第72話:素敵で無敵なサンドイッチ
ユニのステータス回でも有ります。
14日目:火蜂の宿、客室
………………?
あれ、俺寝てたのか?
ああ、そうだ。ぶらじゃー様を製作するのに、<限界弑逆>してたからか。
<限界弑逆>のテスト試行ってのもあったけど、恐ろしく技術力と集中力が要るからな。
ぶらじゃー様は、とんでもなく難しく、現段階でも、満足行く出来にはならなかった。
それでも、多少は効果があるだろう。
望みは高く、現実は直視しなければ。
そう思うのだが、直視できない。
目を開いても、見えないのである。
ベッドに寝ていて、枕に頭を乗せている。
少し固めだが、お肉も付いてきてる。柔肉だ。
頭、というか目元までを、とても柔らかで幸せ脳内物質が出まくるクッションが覆って見えなくなっている。
これはなんだろうなー(棒)
「ひゃう!? あっ、レッド様起きましたか?」
まあ感知系有りますし、目覚めは早いので分かってましたけどね?
寝起きの理解は素早く、だ。
ユニの一人サンドイッチを持ち上げて脱出しつつ、ユニと目を合わせる。
……今度またやって貰おう。ユニの負担にならない程度に。
「おはようユニ」
「おはようございます、じゃなくてレッド様! 心配しましたよ!
エル様から聞いていたので、落ち着きましたけど……」
「それは悪かったな」
涙目ユニを撫で撫でしてあやす。
エル、時刻は?
エル:夕方です。意識喪失時間は数十分程です。
あれだけやって、数十分か。
反動はそこまで大きくないな。
エル:非推奨です。
ああ、必要じゃなきゃやらん。
エル:必要になる状況を避けることを推奨します。
勿論だ。ぶらじゃー様は必要である。
とにもかくにも、ユニ専用装備は完成した。
アップデートをしていくとはいえ、まずはこれで様子を見よう。
……ユニを守り、護るための装備だ。
妥協なく、全力で、だ。
うるうる上目遣いのユニを着替えさせる。
はい、万歳。
はい、あんよを上げて……。
おっとと、倒れないようにな。
手を通して、お肉をきちんと確保して、よし、データは悪くない。
そしてこれを着せて、そう、これを履くの。
これで止めて……よし。
はい、こちら。
<地属性魔術>で形成した全身鏡です。
「わぁ! 可愛いです!」
「気に入ったか?」
「はい! レッド様、ありがとうございます!」
それじゃ、それぞれ説明していこうか。
エルさん、サポートを。
エル:了。ユニのステータスと共に表示します。
【ステータス】
個体名:ユニ
年齢:3(見た目年齢13)
性別:女
種族:異常新種族:始祖たる混沌の種子
レベル:1
ジョブ:<混沌たる災厄>
ノーマルスキル
<杖術:レベル:1>
<護身術:レベル:1>
<氣力操作:レベル:1>
<魔力操作:レベル:1>
<無属性魔術:レベル:1>
エクストラスキル
<サキュバスの因子>
=<ドレイン>
=<色事>
=<精神魔術>を内包。
ユニークスキル
<全種族特性保有:因子覚醒>
耐性
<苦痛耐性:レベル:MAX>
<飢餓・不眠耐性:レベル:MAX>
称号
<殺戮者ニ望マレシ唯一無二>
<存在全テハ貴方ノモノ>
装備
[武具]
<精神魔術師の長杖>
<吸渉短杖>
<懐刀嵐魔ミゼリー>
<懐刀乱魔コルデー>
[防具]
頭部・頚部
<ハートの髪留め>
<隠者の半仮面:複製・ユニ仕様>
<首輪の赤>
腕部・脚部
<吸魔のレースグローブ・白基調>
<防魔の腕輪>×2
<疾風のオーバーソックス・白基調>
<ショートブーツ・オブ・レプリカ>
胴体部
<守護のフーデットローブ>
<回避のAラインワンピース>
<保護のガーターベルト>
<不変不触のしょーつ>×複数
<脅威なる胸部装甲>
[その他]
<モフモフうさぎのぬいぐるみ>
<レッド・タグ>
冒険者ギルドカード。
生存用緊急時アイテムの幾つか。
うむ。
スキルが生えてるな。
ユニの種族、始祖たる混沌の種子は、レベルの上がりが遅い=必要経験値は多いが、ステータスやスキルの上昇が早い。
もう、覚えてるな。5つも。
レベル1でも、有るのと無いのでは違う。
俺の<凌駕する唯一者>の成長加速は、配下にも及ぶ。
ユニもすぐに成長してくれるだろう。
自衛出来れば、尚良しだ。
しかし、装備頑張ったな……俺よ。
次回は、装備の解説です。
装備の名前って、凄く悩みます。皆さん、どう考えてるんでしょうね。
兎に角、という言葉は、亀の毛、兎に角はない、という使い方なのに。
ニードルうさぎさんが生息してる世界なんですよねぇ、イリガルドは。




