1)と呼称するなら、オーク村(其の1)で良いかな?
……あっ、MAPに反映された。
エル:主要な魔物達に通達しておきます。
ちなみに其の2がない可能性もあるぞ。
1巻と銘打って、2巻がでない作品だって……有るんだから……
オークメインなので、オークのリーダー種と平オークは確定。
試しにオーク・キング……うっわ、無理だこれ。
どんだけ必要なんだよ。
オーク・ジェネラル……出来なくはないが、無理がある。却下。
コイツらの素材使う案もあるけど、お肉だしなー。凄く上質な。
前世は上流に近い収入だったし、あのやけに顔の広い父親という存在で、良いお肉はたまに食べてた。
それでも、感動ものの味だったな。オーク・キング。
よって、素材はすべて食用だ。じゅるり。
まず、オーク・リーダー3体。
次に、平オーク30体。
ここがメインだな。
オーク・ヒーラー4体。
オーク・マジシャン4体。
魔術部隊だ。
そして、オーク・クリエイター2体。
生産持ちは必要だ。
かなりのリソース食うな……。
そうだ。オーク・キングの血液使ってみるか。
ブラッドソーセージは趣味じゃないし、ランク6のキングの血液なら、効果……たっけ!
流石はオーク上位種の雛型。
血液入れただけで、必要リソースがガクンと減った。
では、オーク8体追加。
コイツらはカスタムだな。繁殖力特化。
その代わり、ステータスがかなり低い。
女達を壊されるよりは良いか。
オークは力強く、耐久力が高い。
しかし、敏捷がめちゃ低い。
補うために、ゴブリン・シーフ2体。
ゴブリン・スカウト2体。
ゴブリン・ハンター4体だな。
オーク・リーダーの補佐に、ゴブリン・ストラテジストを追加。
それぞれ、直接育てて進化させた奴等より、ステータス・スキル共に低いが、充分通用するだろう。ランク3だし。
更に、オーク村の周囲に、トレント(苗木)を複数植えておいて。
魔鳥達や、ネズミ・魔猫・魔犬の小動物群を放っておく。
オーク村だが、多種多様だな。
オーク・リーダーには、<指揮>スキルを高レベルで与えておこう。
オーク総計53体。
ゴブリン総計9体。
……多いな。稼いだリソースだいぶ持ってかれるけど、頑張ってくれるだろう。
──創造!
『うひゃー、壮観っスねー』
「うわぁ。オークが一杯。味方なんですよね?」
「勿論だ。全員俺の味方。ユニの味方だ。
敵対することなんてないぞ」
俺の姿を見付けた上位種から跪いて行き、平オークがそれに習う。
繁殖オークも頭がパーとはいえ、知能はそれなりにある。
ちょっと遅れながらも、周りに習う。
「オーク・リーダー3体、立て」
「ハッ」×3
「命名する。【ターク】【ブナ】【ナラァ】」
魔素が流れ込み、より魂が強化されていく。
【ステータス】
個体名:ターク
性別:男
種族:オーク・リーダー(オーク種)
ランク:4
【ステータス】
個体名:ブナ
性別:男
種族:オーク・リーダー(オーク種)
ランク:4
【ステータス】
個体名:ナラァ
性別:女
種族:オーク・リーダー(オーク種)
ランク:4
反映されたな。
一番魔素を込めたタークは、その分力もある。
ランクでは同格に見えるゴブリン隊には敵わないがな。
「オーク村はタークを中心に、補佐官としてブナ、ナラァ、ゴブリン・ストラテジストだ。
オーク以外にも、ゴブリン、トレント、魔鳥達も居るが、差別は禁止だ。区別は許可する。
全員、俺の配下ということに代わりはない。
種族による差別や搾取は俺がユルサナイ。
足の引っ張りあいもだ。
競争は許可する。むしろ奨励する。
……そうだな、これからはこれをルールとして制定しておこう。
みんな、わかったか!」
「ハッ!」×いっぱい。
うんうん。
みんな、他人の地位を落として相対的に上がるのではなく。
自分を鍛えて、絶対的に地位を上げてくれ。
引っ張りあいなんて、総合力を落とすだけだからな。
「ではオーク村配属になる諸君には、1度訓練を受けてもらう。
ゴブリン隊、付いていってくれ」
「ハッ。引率いたします。あそこに入れるので?」
「最終的にはそのつもりだ。生存力が違うからな」
「畏まりました。しっかりと教え込みます」
「よろしくな」
ゴブリン隊とオーク村所属達を収納。
「うひゃー、あそこって、紅血の間っスよね。
死んだな、あいつら、ってやつっスよね」
「うん。我ながら、いいものを作ったと自負している」
「うわー(棒)」
「さて、暑苦しいのも居なくなったし、次に移るか」
「まさか、収納したのはそれが要因なんじゃ」
「さあて、あの女達を改造するかな」
君のような勘の良いゴブリンは、味方なら大歓迎だよ。
ゴブリン砦の時よりも、良い繁殖相手に出来るかなー。




