表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/144

第71話:さあ、限界を越えていけ──魂の全てをかけて

 

 14日目:火蜂の宿、客室



 お宿に戻り、生産を開始する。


 ユニは<精神魔術>や<ドレイン>についての熟練に励むように言ったため、ベッドの上で考えながら頑張っている。


 それ以外は良いよ、使う機会が勝手に来るから。



 俺はまず、必須の装備品を作っていく。

 取り出しましたるは<適応進化(グローイング・)蜘蛛(アラクネ)の再生布>だ。


 ランク:ハイエストな逸品の布。

 この布を使って、俺の服とコート。ユニの服とローブを作る。


 まずは理解だ。

 スキルの粋を尽くし、エルによる解析を行い、ある程度の理解が及んでいる。

<容易加工>のスキルにより、理解もしやすいのだ。

 しかもこの布、ある程度なら他の材質と合わせられるし、色も変えられる。


 布の織り方も把握し、ほどく。

<再生布>から、<再生糸>に。


<錬金術>を中心に、生産系魔術を全力起動。

<操糸術>を生産系スキルとして起動させ、糸の強度や()()などを変えていく。


 裁縫などに使う器具は買い、俺用の器具に仕立て直したり、1から作り済みだ。

 糸を紡ぎ、布としていく。

 大量の魔力と魔術を籠めながら、氣力で感知系・操作系を向上。


 俺の体格だけじゃない。

 身体の動かし方から、ポケットの位置。

 伸縮性、通気性などを整えていく。


 2本の腕では足りないので、精密作業向きの<魔力手>や、<念動力>を駆使して形成していく。

 既に<極限集中>は発動した。


 ……


 …………


 ………………よし。



 俺の装備はこれでいいな。

 下着まで作ったが、要るかな……要るな。

 都合良く、ズボンやパンツが破れない戦闘マンガの世界ではないのだ。

 フラグ満載の世界では有るが。


 再生機能付きのパンツは必要だろう。

 布に余裕はある。複数枚作ろう。

 シャツとパンツ(こちらはズボン的な意味合い)は快適性を重視。

 だが防御力はそこそこあり、耐性もある。


 メインの防具はコートだ。

 こちらは、<再生糸>を加工。

 細胞群を寄らせ、硬く布というよりは革のような質感に。

 かなり魔力を使ったが、良い具合だ。

 魔石を加工したボタンや、金属を仕込みつつ、暗器をセットできる加工を施す。


 ……………………うん。

 良い感じだな。

 防御力重視だが、回避に主を置き、受け流し可能なコート。

 色はダークブラック。俺の目に合わせて見た。

 どっちも色変えられるけど。


 赤髪黒目、黒コート。……なにか!?

 ここは世界:イリガルド!

 ふつーですー! 厨二病関係ないですー!

 古傷がうずくだけですー!



 うむうむ。良いのではないかな。

 後はグローブを作って……出来た。

 うーん。少し指回りが悪いな。直そう。

 俺の指使いは生命線になりうるし。

 グローブの内側に魔印と魔法陣を刻んで……と。


 魔石を砕いた魔石粉の粒子を揃えて、加工して、むっず、これ。

 だが出来るな。よしよし。


 グローブ、上下服、コート。

 ブーツは元々最高級品だ。


 武器は、まずイフさんを手入れしつつ。


『旦那様、くすぐったいで御座います』


 ここかー、ここがええのんかー。


『ああ、旦那様ぁ』


 ナイフ相手に何をしてるのだろう。

 ……うわ、<愛撫>スキルで攻撃力上がってるよ、マジか。


 投擲武器のアップデートを行いつつ、新武器? を工作。

 アトラトル、スピアスロアーと呼ばれる、投槍補助具だ。

 これはゴブリン達にも支給するとして。


 頭が壊れそうになるのを保護しつつ、<錬金術>を化学分野に適応させつつ、鉄武器の改良っと。

 俺の主武器……主武器なんだろう? うさぎ?


 まずは剣、これは幾つかの形を。

 レイピア等の細剣。

 中型の使いやすいロングソード系。

 大剣も作っておく。使わないと思うけど。

 槍と、杖。あと斧だな。

 盾も作って、弓矢セットを仕込んで、と。


 モーニングスターを依頼されたので、作成。

 これ、使うのか?

