第66話:シリアスが止まらない?──そう、裏はコミカルだ
13日目:交易都市ハラスラ:闇の奴隷市
視点は俺だ!
より暗く、より命の軽い空間。
命が投げ売りされている。
それは、現代日本で育った人間ならば、嫌悪を抱く光景だろう。
真っ当な主人公なら、どうすればいいんだ! と嘆くような光景だ。
まぁ、関係無いですけどね?
人間死のうと、ショックなど受けませんし。
奴隷商というか、奴隷産業は必要なものだ。
アースのように、国税で檻に入れて働かせるなんざ、あり得ない。
むしろ、奴隷という鎖でしっかりと働かせられるのだ。
やらないはずがない。
日本では馴染みがないが、他の国では犯罪者対して、ハコが小さすぎて。
脱獄ではなく、刑務者達が解放されてしまうのだ。
採算が取れないという理由で。
こちらではむしろ安全で、経済的だ。
税金で檻に入れるなんぞ、この世界ではそうそうあり得ない。
<直感>と<幸運>
そして、俺自身の魂が囁く勘。
なんというか、<直感>とは違うんだ。
もっと、魂に訴えられるような、この感じ。
この店……か?
檻に入れられ、鎖が首輪と繋がっている。
あれは、貫頭衣ってやつか。
人間もいるが、他種族も居る。
出戻りって奴だな。
あっちは、欠損か。
────!
彼女だ。
俺が求めていたのは、彼女だ。
何の反応もない。
<人間ヲ嫌ウ者>が、反応しない。
魂が、彼女を、似て非なる存在で有る彼女を。
求めている。
一応店主に訪ねるが、まぁ分からんわな。
真っ当に鑑定したわけでもないだろうし、しても分かるわけがない。
──ッ!
分かっちゃいるが。
今さらだと分かっちゃいるけど。
何、傷付けてくれてんだよ──ッ!
!?
目が、合った。
明かりは調節されて、こちらは見やすく、向こうからは見えにくくなっている。
その上、俺は<隠者の半仮面>を起動しているのに。
さっきまで、全く光を反射していなかった、ハイライトの消えた目。
だが一瞬、光が動いたような、そんな気がした。
【ステータス】
個体名:仮称6番
年齢:3
性別:女
種族:異常新種族:混沌秘めし人工災厄
レベル:1
ジョブ:───
ユニークスキル
<全種族特性保有:極致反転>
耐性
<苦痛耐性:レベル:MAX>
<飢餓・不眠耐性:レベル:MAX>
称号
<災厄ヲ望マレシ実験体>
<存在全テガ罪デアル>
これが彼女の、ステータス。
他の細かなデータも、恐ろしく低い。
エルさんが全力で取得してくれる情報を読む。
異常新種族:混沌秘めし人工災厄
何者かによって作られた存在。
この世に混沌と災厄をもたらすべく、あらゆる全ての人類種の要素を混ぜ込み、調整されて生み出された実験個体6番。
通常では鑑定不能。
覚醒したとき、あらゆる人類種に牙を剥く災厄と化することを期待され、性能値から最も爆発力が高く、可能性が低いとされ遺棄された。
ユニークスキル
<全種族特性保有:極致反転>
種族特性により獲得。
仮称6番が生まれた時点で世界に登録された種族全ての特性を持つ。
それら全ての特性の、マイナス部分が発現する。
成長力極大マイナス補正。
経験値獲得極大マイナス補正。
耐性
<苦痛耐性:レベル:MAX>
あらゆる苦痛に対する耐性。
他スキル・耐性とのシナジー効果有り。
<飢餓・不眠耐性:レベル:MAX>
飢餓・不眠等の生理現象に関わる耐性。
少ない食事、睡眠で活動できる時間が長くなる。
飢餓・不眠による行動阻害が軽減される。
称号
<災厄ヲ望マレシ実験体>
実験個体であることを示す称号。
種族・スキルに関連。
<存在全テガ罪デアル>
仮称6番が生まれた時点で世界に登録された種族全てに、嫌悪され、悪意を向けられ、あらゆる全てが否定されながらも、生存だけは確定する称号。
たとえどれだけ石を投げられようと、その命は繋がる。
たとえどれだけ言葉をぶつけられようと、その精神は壊れきらない。
あらゆる罪をぶつけられ、その罪科を全人類種に叩き付ける災厄となる、その時まで。
ああ、フラグ満載だ。
どこまでも、どこまでも、悪辣に設定されたその生い立ち。
つまりは、どこぞの機関なり個人なりが作り出した、世界への復讐、もしくは悪逆を成すための道具だ。
魔物がランクアップしていった先に現れる、魔王という特殊個体。
人類種が、レベルアップしていった先に現れる、英雄という特殊個体。
それら全てを凪ぎ払う為に作り出された、それが彼女だ。
あらゆる悪意を呑みこみ、世界へと反転させる。
マイナスが大きければ大きいほどに、揺り返す。
人類種への、災厄。
ああなるほど。
俺が求めるわけだ。
俺とは違う。
でも、近い。
エル:マスター。彼女を手に入れるのは、非推奨です。また、奥歯の回復を。
ああ、治しといてくれ。こっそりとな。
強化された歯が砕ける程とは、自分へなら良いのに、他者へ向けられる悪意は許せねぇのかよ、俺。
エルが非推奨なのは分かるさ。
要らぬ面倒を。
それも特大の爆弾を背負うってことだろ?
エル:現段階で想定できるシナリオは、マスターの目的に多大な支障が出ることが予測されます。
だろうな。
この世界:イリガルドは創造神が創造神だ。
フラグが乱立している。
それにこう言いたいんだろ?
──放っておけば、勝手に人類を滅ぼしてくれる──
とな?
エル:……yes。マスター……。
ああ、俺は、彼女を買う。
彼女を、俺のものにして、この胸クソ悪ィ運命ってやつを殺し尽くす。
ここで彼女を俺の手で救えなければ、変えられなければ。
俺は俺で、居られなくなる。
それにだ、エル。
彼女の力、役に立ちそうだろ?
どうなるかは分からねぇ、<超直感・観>ですら見据えられねぇ。
だが、俺自身が変えてやる。
そう、決めた。
エル:マスター……。エルも全力で補助いたします。
ああ、頼む。
それにさ!
凄くね!
オッド・アイって奴だろ?
獣人種ってのは、ケモ度が低くて、人にケモ耳、ケモしっぽを着けたような場合。
人の耳と、ケモ耳を持っているが。
ケモ耳に、エルフ耳までついてるぞ!
髪の色は埃でよくわからんが、どんな色かね。
それに、腕も足も細いが、なんだあの胸!?
貫頭衣来てるから、偽物ではないのが分かる。
脇から見えてるし。
ロリ巨乳ってやつか。
低身長なのは、ドワーフやノーム、ハーフリング系だろうが、胸はなんだろう?
しかし、ロリ巨乳ってのは、現実、いやアースでは有り得ない体型だ。
すげーな。あの比率、どうなってんだろ。
なんであばら浮いてるのに、そこだけ肉ついてんだろ!
エル:マスター…………。
ほう?
未通? ああそう言うこと。
そこまで気にしないけど、俺だけのものにしたい気持ちもある。
それならそれでいい。
というか俺、独占欲有ったんだな。
あんまり実感なかったけど。
独占したいものなど、前世は特になかったしな。
きちんと、対フラグを用意しなければ。
金を払い、また、貫頭衣以外の服を持ってこさせる。
あれでは目立つしな。
別の部屋に通され、待つ。
おお! 服が変わるだけで違うものだな。
契約を行う。
──エル!
──エル:了。一部解析完了。データ不足ですが、僅かに獲得しました。
よし。
契約で痛みが入るはずだが、全く微動だにしない。
耐性も有るし、心もやられてるからか。
よっと、軽ッ!?
