第90話:オーク集落の改築──というか新築
2/26 23:57
後から知りましたけど、PV10万、ユニーク1万行ってました。
総合評価も、500を越えてました。
とてもありがたく、モチベーションも上がります。
あのあらすじやタグを乗り越えて、ここまでお読み頂いている読者のみなさんに感謝を申し上げます。
本当にありがとうございますm(_ _)m
これからもお付き合い頂ければ幸いです( ・∇・)
15日目:現在作業中の札がついた元オーク集落
交易都市ハラスラを出たのが朝。
オーク・リーダーの罠を食い破ったのが昼前。
オーク・キングの居るここ集落を襲ったのが昼過ぎ。
そして今、もともとあった家屋を潰して新たに<建築>スキルの慣らしがてら野営地を作っているのが、夕方前。
「お前ら、もしかしたらこの集落から狩りに出掛けていたオークの部隊が居るかもしれないからな。
しっかりと警戒しておいてくれ」
まずは一軍メンバー達の、ランクアップによるマイナス点がないかを確認。
魔物が装備したものは、俗に魔物装備と呼ばれるものに変化することがある。
これは、銘付きの武器も同様だ。
特に、ランクアップ時には、ランクアップによる魔素の影響を受けて変化する。
それは魔物の使いやすいように最適化されるのだが、若干雑だ。
更に手をかけて、最適化させる。
ふむふむ。悪くない、上位化しただけだな。
魔物装備はいいな。
体格が明らかに変わったのに、それに合わせてアップデートしてくれたから、ある程度のメンテで済む。
加えて女性陣の下着類も誂える。
これは戦闘にも直結するからな。
一応男性陣に見えないようにしてから、形や大きさを計測して作り上げた。
ユニとは全く違う、というよりユニが特殊すぎるね。
とりあえず、魔物装備化されることも願って、ある程度の力で作り上げた。
同時進行で、<建築>もしている。
スキルというものは、やはり凄いな。
魔術系で特に感じられるが、生産でも凄いものだ。
持っている知識を、技術として形に出来る。
それもこれも、エルのお陰でも有るがな。
エル:マスターのお役に立つことが、エルの存在理由です。
懸念していたオーク達の帰還は今のところない。
俺たちが遭遇したオーク・リーダーの1部隊だけだったのか?
空から魔鳥編隊が空撮してるけど、特に敵影なし、と。
……よし、家屋はこんな感じでいいかな。
そろそろ、タスクをこなしていこう。
まずは……。
「キシ!」
「ハッ! 御前に」
うむ。
小柄の時は少し滑稽さがあったものだが。
人間とほぼ変わらなくなり、顔つきも逞しい。
騎士だと言われて、笑うどころか納得するほどだ。
「キシには騎乗系スキルはあるが、決まった騎獣はいない。
これは確かだな?」
「はい。大将が宜しければ、飼わせて頂けないかと」
「ああその件だ。キシ、お前は俺が創造した魔物の中でも、一軍メンバーだと言ったな。
その騎獣が見劣りするものではいけないだろう。
よって、お前の騎獣を直接力を込めて創造したいと思う」
「! 宜しいのですか!」
「ああ、勿論だ。これから創造を行う。
その為には、キシ、お前自身の血液が必要だ」
「血液、ですか?」
疑問が浮かんでいる。
というか様になるなー、人間大だと。
その忠誠ポーズ。
「ああ。その方が、キシと相性が良く、また強い魔物が創造できるからな。
この小瓶一杯に、血液を入れてくれ」
「ハッ! 畏まりました!」
清潔なナイフを渡し、付けた傷からゴブリンでも赤い血液が小瓶に貯まっていく。
「よし、<ヒール>
これから、ここに創造していく。
この小瓶を軸に力を込めていくから、お前もネガイを込めてくれ。
どんな魔物がいいか。
どんな魔物になってほしいか、とかをな」
「我が愛騎に望むネガイ……。畏まりました」
今回は、外から干渉できるように創造を行う。
まずはいつも通り、創造したい魔物を選ぶ。
選ぶのは、馬系の魔物。
騎獣にするなら、猪や鹿、牛も出来るのだが、キシは馬を望んだ。
なので馬系。ちなみに、ツイン・ホースはもう一度創造しようとすると、物凄いリソース食うので無理である。
魔物を選んだら、魔素と魔力を形にしていく。
この時、素材に馬系の何かを使うことで、リソースを増したり出来る。
オーソドックスに、馬肉や馬の骨(比喩に非ず)。
ランク4になった、ライト&ダークの毛を混ぜる。
そして、特別なキシの血液を混ぜる。
核が、形作られていく。
キシと<思考技術>で意識をリンクさせ、ネガイを込めていく。
キシのネガイにより、キシに合う魔物が。
俺のネガイにより、強い魔物が。
込めた魔素と素材が、核を基点に反応。
一気にその姿形を成していく。
……
…………
………………
「おお! この馬が我が愛馬か!」
たのむよ、エル。
エル:ステータスを表示します。
【ステータス】
個体名:───
性別:男
種族:小鬼と共に在りし・騎馬(馬系亜種)
レベル:1
ランク:4
おお!
ランク4か!
流石に、ランク3から育てたライト達の方がステータスもスキルも豊富で強いが、コイツも中々だぞ。
何より。
「ゴブリンと共にある時、ステータス上昇。
特に、相性の良いキシにテイムされると効果が上昇する、か」
「おお! 素晴らしいですな!」
さっそく乗りたそうなキシに待てをする。
「どうする? キシが名付けるか?
それとも、俺が名付けするか?」
「たっ、大将がお名前を授けて下さるのなら、私にも、この馬にも光栄なことです」
本当に名前って重要なんだな。
一軍メンバーの馬だ。名付けのコストも多目に使ってやろう。
オーク集落殺戮戦で、かなりのリソースが貯まった。
<ドレイン>の解析・付与でリソースも貯まりやすくなってるしな。
「では命名する。お前の名前は、【ファング】
キシと共に、敵を食い破る牙となってくれ」
「ヒヒーンッ!」
「良かったな、ファングよ!
これから頑張ろうぞ!」
「ヒン!」
うむうむ。
喜んでいるな。
まずは<レッドカード>をインストールさせておこう。一軍メンバーだしな。
あと……そうだ。
「キシ、お前に預けた騎士と従騎士。
騎士の方は騎乗可能な生物をテイム出来たな。
<レッドの腕輪>に、馬や牛、猪、鹿を放っておくから、好きな奴を選ばせろ。
従騎士の方も、小動物系をテイム出来るようだから、そちらも好きな奴をテイムさせていい。
その代わり、テイムされる側の意思を尊重することだ」
「ハッ! 伝えておきます」
「うむ。それじゃあ、警戒がてら、ファングと慣れてくるといい」
「ハッ! 御前を失礼します。
行こうぞファング」
「ヒン!」
よし、これでまずゴブリン隊は良いな。
それではそわそわしているフォルトゥーナさんも居るし、夕食を作ろう。
下拵えはしておいたけど。
今回は、オーク肉祭りだ!
「フォルトゥーナ、オーク上位種の食べ比べ、するだろ?」
「キュー(もっちろん)!」
ちなみに、意識リンクをミスると自我に悪影響とか有ります。
ちなみにちなみに、レッド君は恐ろしく自我が強固なためミスっても平気です。
そもそものはなし、エルが居る時点でミスりません。ミスっても対処余裕です。
普通はそうそう出来ることじゃないんですよー、と言いたいだけです。