 使いこなせれば凄く使えるけど。


 うーん。俺の性格や戦闘スタイル上。

 大体投擲系に偏るな。

 基本的に忍者か暗殺者で良いと思うこの頃。



 次は、お待ちかねユニの装備だ。

 可愛く作るのは当たり前である。

 目立つことなど、隠蔽すればいいのだよ!(迫真)


 武器は杖かな。

 護身用に短剣を。


 ロリ巨乳娘がハンマーってのもロマンだけど、それは未来の話だな。

 今のユニは後衛向きだ。

<精神魔術>と<ドレイン>を主体とした、撹乱系魔術師かな。


 それはそれとして、安全な場所が確保できたらハンマーをミニスカで振り回して貰おう。

 勿論、魔法少女風の衣装でなぁ!


 エル:マスター。<極限集中>の使いすぎにより、脳の活動レベルが低下しています。


 よし。休憩しよう。

 なに考えてるんだ俺は。

 これでも俺は紳士であるはずだ。

 人間と関わらなかったので、あんまり自信ないけど。



<精神魔術>を練習していたユニを抱え、そのユニはモフモフうさぎのぬいぐるみ(デフォルメ)を抱え、リアルうさぎのフォルトゥーナは器用にスプーンを使ってプリンを食べている。


 卵が手に入ったので、作ってみた。

 水属性は使えるし、氷も使えないことはない。

 火属性の温度管理も出来る。


 砂糖も流通しているので、カラメル絡めてアラモード。

 ここ、火蜂の宿特製の蜂蜜を使った蜂蜜クッキーも作ってみた。


 美味しい? 甘くてザクザクで美味しかった?

 それは良かった。

 よし、これも飲むといい。

 レモンを使ったさっぱりするジュースだ。

 むせないようにゆっくりとな。


 レシピとかはあまり知らないしなぁ。

 エルさんが記憶掘り起こして適応してくれてるけど。

 あと<料理>スキル御大にマジ感謝。

  (メニュー募集!) (アイデアは感想欄) (又は割烹まで(ネタ))



 糖分を補給し、脳に回ったので、作業再開。

 いやー、ユニを抱っこしてると凄く癒されるわ。

 イヤらしく見られる気もするが。



 ユニの杖を2つ。ナイフ2つは完成した。

 ユニお手手とも合わせ、握りや重心の角度を微調整。

 これから更にアップデートを繰り返せば良いだろう。

 現状の最高峰だ。


 さて、問題は服だ。

 靴は作成した。

 俺のブーツの複製(レプリカ)だ。

 凄くリソースを食ったけど、靴は重要なんだ! (また魔物を殺戮) (しなければな)



 ユニおみ足に合うことを確認し……ソックスか。

適応進化(グローイング・)蜘蛛(アラクネ)の再生布>や、<再生糸>を靴下に合うように加工。


 んー、タイツも作れるかな。この分だと。

 今回はまだ難易度が高く、優先度が低い。

 普通にソックスだな。 (ハイソですが何か?)


 手袋も作りつつ、髪止めも作ろう。

 保護と回復付きの髪止め。


 そしてチョーカーをつくって、と。

 見映えの良い、首当たりの良いチョーカーを。

 細い首が痛々しく見えないように。

 しかし、首輪には見えるように。


 ユニの意見も聞きつつ、作り上げる。

 え? もっと首輪首輪してた方がいいの?

 所有されてる感じが強いから?

 もー、可愛いなぁ。(ナデナデ)





 さあ、強敵である。

 好感度の敵である、しょーつは作った。

 え? ショートパンツの略ですが?

 そもそも好感度など、ユニ以外は気にしないし。

 あっ、エルの好感度は気になる。イフも。


 エル:『エルの好感度は常時変化がないようだ』


 エルさんがお茶目なゲーム表記だと!?


『旦那様ー。イフことワタシも旦那様のことをお慕いしてますよー』


 そうかそうか。


「ユニはレッド様のこと大好きですよ?」


 そうかそうかー!

 貴様らデレ早すぎだろー! 可愛いぜこんちくしょう。


 ユニをむにむにしつつ、データを更に取る。


 さあ。

 データはある。

 スキルもある。


 素材となる材料だってある。


 始めよう。




「<限界弑逆>! 限定発動だ!」





ぶらじゃー作るためだけに、すべての戦力を注ぎ込む者:レッド。


エルさんはかなり止めました。

最終的にレッド君が押し通して、限界を越えた製作に挑む。


これは限界への挑戦である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