小さいし、肉も ないから軽いとは思っていたが、想像以上に軽いな。
<ソナー>で更に詳細に、身体の不備を確認しつつ、宿へと戻る。
称号のことを考え、<隠者の半仮面:複製>を装備させる。
成長して作れるようになった、劣化複製品だ。
それでも、効果は有る。
明らかに、周りからの悪意が向かなくなった。
「お帰りなさいませお客様。
そちらはどうなさいますか?」
宿に入るときに、ささっと早着替え。
髪の色、顔の印象、声の質も標準に戻す。
チップをぽいぽい飛ばしつつ、食事を頼む。
すげー、ずっと真顔だこの人。
部屋に備え付けられた風呂に連れていき、ぽいぽい服を脱がす。
何、恐ろしく絵面は悪そうだが、その実質。
0才が(特殊な生まれ変わり:精神年齢20才程:見た目年齢15才程)
3歳児(被造物・者:精神年齢13才程:見た目年齢13才程と言っていいのかこれ?)
を洗ってあげるだけだ。
そう、きれいきれいにしてあげるだけ。
色々おかしいけど、なんの不思議もないな!
何故ならここは異世界だからぁ!
ずっと、身体も心も固まったままの娘に声をかけつつ、洗っていく。
徐々に心も解れてきてるかな?
多分、今までとのギャップで混乱して、身体が動かないんだろう……くっ。
やっぱり痣や火傷のあと、怪我が多い。
切傷のあともある。
骨が少し変形しちまってるな。
身体中をくまなく洗っていく。
今までの全てを注ぎ落とすように。
今までのキズを見逃さないように。
回復は後だな。
痕になった回復は大変だし、本人の体力を使ってしまう。
飢餓に近いこの娘に、無理はさせられない。
おっ?
髪を洗い流すと……白? じゃないな銀色かな?
白銀の髪に、蒼と翠のオッド・アイ。
綺麗なもんだな。
……? 何か模様にも見えるな。
1つの瞳に、1つの色だけど、虹彩の形かな?
……これは、胸に刺し傷痕か?
胸の体積で臓器には届いてないみたいだが、なんてことしやがるんだ。
いや、これは切り落とそうとした痕もある?
随分とやってくれるな。
俺の殺戮リストに、入れる必要があるな。
後で、ポーション付けるか。
きちんと傷痕を確認しとかないと。
部位や怪我によって、使うポーションも変えるしな。
ふふふ。自作石鹸だが、かなりツヤツヤになったな。
皮膚強化の効能を付与したから、効果は抜群だぞ!
俺も服を収納し、早脱ぎ。
魔術による高速洗体術で終わらせ、適温のお風呂に浸かる。
この娘には少し深いので、抱えておく。
やっぱり肉付きの薄い身体だ。ちゃんと食わせてあげないと……。
それに、種族だからか。作られたものだからか。
全身の歯車が全く噛み合わずに、歪な形で、体裁だけを取り繕ったような感じだ。
もしくは、より悪意を抱かせやすいようにか。
パーツは良いのに、より悪い比率で。
黄金比率というものは有るが、その真逆の組み立て方だ。
どうにか、出来ないだろうか。
暖まりきる前に、風呂を出る。
空腹に長湯は危ないだろうし。
モニタリングしてるので平気だけど。
タオルで水気を拭き取り、火・風混合魔術。
異世界転移したら大体生み出す、ドライヤー魔術で乾かしていく。
並行して、水魔術で髪を保護しつつ、水魔術で水気を払いきる。
そう、ドライヤーなどいらないのだよ。
そして軟膏型ポーションとクリーム型ポーションを丁寧に塗り込んでいく。
軟膏とクリームは違うらしいよ?
<操爪術>で爪を丸くし、傷付けないように注意する。
実は<操爪・髪術>は、俺だけではなく、他者のにも干渉出来るので、髪と爪を干渉限界まで整えておく。
あっ、服がない。
ゴブリン達のじゃサイズ合わんしな。
俺の服を着せておくか。
……盛り上がってるな。
なんだこの余計に高まった犯罪的な絵面は。
運ばれた大量の食べ物をテーブルに並べる。
……?
