第46話:<幸運>先生のお仕事はとてつもない──<超直感・観>が反応したぞ!
8日目:ミリロの町近辺:森
フォルトゥーナをお供に引き連れ、空には魔鳥が飛んで情報収集。
別の、敵の魔鳥に遭遇したりする。
魔鳥達が応対するが、<レッドカード>による弱体化。
成長特化の為、初期ステータスの低さで、4対1ならともかく。
4対2以上は危ないようだ。
<回避>スキルで、避けるのは上手いが、決め手がない。
「フォルトゥーナ! 君に決めた!」
「キュー!」
うさぎさんのモコモコした身体を掴み、思い切り身体を捻り、<投擲>。
慣れてきたフォルも、良いタイミングで飛べるようになり、今では回転突きまで習得した。
フォルトゥーナの回転突進!
敵:魔鳥にクリティカルヒット!
魔鳥は倒れた!(落下中)
フォルにくっ付けた<魔力糸>を引っ張りつつ、<念動力>で干渉。
「よーし、良くやったぞフォル」
「キュー!」
「うむ、ちゃんと撫でてやるからな」
魔鳥に刺さっている角は、徐々に縮んでいき、抜ける。
コブにも見えるほど小さくなった角辺りを拭きながら撫でつつ。
「やっぱり便利だな、<操角術>」
「キュ!」
角付き兎の、角刺さったら抜けない問題が解決してしまった。
俺の<操爪・髪術>からヒントを得て、フォルトゥーナの角にも干渉しまくり。
流石に嫌がるフォルトゥーナを説得しつつ、<愛撫>スキル全開で教え込んだら、覚えた。
<幸運>スキルの効果も有るが、<変異誘発>や、<錬金術>、<凌駕する唯一者>等、色々混ざってよーわからん。
<愛撫>スキルが一番の気がしないでもない。
何はともあれ、<操角術>が手に入って良かった。
一応表示。
【ステータス】
個体名:フォルトゥーナ(愛称:フォル)
年齢:0
性別:女
種族:角有幸運兎(ラビット種・レア)
レベル:64
ランク:2
ノーマルスキル
<突進:レベル:3>
<幸運:レベル:MAX>
<投擲:レベル:3>new
<脚力上昇:レベル:2>new
<魅力上昇:レベル:1>new
<操角術:レベル:1>new
レベルまた上がってる。
スキル、ん?
<投擲>だと?
エル:個体名:フォルトゥーナの<投擲>スキルは、正しくは<被:投擲>と言うものです。<投擲>されることに対する補正が入ります。
あー、フォルトゥーナ・アタッークの影響か。
男の魂完全燃焼させつつ放ったからなー。
<脚力上昇>は、普通に獲得したやつ。
<魅力上昇>は……、撫でたから?
エル:フォルトゥーナの場合は、毛並み等が良くなるようです。<人間ヲ嫌ウ者>による隠蔽の強化を推奨します。
推奨されます。
モフ度が上がったと思ったら、こんなスキル獲得してたのかー。
可愛いぞー。レベル上げてやるぞー。
<操角術>はまだレベル1。
ゆっくり伸縮するくらい。
それと硬さと鋭さを変える位だ。
撫でるときは縮める。撫でやすいからだ。
自主的に縮めている。
「よーしよし。綺麗になったぞー」
「キュキュッ!」
撫でてる時も、警戒は怠らない。
棒手裏剣を打ちつつ、蛇を回収する。
蛇の毒腺を<解体>。
身体をバラして収納っと。
手裏剣には色んな打ち方が有るからなー。
練習しとかないと。<暗器術>としても。
忍者は手裏剣を2つほどしか携帯せず、壁登りや穴堀りに使っていたらしいが。
俺はアイテムボックスも有るし、用途毎に特化出来て良いね。
シュシュシュ! とか普通やらんし。暗器やねん。
何処にでも居るはぐれゴブに武器の試し打ちや、試し切り、試し角兎投げをしつつ 森を進む。
ん? <直感>に何かが。
「キュー?」
エル:フォルトゥーナの手:前足の先をご覧ください。
おっ?
茸?
<魔積茸>
食べると魔力がほんの少し増える。
食材としての価値も高い。
おお! レア食材。ステータスアップ系だ!
<採取>~♪
ナイフを使って、効能を落とさないように茸狩り。
体力が回復したり、大きくなったりするのは無いだろうか。
限定的だけど不死身だし、炎は既に出せます。
あっ、ちっちゃくなれるし、少しだけ大きくなれたわ。
毒茸や、薬茸は幾つか採取してたが、こんな茸もあんのなー。
魔素による変化か。
<幸運>と<直感>凄いな。
魔物にも良い感じに遭遇できるし、素材も集まる。
周りに冒険者も居ないので、<念動力><操糸術>で、<採取>しまくり、<解体>する。
森の生態系を破壊しない程度に、乱獲じゃー!
手で触れなくても、<魔力手>で収納できる。素晴らしいね!
<魔力手>みたいな、感覚を繋いだ魔力器官の作成はかなりの高難易度。
エルさんと一緒に研究中だ。
『キュー!』
念話か。
ほう。あれは、猪か!
【ステータス】
個体名:───
年齢:2
性別:男
種族:ワイルド・ボア(ボア種)
レベル:85
ランク:2
ワイルド・ボアか、定番な名前だな。まあ創造神様ですし。
ランク2の中では高位。
その突進による迫力と、鋭い牙は、下位冒険者では危険。
まぁ、終わってますけど。
「キュー(やれやれ)」
「そう言ってやるな、所詮は獣だ」
<風属性魔術>で音を。
隠蔽を解き、<意識投射>を弱めに放ち、敵意を持たせる。
<盾術>による挑発で、突っ込んでくる。
ので、<地属性魔術>と<罠之技術>コンボで落とし穴。
念には念を入れて、糸による足の引っ掛け。
それじゃ、<解体>と<料理>スキルの出番かな?
──────────
お昼を猪肉と、<魔積茸>の炒め物。
買っておいたパンに<回復魔術>と<火属性魔術>で、ちょっと一手間。
デザートに、苺に近い木の実を搾ったり、<水属性魔術>で凍らせる。
水だけでなく、火を使うことで効率的に凍らせる事が出来る。
熱属性とか、氷属性も有るらしい。
<料理>スキルの効果で、より美味しくできる。まさか魔術の操作にも効果があるとはね。
「キュー!」
「美味しいか。それは良かった」
訓練してるであろうゴブリン隊にも送りつつ。
フォルと食事をとる。
川の近くで、お食事だ。
小石がいっぱい有るので回収しまくる。
気配を消しつつ、ご飯の匂いだけ漂わせているので、色々魔物や、動物がやって来たり、水を飲んでいる。
爆釣だ。あっ、釣りもしてみた。
糸使いだしね!
釣果は? 爆釣だと言ったはずだ。
<幸運>先生のお力も有るのだよ。
魚の魔物も居た。食材コースだが。
器用な前足を使って、綺麗に食べたフォルトゥーナの口回りを拭いてやり、後片付け。
魔鳥の1羽を肩に乗せつつ、町へと向かう。
そろそろ城壁が……見えた。
視力が強化されてるから、まだ遠いけど。
まずは、この子達を登録しないとな。
「どうも、こんにちは」
直感が反応したのは素材・食材でした。
料理系の知識は全くないので、飯テロは有りません。安心です。
連れ歩く魔物のメンバーは、今居るゴブリン10体。魔鳥4羽。兎1羽が基本です。
フォルトゥーナさんは、投げられるのは嫌いではなくジェットコースター感覚です。
更に役に立てるので喜んでいます。