ああ、奴隷根性とか言う奴か。
声をかけるが……。
食器の使い方を教わっていないのか、忘れたのか……。
食べさせてみる。
誰かに食べさせることなんて……あったな。
前世で、姉にやってたな。
どこか、他の人間とは違う存在だった姉に。
食べさせないと、自発的に食わなかったからな。
なんとか矯正させたけど。
その分、絵の才能と努力は凄まじかったようで、相当評価されていた。
色んなジャンル描いていたが、確かに凄かった。
よく俺をモチーフにしたのは止めてほしかったが。
どんな経験が役に立つか分からないものだな。
目線や仕草などから、欲しそうなものを選び食べさせていく。
お腹一杯にさせたと思ったら、泣き出した。
静かに、ただ瞳から、涙が流れていた。
なので、ギュッとしてみた。
情報源は、マンガやラノベ情報。
そして、やけに対人関係が巧かった父親と言う存在である。
ん?
声を、出した。出せた。
久しぶりの発声だからか、声も少し大きいけど。泣いてたし。
「どうして、ご主人様は、こんなわたしを、大切に、してくれる、んですか?」
ああ、簡単だなそんなこと。
「君が君だからだ」
「俺は君が欲しいと思った。
君のことを大切にしたいと思ったからだ」
すらすらと、出てくる。
俺の本音、気持ち。
スキルに乗せる迄もなく、伝えていく。
「たとえ君が世界中から嫌われていても」
そう、そんなこと関係ない。
「俺は君を、大切にする。そう、決めた」
重要なのは、それだけだ。
そういや、名前どうしよう?
「わたしは、6番。ろくでなしの、6番」
よし。
「ならば、俺が君に、名前を贈ろう」
「良いんですか……?」
勿論だとも。
「ああ。君の名前を。ここにいる君のために」
そして、<思考技術>を全力起動……する前から、決めていた。
「【ユニ】」
「そう。君は、ユニだ」
「ゆに……」
「唯一無二であり、唯一の俺と共に歩む、君の名前」
「ユニ」
「ああ。そうだ。ユニ」
「ユニと名乗って、良いんですか?」
「ああ。君は。君が、ユニだ」
「わたしは、ユニ。ユニは、ユニ!」
「ああ、ユニ。気に入ったかい?」
「はい! ご主人様!」
ほっ、良かった。
まともに名前考えるのは、フォルトゥーナ以来だ。
次点でイフ。
全力で考えたのは、エル以来になるな。
っと。
「そうだ。俺も名乗ってなかったな。
俺の名前は、レッド。
レッドと呼んでくれ」
「レッド……様? 呼んでも良いんですか?」
奴隷根性強いな!
徐々に変えていこう。
「ああ。そう呼んでくれ」
「レッド様……。レッド様ァ!」
うむ。
名前を呼ばれて嬉しいと感じるのは、いつ以来かな。
また泣き出し、完全に感情が戻った彼女を抱き締めながら 感慨に耽っていると。
エル:条件が達成されました。
エル? なんの、どういう条件だ。
エル:個体名:ユニに対する、干渉条件が達成、解放されました。魂の支配=奴隷化、名付け=存在の固定化、及び受け入れにより、ユニをマスターの手で救うことが出来ます。
おお!
なんというタイミングの良いフラグだ!
こういうフラグなら、大歓迎だ。
エル:<人間ヲ嫌ウ者>に代表されるスキル群により、変革を起こせます。
ユニに許可を取る。
おー、嬉しいこと言ってくれるね。
だけど、念押しだ。
「だけど、それは君に苦しみを与える。一時の苦しみだが──「変われば! レッド様のお役にたてますか?」──! ああ。当然だとも。受け入れてくれるかな?」
「はい!」
よし、ならばやるとしよう。
「なら。行くよ。『我が魂の眷属たるユニよ。我が力を以て、汝の全てを、我のものに』」
詠唱句。
これは、覚悟の証。
世界への、宣誓。
微笑んで受け入れる、ユニに、力を注ぎ込む。
使いながら、理解する。
これは、生まれ変わりに等しいほど。
詠唱句の通り、彼女を俺だけのものにする、独善的な儀式。
そして、マイナスが大きければ大きいほどに、プラスにできる、そんな、儀式。
細胞の欠片から、魂の一滴に至るまで。
その心と記憶には手を加えず、他者の痕跡は全てデリート。
あらゆる全てを、俺の、俺だけのものに。
願わくば、俺の隣で歩んでほしい。
その笑顔のまま、いてほしい。
──
─────
─────────
エル:個体名:ユニに対する干渉・改変が完了。状態……安定。深睡眠状態です。
出来た、な。
実験なしのぶっつけってのは怖いものだな。
今しか出来なかったから、避けるわけにも行かないし。
ああうん。出来ないの、後では。
さて、表示。
【ステータス】
個体名:ユニ
年齢:3(見た目年齢13)
性別:女
種族:異常新種族:始祖たる混沌の種子
レベル:1
ジョブ:───
ユニークスキル
<全種族特性保有:因子覚醒>
耐性
<苦痛耐性:レベル:MAX>
<飢餓・不眠耐性:レベル:MAX>
称号
<殺戮者ニ望マレシ唯一無二>
<存在全テハ貴方ノモノ>
変わった。
そして、なんだか恐ろしく恥ずかしい称号に変わってる!?
手を加えたが、そんな風には変えてないぞ!?
エル:マスターと個体名:ユニの願いによるものです。それが改変された称号に反映されました。
うわーお。
とりあえず、見ていこう。
異常新種族:始祖たる混沌の種子
個体名:レッドにより改変され、よりイレギュラーに、よりレッドとユニの願いに近い形に改変された種族。
混沌を秘め、混沌に至る存在。
災厄はレッドと共にあることで確定し、種族名には現れなかった。
ユニークスキル
<全種族特性保有:因子覚醒>
世界:イリガルドに存在する、個体名:レッドを除いた全ての種族特性・因子を保有している。
それら全ての特性のプラス部分が発現する。
成長力極大プラス補正。
経験値獲得極大プラス補正。
スキル保持者:ユニが心の奥底から望んだ因子がスキルとして発現する。
ユニークスキルとしては、破格の性能と成長性を持つ。
称号
<殺戮者ニ望マレシ唯一無二>
称号に対して、強引に破壊した枠に再編された称号。
双方に対する補正が入る。
<存在全テハ貴方ノモノ>
称号に対して、強引に破壊した枠に再編された称号。
双方に対する補正が入る。
称号さんの補正って何よ……。
改めて、ユニを見てみる。
白銀の髪は更に煌めき、光を放つよう。
顔の各パーツは黄金比すら蹴飛ばし、完全なる美を体現する。
角の痕、ケモ耳、エルフ耳は消失。
しかし、ユニの願いにより、何時でも生やすことも隠蔽することも可能。
その為、より人らしく見え、悪意を抱かれることもないだろう。
腕や足にも、ある程度の肉がつき、正常に。
低身長なのは変わらないが、腕や足は長く見えるため、寸詰まり感はない。
その大迫力の胸は、健在。
それぞれのパーツは美しく。
揃って見たときの姿は、全てが噛み合い、更なる美しさを見せる。
その幼さと、大人への過渡期特有の美しさは、目を惹き付けるだろう。
……
…………
………………
ヤバい。これ、仮面つけてないと人目惹きすぎるほどのレベルになってる。
可愛すぎるだろ、これ。
顔への改変は殆どしていない。
とするとこれは、ユニの願いとポテンシャルか。
ふー。
疲れたな。
俺も寝るとするか。
片付けを終えて。
エル、あとは頼む。
エル:了。マスター、お休みなさいませ。
──────────
────エクストラスキル<サキュバスの因子>が解放されました────
エル:…………マスターの<ドレイン耐性>獲得を確認。最大生命力値上昇。身体機能の上昇を確認。及び個体名:ユニの全ポテンシャル上昇を確認。止めるべきではないと判断。……判断します。
アウト:名付けの贔屓が凄いっス……。
レッド君は、初めて嫌うことのない存在を得て、めっちゃテンション上がってます。
ここから、レッド君は女の子を増やしていく……のかな?




